『
2015年8月24日 6時30分 (遠藤誉 Yahoo!ニュース個人)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/endohomare/20150824-00048758/
参加国少ない抗日戦勝軍事パレード
――習近平政権のメンツは?
軍事パレードのリハーサルが行われた。
抗日の主戦場で戦ったのは中華民国の国民党軍。
今の中国はその国民党軍を倒して誕生した国。
西側諸国は中国の軍拡を警戒し参加しないのだろうが、中国も歴史を歪曲してはならない。
◆参加国調整に苦労した習近平政権
8月22日と23日、9月3日に天安門広場で行う抗日戦争勝利70周年記念軍事パレードのリハーサルが行われた。
足の上げ方や歩幅に始まり、帽子のつばが横から見たときに一直線になっていなければならないなど、3カ月にわたって特訓を続けた兵士たちの闘いが熱く報道された。
一本の糸を隊列の右から左に渡し、あごの上げ方まで揃えて、まさに「一糸乱れぬ」行進の特訓ぶりが披露された。
女性兵士もおり、平均175センチの男性兵士の歩幅と揃えなければならない努力が尋常ではないと苦労話を紹介。
中には元モデルや中央テレビ局CCTVの美人キャスターだった兵士もいる。
リハーサルに先立つ8月21日には、中国政府の国務院新聞弁公室が記者会見を開き、中国人民解放軍総参謀部作戦部の関係者らが軍事パレードの概要を紹介するとともに外国人記者の質問にも応じた。
それによれば軍事パレードに参加する兵士の数は1.2万人で、披露される国産兵器の84%が新しく開発されたものであるという。
また抗日戦争で戦った老兵がパレードに参加するというのが、今回の目玉の一つでもあるという。
パレードは70分間。
記者会見ではアメリカ聯合ニュースの記者が
「一部分の海外のリーダーは軍事パレードに参加したくないと思っているが、これに関してどう思うか?」
とストレートに質問したが、それに対して中国人民解放軍側は
「今のところ、ロシアやカザフスタンなど十数カ国が参加を決めている。
具体的な参加国に関しては、近いうちに別途機会を設けて、メディアに対して公表したいと考えている」
旨の回答をした。
当初はロシアをはじめとして数カ国しか参加を表明していなかったが、記者会見時点で、ようやく十か国程度にまでこぎつけた。
それもモンゴルやベラルーシ、キルギスといった国々である。
この記者会見は本来、8月20日午前10時に開催されることになっていたが、21日の午後3時に延期されるという、異例の推移をたどっている。
一説には参加国をなんとか増やそうとギリギリまでの努力をしていたという。
どうにも一定数に漕ぎ着けられないので、参加国の記者会見に関しては別途行うこととしたと聞いている。
22日と23日にはリハーサルを行うことが決まっていたので、それを越えて延期するわけにはいかないので、21日、それも午後まで待ったらしい。
だというのに、23日のCCTVは参加国数を「十数か国」と言わずに、うっかり「十か国」と言ってしまった。
ロシアの軍隊のパレードに関するリハーサルも報道したが、今一つ精彩に欠ける。
これでは、習近平国家主席の中央軍事委員会主席としての顔は、丸つぶれではないか――。
◆世界反ファシスト戦勝70周年閲兵領導小組
抗日戦争勝利70周年記記念における軍事パレードに対する習近平の力の入れようは尋常でない。
なんといっても、このパレードのために、わざわざ「抗日戦争と世界反ファシスト戦争勝利70周年閲兵領導小組」という、中央直属の指導グループまで設立させ、9月3日を待っている。
本コラムの「兵力の10%しか抗日に使うな!――抗日戦争時の毛沢東」や「戦後70年有識者報告書、中国関係部分は認識不足」でもご紹介したように、中国建国の父である毛沢東は、反日教育をやったこともなければ、抗日戦争勝利記念日に記念行事を行ったこともない。
ましていわんや、抗日戦争が「反ファシズム戦争」だなどと言ったこともない。
その意味で毛沢東は、何千万にも及ぶ自国民を惨殺はしたものの、建国後の対日姿勢に関しては非常に正直であったと言える。
1994年に江沢民元国家主席が愛国主義教育を始め、1995年から抗日戦争を「反ファシズム戦争」と位置付けるようになってから、中国の対日歴史は逆行し始めた。
以来、日本に対して強硬路線を取っていないと、人民に「売国政府」と罵倒されかねない状況を招いている。
だから習近平国家主席は、自らの威信を高めるために、抗日戦争の記憶を時間とともに逆行させて強化しているのである。
今年6月24日に、中共中央宣伝部(中宣部)の王世明副部長が中国人民解放軍総参謀部作戦部関係者などとともに「抗日戦争と反ファシズム戦争勝利70周年記念式典」に関する記者会見を開き、式典の概要を発表した。
このとき王世明副部長は、
「西側諸国は中国が反ファシスト戦争において果たした重要な役割と貢献を軽視している」
として、「参加しそうにない」西側諸国に対して、すでに非難するような言動をしている。
しかし、一部の西側諸国が、どんなにAIIB(アジアインフラ投資銀行)や一帯一路(陸と海のシルクロード)といった経済面で中国と歩調を合わせたとしても、さすがに軍事大国として膨張しようとする中国の軍事パレードに参加しようとはしないだろう。
それをすれば、軍事的に拡大を続ける中国の強硬路線を肯定したことになるからだ。
筆者から見れば、そもそも「抗日戦勝記念日で中共政府が軍事パレードを行う」こと自体が筋違いで、中国の歴史歪曲は留まるところを知らないと懸念する。
(特記:日中戦争時の中共軍であった八路軍や新四軍の兵士自身は勇猛であったが、日中戦争の第一線で戦うことを毛沢東は固く禁じ、やがて国民党軍を打倒するために兵力を温存せよと命じていた。)
遠藤誉:東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士
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サーチナニュース サーチナ 8月28日(金)11時31分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150828-00000082-scn-cn
中国の抗日戦勝利祝賀、
外交として「限定的な成功」か
・・・韓国・朴大統領、国連・潘事務総長ら出席、日本からは村山富市元首相
中国政府・外交部の張明副部長は27日、国務院新聞弁公室(報道事務室)で行われた記者会見で、9月3日に開催する抗日戦勝利70周年の記念活動への国外要人の出席予定状況を説明した。
★.「国家元首、政府首脳など指導者」としては、
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領、
ロシアのプーチン大統領
など30人が出席する。
北朝鮮からはチェ・リョンヘ(崔竜海)朝鮮労働党書記らが出席。
★.国際組織の責任者としては、
国連の潘基文事務総長
らが出席する。
★.政府要職経験者としては、ドイツのシュレーダー前首相、
日本の村山富市元首相、
フィリピンのエストラーダ前大統領、
英国のブレア元首相
らが出席する。
なお、日本の鳩山由紀夫首相の名は見当たらない。
★.「政府高位者の代理」としては、大統領代理、政府代表、あるいは特使などとして、
フランス、インド、イタリア、マレーシア、シンガポール、英国など1
9カ国の外相など閣僚や閣僚経験者が出席
する。
★.米国、カナダ、EU、ドイツ
など6つの国と組織は駐華大使が出席する。
なお、中国側が発表した「出席者リスト」は「記念活動」全体のもので、全員が軍事パレードを含むすべての活動に出席するかどうかは不明。
ただし、韓国の朴大統領、ロシアのプーチン大統領は軍事パレードにも出席するとされる。
**********
◆解説◆
「記念活動」には、近平国家主席の名義で、各国要人を招待したという。
中国は一連の行事を「中国人民抗日戦争及び世界の反ファシスト戦勝利70周年」と位置づけている。
出席を呼びかけられた場合、どの国も、そして国連安保理常任理事国などの場合にはとりわけ、「中国だけの問題」とは言いにくい。
したがって、
★.「政府高位者の代理」の出席の場合には「全面的に支持するのではないが、尊重はする」、
★.「駐華大使が出席」の場合には「支持はしないがおつきあい程度はする」
との意思表示と考えてよい。
★.現職の指導者が30人にとどまり、しかも、
「民主主義先進国」が極めて少ない現状は、中国外交にとって「限定的な成功」
と言ってよいだろう。
★.「政府要人経験者」の場合、出席と各国政権の意向の関係は不明だ。
なお、台湾からは国民党の連戦名誉主席が出席する。
上記発表で名を挙げられなかったのは「国の代表ではない」との、中国側の考えにもとづくと考えてよい。
台湾当局はこれまで、国民に向けて出席を自粛するよう求めてきた。
』
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ニューズウイーク 2015年8月27日(木)17時38分 小原凡司(東京財団研究員)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/08/post-3869.php
中国軍事パレードの主たる狙いは「抗日」ではない
戦勝70周年軍事パレードで腐敗摘発や不安定化した中国社会を再び団結させるための最優先課題はアメリカと同等の力を見せつけることだ
8月22日深夜から23日にかけて、さらに24日にも、北京の天安門前の長安街で、9月3日に挙行される
「中国人民抗日戦争及び世界反ファシスト戦争勝利70周年記念軍事パレード」
の予行演習が行われた。
日本では、22日深夜の予行演習が「厳戒態勢下で」行われたと報じられたが、中国で報じられた記事からは、24日の予行演習に多くの市民が見学に詰めかけた様子が伺える。
民衆に比較的人気のある軍事パレードに、今年は、特別な意味が込められている。
この軍事パレードは、社会の安定化を図る絶好の機会だ、という中国人研究者もいる。
中国国内では、習近平主席が展開する反腐敗や改革によって中国社会が不安定化している、と自認されているのだ。
戦勝70周年を記念する軍事パレードに、不安定化した社会を一つにする効果が期待されているのはなぜだろうか。
そこには、中国指導部が、軍事パレードに込める意味が関係している。
■第2次大戦の戦勝国として認められたい
中国が、単に「抗日戦争勝利70周年記念」と呼ばず、「世界反ファシスト戦争勝利」を加えているのは、中国が第2次世界大戦の勝者であることを誇示したいからだ。
中国は、連合国の一員として、世界と協力してファシストを倒した、と言いたいのである。
そして、重要なのは、ここからだ。
中国は、勝者として、本来、国際規範を作る側にいるはずだったが、国力の低さゆえに、欧米に好き勝手に国際規範を作られてしまった。
「国際社会は、不公平と不平等が突出している」という外交部などの発言に、こうした意識が表れている。
これは、「これから中国の番なのだ」という意識の裏返しでもある。
具体的に、中国がどのように国際規範を、「中国にとって公平」なものとしていきたいのかは、中国が自ら答えを示している。
米中「新型大国関係」である。
米中両大国が、国際社会のルールを決めていくというのだ。
軍事パレードは、「中国には今やその能力がある」ことを示す機会でもあるのだ。
そのために、パレードでは、その能力を効果的に示す新型兵器がお披露目されるのである。
その能力とは、「米国と対等な能力」という意味だ。
■アメリカに劣らない新型兵器を披露
中国の報道では、
J-15戦闘機、
J-20戦闘機、
H-6K爆撃機、
KJ-500空中警戒管制機、
Il-78空中給油機、
高新-6号対潜哨戒機、
Y-20大型輸送機
といった航空機の名前が挙げられている。
いずれも新型航空機であるが、米国を意識した陣容でもある。
J-15戦闘機は、空母艦載機だ。
J-20は、中国が、米国のF-22に匹敵するとするステルス戦闘機である。
H-6Kは、約3500キロメートルの作戦半径を持ち、搭載できる長剣-10巡航ミサイルの射程と合わせて、グアム島の米軍基地を制圧できると豪語する。
KJ-500は、南シナ海等、中国周辺で活動する米軍機を監視できる。
Il-78は、戦闘機の滞空時間を延ばすために不可欠だ。
しかし、航空機は、ヘリコプターを除いて、通過速度が速い。
各国首脳を始めとする観客に印象深いのは、目の前をゆっくり移動する地上の大型兵器である。
特に、米国と対等な立場を誇示したい中国が見せたいのは、大陸間弾道ミサイルだろう。
核抑止こそ、米国との対等な力を示すものだからだ。
米国本土を攻撃できる大陸間弾道弾では、これまでもTEL(Transporter Erector Launcher、輸送起立発射機)に搭載されたDF-31が軍事パレードに参加している。
そして、中国は今、新しい大陸間弾道弾の試験を繰り返している。
DF-41だ。この新しいミサイルがパレードに参加する可能性もある。
■各国の参加、日本で言われるほど冷遇はされていない
しかし、それよりも中国が演出したいのは、各国が参加する「国際観閲式」かもしれない。
各国軍にパレードへの参加を呼びかけるのはそのためだ。
ファシストに対する勝利を世界が祝う祭典である。
中国は、その祭典を主催し、戦勝国の中でも主導的な地位を見せることが出来る。
中国の言う、「国際社会における地位の調整 (この場合、「向上」の意味に近い)」である。
日本では、日米を含む多くの西側諸国が、首脳級の出席を見送ったことが話題になっているが、中国外交部副部長は、8月25日、49カ国の元首、政府首脳、高官が軍事パレードに出席すると発表した。
同日付の環球網は、中国が9月3日に行う抗日戦勝記念の軍事パレードに招待した51カ国のうち、日本とフィリピンだけが招待に応じなかったと報じている。
欧米諸国の元首と首脳は出席しないが、フランスとイタリアの外相は自国政府代表として出席するとし、欧州連合(EU)加盟国としてはチェコのゼマン大統領が、また、オランダとオーストラリアも閣僚級の政府代表が出席すると報じた。
アメリカの参加については、カナダ、ドイツ、EU等とともに、駐中国使節団(大使館員)を以て政府代表とするだろうという報道があった。
西側の首脳級が参加しないことには、もちろん中国は不満だろう。
それでも「『外交戦』という形で出席者の肩書きを求めない」と言うのは言い訳がましいが、日本で考えられているほど、国際社会が中国を冷遇した訳でもない。
中国としては、首脳でなくとも、元首脳や代表団の参加があれば、その国名を挙げることが出来る。
世界の式典であると誇示できるのである。
中国が、国民と国際社会に見せたいのは、国際社会を主導する正当な権利とその能力を有する中国の姿なのだ。
[執筆者]
小原凡司
1963年生まれ。85年防衛大学校卒業、98年筑波大学大学院修士課程修了。駐中国防衛駐在官(海軍武官)、防衛省海上幕僚監部情報班長、海上自衛隊第21航空隊司令などを歴任。東京財団研究員
』
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レコードチャイナ 配信日時:2015年8月31日(月) 5時30分
http://www.recordchina.co.jp/a117837.html
中国閲兵式の狙いとは?
強大な軍事力示し経済への信頼を取り戻す―スペイン紙
2015年8月29日、参考消息網は記事
「中国の大閲兵式、自信を示し投資家の疑念を打ち消す―海外メディア」
を報じた。
9月3日に北京市で抗日戦争勝利70周年、世界反ファシズム戦争勝利70周年記念の閲兵式が開催される。
中国政府は並々ならぬ力を入れており、1万2000もの工場を一時操業中止とし青空を確保するほか、85万人ものボランティアを動員して治安を確保する。
また閲兵式には最新鋭兵器が続々と登場する予定だ。
スペイン紙エル・ムンドは、この閲兵式が中国にとって重大な意義があると指摘した。
中国国営メディアは
「中国の実力を示し、歴史的な“被害者感情”を払拭」
するという政治的意義を伝えている。
また株価急落などで
★.中国経済の先行きに不透明さが増す中、強大な国力を示して投資家の懸念を打ち消す狙い
もあるとみている。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年8月31日(月) 7時57分
http://www.recordchina.co.jp/a117802.html
「中国の兵器?またパクリでしょ」
「台湾が記念行事やるべき」
=中国軍事パレードを韓国ネットユーザーがバッシング
2015年8月28日、中国の兵器に対して、韓国ネットユーザーがツッコミを寄せている。
9月3日に北京市で抗日戦争勝利70周年記念、世界反ファシズム戦争勝利70周年記念の閲兵式が開催される。
中国政府の意気込みは凄まじいもので、
★.1万以上もの工場を操業中止にし青空を作り出したほか、
閲兵式に参加する兵士は半年前から厳しい訓練を重ねている。
この閲兵式を韓国ネットユーザーはどのように見ているのだろうか?
「世界反ファシズム戦争勝利70周年記念?
だったら台湾がやるべきでしょ」
「日本に勝ったのは国民党軍。
中国共産党が何をお祝いするのやら」
「これを期にもう一度国共内戦が起きればいいのに」
「なにが中華復興だよ。
中共が自分で自分をほめているだけなのに」
「天津の大爆発、株価の急落
……軍靴の音の後ろに人民のすすり泣きが聞こえる」
「閲兵式で戦闘機が最低1機は墜落するんだろうな」
「閲兵式に新兵器が登場?
またパクリ製品でしょ」
「韓国の国産兵器だってひどいもんなのに、中国製なんてどんなレベルなのやら」
』
レコードチャイナ 配信日時:2015年8月31日(月) 7時57分
http://www.recordchina.co.jp/a117802.html
「中国の兵器?またパクリでしょ」
「台湾が記念行事やるべき」
=中国軍事パレードを韓国ネットユーザーがバッシング
2015年8月28日、中国の兵器に対して、韓国ネットユーザーがツッコミを寄せている。
9月3日に北京市で抗日戦争勝利70周年記念、世界反ファシズム戦争勝利70周年記念の閲兵式が開催される。
中国政府の意気込みは凄まじいもので、
★.1万以上もの工場を操業中止にし青空を作り出したほか、
閲兵式に参加する兵士は半年前から厳しい訓練を重ねている。
この閲兵式を韓国ネットユーザーはどのように見ているのだろうか?
「世界反ファシズム戦争勝利70周年記念?
だったら台湾がやるべきでしょ」
「日本に勝ったのは国民党軍。
中国共産党が何をお祝いするのやら」
「これを期にもう一度国共内戦が起きればいいのに」
「なにが中華復興だよ。
中共が自分で自分をほめているだけなのに」
「天津の大爆発、株価の急落
……軍靴の音の後ろに人民のすすり泣きが聞こえる」
「閲兵式で戦闘機が最低1機は墜落するんだろうな」
「閲兵式に新兵器が登場?
またパクリ製品でしょ」
「韓国の国産兵器だってひどいもんなのに、中国製なんてどんなレベルなのやら」
』
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Bloomberg 2015/8/31 15:03
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150831-00000028-bloom_st-nb
中国主席、軍事パレードで最高権力誇示へ
-周辺国の憂慮強まる恐れ
(ブルームバーグ):
中国北京市では9月3日、天安門と天安門広場に挟まれた目抜き通り、長安街を舞台に政府主催の「抗日戦争勝利70年」を記念する軍事パレードが行われ、習近平国家主席は世界の平和的発展へのコミットメントを宣言する。
だが、中国が東シナ海からインド洋にかけて軍事力を誇示する現状で、近隣の国々にとってそうしたメッセージをうのみにするのは困難だろう。
周辺国・地域の神経を逆なでしてきたような多くの演出がパレードでは行われる。
習主席が中国の復活に向けた「チャイニーズ・ドリーム」の中心に据える軍事力の粋として、1万2000人の兵力と米本土を狙った核弾頭運搬が可能な移動式弾道ミサイル発射装置や新型戦闘機がパレードの目玉となる。
キャンベラにあるオーストラリア国立大学国家安全保障カレッジのトップ、ローリー・メドカルフ氏は
「国際社会に対し、中国が侮ることができない新興の大国であると極めて露骨に知らしめることになる。
既に周辺地域に広がる不安を和らげることにはならない」
と語った。
2012年に最高指導者の地位に就いた習主席にとって、3日のパレードは最高司令官として公の場に姿を現す最初の機会となり、中国経済の減速や株価下落、150人以上が死亡した天津の爆発事故から関心をそらすイベントにもなりそうだ。
原題:Xi’s Military Parade Fans Unease in Region Already
Wary of China(抜粋)
』
【中国の盛流と陰り】
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