アメリカという国は訴訟社会である。
もしここで事故が起こったとき、それを導入した政府は訴訟の嵐に見舞われる。
下手すれば政府が転覆しかねない。
開通してすぐに人身事故を起こした国の鉄道と、延々の長きに渡り死亡記録のない国の鉄道と比べたときどちらを選ぶ方ははじめから分かっている。
値段の高いのは保険ということで納得もできる。
なによりも「安全」が優先する社会がアメリカである。
人の命の安い東南アジアや中進国なら「安価」というのが目玉になる。
アメリカではそうはならない。
法治国家であり、人権国家であり、とても「危険だが安いから」というのはメリットにはならない。
常識に沿って考えればすぐに分かることである。
もし、高いなら「造らない」という選択肢をとる、というのが一般的だろう。
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レコードチャイナ 配信日時:2015年8月11日(火) 15時32分
http://www.recordchina.co.jp/a116223.html
米高速鉄道の受注競争、中国と日本のどちらが有利か―中国紙
2015年8月11日、オバマ政権が2009年に打ち出した大型経済刺激策の一環である高速鉄道発展計画が今年、ついに始動した。
インフラ輸出に熱心な日本の安倍晋三首相は今年4月の米国への公式訪問の際、日本が誇る新幹線技術を大いに売り込んだ。
中国も、急速に高まりつつある高速鉄道の実力を拠り所に、この大型発注にねらいを定めている。
国際商報が伝えた。
▼米国国内では建設反対の声も
米国では、土地が広いのに対して人が少ないこと、自家用車が普及していることから、公共交通の建設にはいくらか不足が見られる。
鉄道は経済の動脈である。
経済発展を刺激するため、オバマ大統領は2009年の就任後すぐ、高速鉄道の建設計画を打ち出したが、これまで手が付けられずに来た。
今年1月6日、米国初の高速鉄道プロジェクトとなるカリフォルニア高速鉄道がフレズノ市で起工された。
サンフランシスコからロサンゼルスまでをつなぐ高速鉄道は2029年に竣工する予定である。
カリフォルニア高速鉄道プロジェクトを担当するカリフォルニア州高速鉄道局のダン・リチャード理事会議長は、
「カリフォルニア高速鉄道プロジェクトは、通勤・旅行・生活を決定的に改善する投資となる」
とプロジェクトへの自信を見せている。
だが巨額の建設費を要する高速鉄道に対しては、米国の有権者の中には今も強硬な反対意見が主に2つある。
第1に、総額680億ドル(約8兆5000億円)にのぼる投資規模は確かに大きく、保守派層を中心とする一部の米国市民が、これほど大きな政府債務を次の世代に残すべきではないと強く反対している。
第2に、鉄道は、自動車の買えない低所得者層が仕方なく利用する交通手段であるとの偏見が今も存在している。
▼中国と日本のそれぞれの強み
米国は、先進エコノミーのうちで高速鉄道の計画建設距離が最も長い国である。
米国がカリフォルニア高速鉄道プロジェクトの請負者に中国・日本・ドイツのいずれを選ぶにせよ、そのモデル効果は高く、落札に成功した国の高速鉄道の海外輸出プロセスを大きく前進させることとなる。
中投顧問の交通産業研究員の蔡建明(ツァイ・ジエンミン)氏は、中国と日本が米国の高速鉄道の発注を受けるのに熱心である原因は3つあると指摘する。
第1に、米国市場は将来性が高く、11本の鉄道を新たに建設する計画があり、その総延長は1万3700kmに及び、中国と日本のいずれにとっても極めて大きな契約となる。
第2に、国内の生産能力過剰の問題を有効に緩和し、国内の高速鉄道の川上・川下の産業チェーンの発展を促すことができる。
第3に、製品を国際展開して自身のブランドを打ち立てることは、日中両国が追い求める長期的な目標である。
中国と日本は近年、高速鉄道の国際建設と関連設備の輸出市場での競争を激化させている。
JR東海の看板製品は、超電導リニア高速鉄道技術であり、最近行われた超電導リニア高速鉄道の有人走行試験では時速603kmの世界最高速度が打ち立てられた。
日本は、この必殺武器によって日本政府の制定した「インフラ輸出戦略」の実現を加速させるねらいだ。
一方、中国の高速鉄道の運行距離は2014年に1万6000kmを突破し、世界トップに君臨している。
その規模のほか、圧倒的な価格面での競争優位も、中国メーカーを日本の新幹線輸出の障害の一つとしている。
2014年7月に世界銀行が発表した報告によると、
中国の高速鉄道の1km当たりの建設費は、
設備と工事を合わせておよそ8700万元(約17億2000万円)から1億2900元(約25億4000万円)と推算され、
欧米先進国の約3分の2となっている。
だが中国の高速鉄道の米国市場参入にあたっての困難は大きいとの分析もある。
蔡氏によると、中国が落札を成功させるためには、次の困難と障害を克服しなければならない。
まず、日本というライバルがもたらす強大な競争圧力を克服しなければならない。
次に、中国の切符販売システムは日本と比べると複雑であり、米国には受け入れられにくい。
最後に、中国の高速鉄道は、速度は十分に速いものの、安全性は日本と比べると劣る。
日本の新幹線は50年の運行で一人も死亡事故を出しておらず、中国の高速鉄道にもたらす競争圧力は大きい。
(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)
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サーチナニュース 2015/08/10(月) 20:50
新幹線の「高すぎる安全性」
・・・中国高速鉄道に「大きな圧力」=中国メディア
中国メディアの中国商務新聞網は7日、米国のオバマ政権が2009年に発表した景気刺激策の一環としての高速鉄道計画がついに動き出したと伝え、日本と中国がともに米高速鉄道計画の受注を狙っていることを指摘する一方、中国高速鉄道が米国市場に参入するには大きな課題もあると伝えた。
記事は、 中国の鉄道建設最大手である中国中鉄総公司が7月、米国に中国鉄路国際有限公司を設立したことを紹介し、業界関係者の見方として「米カリフォルニア州の高速鉄道プロジェクトの受注に向けた取り組みの一環だ」と伝えた。
続けて、米国における高速鉄道プロジェクトをめぐる状況について、
「巨額の投資が必要となることから、多くの人びとが高速鉄道の建設に反対している」
と伝える一方、日本は技術力の高さを武器に、中国はコスト面の強みを武器に受注を狙っていると紹介。
果たして、日本と中国のどちらがカリフォルニア州の高速鉄道プロジェクトを受注することになるだろうかと論じた。
さらに、カリフォルニア州の高速鉄道プロジェクトを受注することは、米国のお墨付きを得たことを意味し、極めて重要な意義を持つことになると伝え、
「受注した国は今後、高速鉄道を輸出するうえで大きな弾みがつくことになるだろう」
と論じた。
また、中投顧問交通行業の蔡建明研究員の話として、日中がカリフォルニア州の高速鉄道プロジェクト受注に火花を散らす理由は
「米国の高速鉄道市場は規模が大きいこと」、
「中国にとっては生産能力の過剰問題を緩和できること」、
「世界の市場に打って出るうえで、米国に採用されればブランド化が図れること」
の3つだと論じた。
一方で記事は、中国高速鉄道が米国市場に参入するには大きな課題もあると伝え、日本という強大なライバルの存在のほかにも、
中国高速鉄道は
「チケット購入システムが新幹線のシステムより複雑であること」、
「安全性が相対的に新幹線に劣ること」
は問題だと指摘。
特に新幹線の高い安全性は中国高速鉄道にとって大きな圧力だと指摘した。
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