2015年8月1日土曜日

パクリ切れない日本の「デジカメ」:中国企業「お手上げ」状態、キヤノンはカメラ生産、完全自動化へ

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サーチナニュース 2015/08/01(土) 06:02
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0801&f=business_0801_005.shtml

中国企業「お手上げ」状態
・・・日本の「デジカメ」に太刀打ちできぬ!=中国メディア

 中国メディアの中国産経新聞報は7月29日、スマートフォンやパソコンといった製品において中国ブランドの存在感が世界的に高まっていることを指摘する一方、デジタルカメラの分野では中国ブランドはキヤノンやニコン、ソニーといった日本企業に太刀打ちできていないと論じる記事を掲載した。

 記事は、デジタルカメラ市場において中国ブランドの姿はほとんど見えないと伝え、中国の消費者もデジタル一眼レフカメラなどにおいては中国ブランドを購入の選択肢にすら入れていないと指摘。
 中国の消費者もデジタルカメラ市場に中国ブランドがほとんど存在しないことにすっかり慣れてしまったと論じた

 続けて、中国でカメラ産業が興ったのは1956年からだとし、当時の中国の工業力は非常に脆弱だったと指摘。
 それでも国の政策の影響によって中国全土にカメラの生産工場が林立したと紹介し、
★.58年には初の中国産カメラが誕生した
と伝えた。

 一方で、当時の中国産カメラの大半はドイツ製カメラの模倣だったと伝えたほか、計画性のない盲目的な生産によって競争力のない製品が数多く誕生しては消えていったと伝え、
 淘汰のすえに「鳳凰」と「海鴎と」いう2つのブランドが生き残ったと紹介した。
 さらに、
★.鳳凰と海鴎は中国国内で高い人気を獲得しただけでなく、
 大量に輸出もされたと伝える一方、
★.デジタルカメラの登場によって鳳凰と海鴎も市場から姿を消してしまった
と論じた。

 また記事は、
 デジタルカメラは光学、機械、電子といった複数の分野の技術が複合的に組み合わせられた製品
であると伝え、
★.デジタルカメラ分野においては「日本企業の技術が非常に高く、数多くの特許も押さえている」
と指摘。
 そのため中国企業はデジタルカメラ市場で先行する日本企業を追う力もないとし、
 もはや中国企業はデジタルカメラ製品において「市場に参入する時機を逸してしまった」
と伝えた。



時事通信  (2015/08/04-12:06)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2015080400301

カメラ生産、完全自動化へ
=国内工場で18年めど-キヤノン

 キヤノンは4日、国内でのデジタルカメラ生産を完全自動化する方針を発表した。
 自動化に必要なロボットや機械などの生産技術を開発する総合技術棟を、大分県国東市に2016年末までに建設し、自社製造ラインの開発を加速。
 18年以降順次、大分、長崎、宮崎の各県にある国内4工場への導入を目指す。

 総合技術棟の建設には約133億円を投じ、技術者約500人が開発に当たる。
 完全自動化は高級モデルのカメラや交換レンズも対象で、これにより生産コストを2割程度削減できると見込む。
 自動化後、
★.カメラ部門の国内生産比率を現在の6割から7割に上昇させ、国内生産回帰を進める方針。
 組み立てを完全自動化すれば、組み立てラインに従事する従業員は半分以下になる見込みだが、技術者への職種転換や他部門への配置転換により従業員の雇用は維持する。

 大分県庁で4日記者会見した大分キヤノンの増子律夫社長は
 「将来的には部品加工から最終製品まで生産性をアップして原価を低減し、事業拡大を図る」
と述べた。



ロイター 2015年 08月 5日 12:22 JST 田巻 一彦
http://jp.reuters.com/article/2015/08/05/column-tamaki-idJPKCN0QA08S20150805

コラム:ロボット・AI・IoTが導く日本の製造業「ルネサンス」

 ● 8月5日、ロボットを駆使した動きは、1、2年のうちに他の日本企業も巻き込んで、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)の技術革新と連動し、日本の成長力を大きく押し上げる「潜在力」を秘めている。埼玉県加須市の工場で7月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

[東京 5日 ロイター] - 
 日本の製造業が、本格的な設備投資増強に動き出した。
 中でも注目するのはキヤノンの完全自動化工場だ。
 このロボットを駆使した動きは、1、2年のうちに他の日本企業も巻き込んで、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)の技術革新と連動し、日本の成長力を大きく押し上げる「潜在力」を秘めている。
 米欧企業を追い抜いて、新産業システムが花開き「ルネサンス」の時が来るのではないかと予想する。

■<可能性秘めるキヤノンの完全自動化工場>

 キヤノンは子会社の大分キヤノンの敷地内に、ロボットなどを駆使した完全自動化工場に必要な技術を研究・開発する「総合技術棟」を建設し、2016年10─12月から稼働させる予定。
 その技術を国内4工場のラインに採用し、順次完全自動化していく計画という。
 米国やドイツでもロボットを活用した自動化の試みは進んでいるが、複数の関係筋によると、どこも人手がゼロになる「完全自動化」は達成していない。
 キヤノンの計画が順調に進めば、世界初の「完全自動化工場」になる可能性がある。

 キヤノンの試みは、他の国内製造業も注視し、水面下で同様な研究・開発をしているもようで、1、2年内には国内製造業のいくつかの生産拠点で、完全自動化工場が相次いでスタートする可能性がある。

■<AIとIoTが連動する製造業革命>

 「完全自動化工場」という存在は、製造業の革命を意味していると認識している人は、まだ、経済界でも多くないようだ。
 国内メディアの報道の中には、「人手不足対策」や「コストカット」に焦点を絞った解説が出ているが、完全自動化のシステムは、そうした点にとどまらない大きな可能性を秘めている。

 キヤノンは、新設する研究棟での技術に関し、自社のカメラ生産に投入するという以外、具体的な情報を公開していない。
 だが、この技術が進歩していけば、生産ラインに乗せる「対象物」は、カメラに限定されないはずだ。
 さらに推し進めて考えていけば、完全自動化のシステムを販売し、それを主力商品にすることも可能だと考える。

 完全自動化ラインに投入するロボットには、AIが搭載されることになると予想するが、AIは製造業だけでなく、さまざまなサービス分野でも活用が期待される「汎用性」がある。
 AI技術の開発を進めていけば、幅広い分野で生産性が上昇するだけでなく、新しいビジネスが展開されるだろう。
 また、完全自動化システムと密接な関係にあるのがIoTだ。
 ある部品や製品がどこに存在するかをリアルタイムで把握するシステムが、IoTを駆使して完璧にできれば、完全自動化工場の生産性は、飛躍的に上がることになるだろう。

■<経営者のアニマルスピリット、お目覚めか>

 足元における設備投資は、製造業で活発化してきている。
 日本政策投資銀行が4日に発表した設備投資計画調査によると、大企業・全産業の2015年度設備投資計画は前年比プラス13.9%だった。
 特に製造業は14年度実績比プラス24.2%と、バブル全盛時代の1989年度以来の高さとなった。

 好調な企業業績で積み上がった豊富なキャッシュフローを抱え、久々に日本の製造業経営者のアニマルスピリットが刺激されているのではないかとも思える。
 実際、政投銀の調査によると、製造業の投資動機は、
★.新製品・製品高度化16.4%(前年16.2%)、
★.研究開発9.6%(同8.2%)、
★.人手不足などに伴う合理化・省力化12.9%(同12.4%)
という前向きな設備投資のウエートが高まっている。

 また、日本企業の「変革志向」は設備投資だけでなく、
 販売の主体を「モノ」から「システム」に移行させている面でも見ることができる。
 例えばパナソニックは「線路メンテナンス用にタブレット端末を作業員が所持し、画像やデータによってメンテナンス状況を送受信するシステムや、駅の大型情報スクリーンと連結したシステムの販売拡大を狙っている」(モノづくりイノベーション推進室・企画課長の一力知一氏)という。
 このシステムを輸出する延長線上に「完全自動化システム」を輸出する姿があるのではないか。
 単品のモノでは、中国や韓国のキャッチアップを許したが、
 複雑に組み合わされた技術の結果である「システム」で競争力を確保すれば、再び日本企業は優位に立てる可能性がかなりありそうだ。

 「ロボット」「AI」「IoT」をキーワードにした日本の製造業のルネサンスは、かなり現実味を帯びている。 




中国の盛流と陰り



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