2015年8月26日水曜日

中国経済の行方(11)::中国当局はごく単純な問題さえもうまく対処できないという印象を残した

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BBCニュース  2015.8.25 視聴時間 01:54
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44631

中国の「ブラックマンデー」はなぜ起きた?



中国上海株式市場は8月24日、取引中に前週末終値比で一時8%を超える急落。
中国経済の先行きへの懸念から、アジア、欧米でも軒並み株価急落の世界同時株安となりました。
ではいったいなぜ中国の株価が一気に下がったのか、ジョン・サドワース記者が北京の運河に集う人たちに尋ねたところ、「バブルがはじけるべくしてはじけただけ」とか、「株は釣りみたいなもの」という含蓄ある答えが返ってきました。



ロイター 2015年 08月 26日 08:51 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/08/25/china-economy-interest-rate-breakingview-idJPKCN0QU2NJ20150825

コラム:中国の利下げが発する危険なシグナル

[香港 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] -
 中国から焦りや不安がにじみ出ている。
 国内株式市場が2日間大荒れとなったことで、当局は株価の直接的下支えをあきらめたような印象を与えた。
 そして人民銀行(中央銀行)が利下げに動いた。
 別の場面なら妥当とみなされるこの措置は今回、危険なシグナルを発している。

 政策金利のうち、1年物貸出金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げて4.6%にした。
 こうした利下げをしなければならない理由は十分にあった。
 経済成長が減速しているのは一目瞭然で、生産者物価は3年にわたって下落し、実質金利は上がっている。

 銀行預金準備率引き下げも理にかなっている。
 海外への資金流出によって人民銀行は国内の人民元で外貨を獲得せざるを得ないが、準備率を50bp下げて18%とすることで、失った流動性の一部を代替できる。
 もっともこうした負担は自らまいた種という面がある。
★.人民銀行が予想外の人民元切り下げを決めたため、
 より多くの資金を海外に流出させてしまった
からだ。

 一方で人民銀行は、長期の預金金利上限を撤廃することで、待望されている金融改革の要素も忍び込ませた。
 これで中国は、金融改革担当者にとって積年の目標になっている金利の完全自由化に一歩近づいた。

 しかし政策措置に込められたプラスの意味合いは、打ち出されたのが中国株が2日下落した後だったために、幾分薄らいでしまっている。
 人民銀行の介入は今回が初めてではない。
 6月にも株安を受けて利下げし、その数日後には信用取引向け融資を手掛ける国有機関の中国証券金融に流動性を供給した。

 それでもこれらの取り組みは功を奏さず、25日の上海総合指数終値は3000の大台を割り込んだ。
 中国の政府機関が一体となって株価押し上げに乗り出した時点よりも25%強も低い水準だ。

 不首尾に終わった株価対策によって、
★.中国当局はごく単純な問題さえもうまく対処できないという印象を残した。

 そうなると今回の利下げは、人民銀行の金融政策は気まぐれな株式市場のご機嫌を取っているのにすぎないとの見方を、強めるだけになってしまう。

●背景となるニュース

*中国人民銀行(中央銀行)は25日、主要政策金利と銀行の預金準備率を引き下げると発表した。金融緩和はこの2カ月で2回目。景気と株価の下支えを狙った。
*人民銀行によると、26日から1年物貸出金利は25bp下がって4.6%となり、1年物預金金利も25bp下がる。預金準備率は9月6日から大半の大手銀行の適用分が50bp低い18%になる。
*中国株の指標である上海総合指数は25日終値で7%強下落し、昨年12月以来の安値になった。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


2015.8.26(水) Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44628

国当局、株買い支えに2000億ドル投じた末に白旗
市場の重力との不毛な戦いを断念? 
為替介入は継続
(2015年8月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


●7月初旬に上海株が急落し始めると、中国当局は矢継ぎ早に株価対策を打ち出したが、8月24日には大幅安をよそに介入を見送った〔AFPBB News〕

 下落する株価を買い支えようと過去7週間で約2000億ドルもの買い注文を入れてきた
★.中国政府が24日、市場の力に降伏し、介入を打ち切った。
 代表的な株価指数である上海総合指数は8.5%安となった。

 24日の下落は2007年2月以降で最悪の下げだった。

 中国政府は先月、下落する株価を反転上昇させようと未曾有の介入に乗りだしたが、24日はこれまでとは様子が異なり、
 国有企業で構成される「ナショナルチーム」が買い支えに現れなかった。

 政府の指導者たちは遅まきながら、株式市場の重力に逆らうのは高くつくし結局は実も結ばない、一段の通貨安を食い止める大規模介入も別途進めているとなれば特にそうだという判断に行き着いたようだ。
為替市場では大規模な元買い・ドル売り介入

 中国人民銀行(中央銀行)とその市場介入に詳しい筋によれば、人民銀行は人民元を切り下げて「市場志向」の為替レート基準値設定メカニズムを導入した8月11日以降、人民元が政府の希望以上に下落するのを防ぐために
 2000億ドル(約20兆円)もの外貨準備を使わざるを得なかった。

 この額は、人民銀行が元の対ドルレートを望ましい範囲内に収めるための介入に
 過去2年間で投じた金額の合計をも上回る
という。

 株式と為替の両市場における介入の規模から、
★.多くの人が、中国当局は状況をコントロールできているのか、
 政策面で大間違いをしていないかといった疑問を抱くようになった。

 「当局がいま直面している問題は、
 為替市場と株式市場の買い支えに4000億ドルものカネを使ってしまい、
 介入を始めた時よりも悪い状況に置かれている
ことだ」。
 人民銀行に近いある人物はこう語る。
 「当局は自信過剰に陥り、
 人民元切り下げに対する世界の反応の強さを甘く見ていたんではないかと思う」

 人民銀行は、8月11日以降の数日間で人民元が約4.5%下落するのを容認した後、それ以降は事実上のドルペッグ制に戻したように見える。

 しかし、それはひとえに為替市場への介入のおかげで達成できたものだ。

 人民銀行の公開市場操作デスクにいる政府のトレーダーたちは、取引終了前の1時間にオンショア市場に介入し、1日当たり約100億ドルもの人民元買い・ドル売りを行っている。

 そして、人民元のオンショア市場とオフショア市場での人民銀行の動きをチェックしている人々によれば、それ以上に重要なのは、人民銀行が香港とロンドンのオフショア市場で初めて大規模な介入を始めたことだという。

 そのうちの1人はこう語る。
 「以前はあれ(CNHとして知られるオフショア人民元)を少しだけ売買していた。我々も気づいていた。
 だが例の切り下げ以降は、オフショア市場にも明らかに参加している様子がうかがえる」

★.中国は世界最大の外貨準備を誇る国であり、その額は今年7月末現在で3兆6500億ドル
に達する。
 しかし今、
★.これまでの積み上げとほぼ同じペースでこれを「取り崩して」いる。

■人民銀行の次の金融緩和策

 中国の代表的な株価指数が先週12%近く下落した後、ほとんどのアナリストやエコノミストは、中国政府が週末のうちに新しい金融緩和策を発表すると予想していた。
 市中銀行が人民銀行に預けなければならない準備預金の比率を引き下げる可能性が最も高いと見られていた。
 かつて人民銀行金融政策委員会の学者委員を務めた余永定氏と李稲葵氏によれば、預金準備率が今後引き下げられることは今でも予想されるという。
 ただ、引き下げれば人民元に下落圧力を加えることになり、人民銀行の仕事がさらに複雑になる。

 「現在、世界中の人々の目が中国経済に向けられている。
 中国の金融政策は(世界的な重要性の面で)米連邦準備理事会(FRB)のそれに次ぐものだ」。
 現在は清華大学の中国・世界経済研究センターに籍を置く経済学者の李稲葵氏はこう述べた。

 「今後数日か数週間のうちに、さらなる(刺激)策が講じられると思う。
 この局面で何かをすれば、中国の中央銀行は中国経済だけでなく新興国をも下支えすることになる」

■沈黙貫く指導者たち

 中国と中国が世界市場で招いている混乱がこれほど注目される中、一部のグローバルな投資家は、中国の権威主義的な指導者たちのお決まりの不透明さに困惑している。

 人民銀行の周小川総裁は、8月11日の通貨切り下げ以降、公の場に姿を見せておらず、他の共産党幹部も最近、急落する市場にほとんど言及していない。

 24日付の中国国営メディアの記事で、李克強首相は中国の3D(3次元)プリンティング産業を発展させるためにもっと対策を講じるよう党幹部に要請したが、市場の混乱や、次第に強まる経済全般の減速感については何も語らなかった。

By Jamil Anderlini in Beijing
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2015.8.26(水) Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44630

世界経済の健全性を脅かす中国発の世界株安
エコノミストはまだパニックしていないが、
景気後退のリスクは増大
(2015年8月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ギリシャが7月に欧州の債権国・機関と第3次救済について合意に達した時、エコノミストらは、2015年の世界経済の大きなリスクの1つが現実にならないことに安心した。
 穏やかな夏がやって来るはずだった。

 ところが、世界経済に対する不安は増大した。

 そして、
★.トラブルの震源地が欧州で最も小さい経済国の1つではなく、
 世界最大級の中国であることから、潜在的な影響ははるかに大きくなっている。

 純然たる規模の大きさ、資源輸出国に対する重要性、あるいは世界の信頼感を揺るがす力のどれを経由するにせよ、
★.中国の経済的試練は各地の金融市場に響き渡り、世界経済の健全性を脅かしている。

■それでも来年の展望は今年より明るい

 エコノミストらは、まだ狼狽していない。
 多くのエコノミストは2016年の世界成長の予想を引き下げているが、その予想数字はまだ2015年の予想より概して高い。

 例えば、バークレイズのアントニオ・ガルシア・パスクアル氏はいまでも、新興国と先進国の成長率が年末にかけて上昇し、世界経済は2016年に3.7%拡大すると見ている(2015年の成長予想は3.2%)。

 シティグループのチーフエコノミスト、ウィレム・ブイター氏は、世界経済は「極めてデリケートな段階」にあると指摘し、中国、日本、そしてアジア、中南米の新興国について2016年の成長予想を引き下げている。
 だが、ブイター氏はなお、経済情勢が来年上向くと見ている。

 一方、近年の世界金融危機との比較は根拠が薄いと言う人もいる。
 例えば、1997年とは異なり、アジア諸国は自国企業の外貨建て債務を保護していた絶望的な為替レートのペッグを防衛しようとしていない。
 株式市場は、2000年のドットコムバブル当時ほど明らかに過大評価された状況にはない。
 そして、2008年の世界危機当時とは異なり、金融機関は倒れていない。

 「我々としては、最近の出来事は、過去の新興国の危機よりも、すぐに反転した過去の夏場の急落と似ていると考えている」。
 キャピタル・エコノミクスのシニア・マーケッツ・エコノミスト、デビッド・リーズ氏はこう言う。

 一部のエコノミストは、市場の反応は理解しがたい、または正当化するのが難しいと感じている。

 ウニクレディトのチーフエコノミスト、エリック・ニールセン氏は、投資家は
 「心気症を患っており・・・すべてのニュースが進行中の惨事と見なされている」
と批判する。

■世界経済における中国の役割

 エコノミストらが相対的に落ち着いている理由の一端は、世界経済における中国の役割によって説明できる。
 その規模にもかかわらず、
★.中国はまだ先行きを示す指標とは見られていない。

 ファゾム・コンサルティングのアンドリュー・ブリグデン氏は
★.「世界最大の純輸出国として、
 中国にとっての世界の重要性は、
 世界にとっての中国の重要性よりも大きい」
と言う。

 しかし、エコノミストらは、英国とカナダを除き、大半の国の経済統計が全般的に予想よりも悪く、今年に入ってから、多くの経済国で決定的なモメンタム(勢い)の減退があったことに注目している。

 最新の経済統計をすべて集計しているコンサルティング会社ナウキャスティング・ドットコムのジャスパー・マクマーン氏は言う。

 「2015年の米国の国内総生産(GDP)成長率に関する当社の予想は、今年2月以降、ほぼ1ポイント下方修正されている。
 これが今、中国の大幅な景気減速と、ユーロ圏の弱まるモメンタムと重なった。
 我々は新たな景気後退を予想していないが、そのリスクは明らかに大きくなった」

■危機の増幅作用と抑制作用

 リスクは高まっているものの、将来の見通しはまだ深刻な下降局面を示していないというエコノミストの見方が正しいのだとすれば、問題は、いったい何がこの見方を変え得るか、ということになる。
 考えられる危機の増幅作用が2つ
――そして、潜在的な抑制作用が2つ――際立つ。

 この先数カ月、エコノミストらは、信頼感――あるいは、ジョン・メイナード・ケインズが「アニマルスピリッツ」と呼んだもの――が、企業がお金を使うのをやめるほど損なわれたかどうか注視することになる。
 2008年秋には、世界中の多くの経済国で投資が突如止まった。
 企業が計画を保留し、企業の警戒と経済縮小の悪循環を生んだからだ。

 第2に、市場のボラティリティー(変動)が金融機関の健全性を脅かすほどの損失を生むかどうか見極めようと、すべての人が金融システムを注視することになるだろう。

 2008年の複数の銀行の破綻は急速に、さらなる損失とそれ以上に大きな不安を世界中に伝播させた。

 政策立案者らは、金融セクターの改善されたバッファーがシステム上重要な金融機関の破綻を防ぐことを期待している。

 一方、世界経済を安定させる助けとなる作用は、石油やその他コモディティーの価格下落だ。
 コモディティー価格の下落は消費者にとって、消費に回せるお金を増やすことで減税の役目を果たす。

 加えて、米連邦準備理事会(FRB)が現在、米国の金利を9月に引き上げるかどうかという重大な決断を検討しているため、各国の政策立案者たちはそうでなかった場合よりも刺激的な経済政策を講じられるだろう。

■家計の支出意欲が頼み

 だが、株価の下落が世界経済にどう影響するのか、事前に知ることは誰にもできない。
 2008年がはっきり示したように、
 封じ込められる危機に見えるものが、あっという間に手に負えなくなる
ことがある。
 このため、現在のコンセンサスは極めて不確かだ。

 家計が支出する意欲を保っている限り、ガソリン安から来る購買力拡大が中国から来る世界経済のモメンタム減退を相殺するとエコノミストらは話しており、これがまだ、2016年の経済成長の加速への期待の大部分を支えている。

By Chris Giles in London
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サーチナニュース 2015-08-26 11:03
http://news.searchina.net/id/1586522?page=1

「それでも、中国経済は期待されている」と中国メディアが豪語
・・・中国発の株安で、全世界的「恐慌ムード」

 中国メディア・環球時報は24日、世界の金融市場で「恐慌ムード」が蔓延するなか、各方面から中国経済に期待を寄せる声が出ていると報じた。

 記事はまず、人民元の引き下げや中国株式市場の大幅安などによって
 「アジア金融危機の再来」、
 「世界の株式市場に飛び火」
といったセンセーショナルな結論が各種メディアを賑わせるなか、
 国際的な金融機関は決して
 「中国が危機に直面している」との見方を示していない
と主張した。

 例として、国際通貨基金の幹部が
 「中国経済の減速や資産価値下落は聞きではない。
 経済調整のために必要な措置だ」、
 「中国に危機が生じたとするのは時期尚早」
との見解を示したとする英メディア・BBCの報道を紹介した。

 また、ドイツの専門家からも
 「中国株式市場の8%下落は相当な驚きではあるが、
 情勢はなおも中国政府がコントロール可能な範囲内にあり、
 中国政府は対処するカードを持っている」
との認識が出ていると紹介。

 ドイチェ・ヴェレは、
 「中国人民銀行はなおも十分な行動の余地を残している」、
 「中国経済はハードランディングの道を進んでいるわけでもなければ、経済危機が発生したわけでもない。
 今回の情勢は中国政府によるコントロールの範囲内によるものであり、アジアや世界の他地域に与えたショックは暫定的なものに過ぎない」
とのドイツの金融専門家による分析を報じたという。

 記事は、世界の株式市場の今後について「多くの人が中国に注目している」と主張。フ
 ランスのオランド大統領が24日に中国中央銀行の「サプライズ」を期待していると発言し、英国のオズボーン財務相も「中国経済の基本部分に焦点を合わせるべきだ」と語ったことを紹介。
 ドイツの経済メディアからも
 「中国には巨大な外貨準備があり、経済上での行動がとれるうえ、
 市場を徐々に修正することも可能だ」
との見解が出たと報じた。
 謙虚さがないというか、空威張りというか、厚顔無恥というか、開き直りというか、中国メデイアらしい。
 周囲は被害が拡大しないように、
 「頼むから中国、ハードランデイングはするなよ!」
と期待をもって見守っている、ということだろう。
 しかし、この文章からにじみ出てくるように
 中国へのこれまでの安全・安定・信用・信頼といったたぐいのものは、あっという間に消失してしまったように見える。



サーチナニュース 2015/08/26(水) 06:06
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0826&f=business_0826_006.shtml

中国の「鉄鋼輸出」狂乱
・・・過剰な生産能力、国外で解消=中国メディア

 中国メディアの華爾街見聞は20日、米国の鉄鉱石・石炭生産会社であるクリフズ・ナチュラル・リソーシズの最高経営責任者(CEO)がこのほど、
 「内需不振に陥った中国が、
 生産能力の過剰という問題を国外に向けて転嫁している」
と批判したことを紹介した。

 記事は、クリフズ・ナチュラル・リソーシズのCEOが、
 「中国は国内で捌けなくなった大量の鉄鋼を狂ったように輸出している」
と中国を批判し、
 世界の市場に悪影響をもたらしている悪性のウイルス」と批判したことを伝えた。

 さらに、
★.オーストラリアが中国に対して「ほとんど無料のような価格」で鉄鉱石を供給している
ため、中国の鉄鋼生産量が実際の需要量を大きく超過した
と述べたことを紹介。
 また、
★.中国の鉄鋼輸出量は世界第2位の日本の鉄鋼生産量よりも多い
ことに対し、「狂っている」と批判したと伝えた。

 続けて、2015年1-7月にかけて中国の鉄鋼輸出量は前年比27%増の6213万トンに達したことを紹介。
 さらに、15年通年の中国の鉄鋼輸出量は1億トンを超える見通しだと主張し、8月から12月にかけて3700万トンもの鉄鋼が輸出される可能性があると伝え、
「これは日本の鉄鋼生産量の60%に達する量だ」
と指摘した。

 また記事は、中国経済の成長が鈍化するにつれ、国内での鉄鋼需要が減退した中国はだぶついた鉄鋼を輸出にまわしていると指摘。
 その結果として、世界の鉄鋼価格が下落し、世界の鉄鋼メーカーの利益も減少していると伝えた。



サーチナニュース 2015/08/26(水) 13:38
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0826&f=business_0826_037.shtml

世界の株式市場で「投げ売り」状態
・・・わが国だけが原因ではない=中国メディア

 中国メディア・中金網は25日、24日に世界の株式市場が軒並み値を下げ、米国では恐慌ムードが出現してほとんどの種類の資産が急落したとしたうえで、その原因について分析する記事を掲載した。

 記事はまず、世界的な経済の問題について言及。
 中国の経済成長が鈍化していることが、市場で投げ売り状態を発生させた原因の1つと説明した。
 一方で「人びとを失望させたのは中国市場だけでは決してない」とし、米国や英国といった主要経済国の成長も「不発」であること、ブラジルなどの新興市場の経済成長も振るわない状況と説明した。

 つぎの背景として、通貨戦争を挙げた。
 今月に入って人民元が大きく値下がりしたことで、中国が通貨戦争の旗を掲げたと見た各国が競うように自国通貨を値下がりさせて輸出を促進させようとする動きを見せたと解説。
 そのうえで「中国は単に追随者に過ぎず、先導者ではない」とし、ユーロ圏、日本、ロシア、ブラジルがすでに通貨の値下げを行っていたと強調した。

 また、米国が史上最大規模の量的緩和計画を実施したことに対する、各国中央銀行のアクションも影響を与えた一因としたほか、とくに中国を筆頭に、株式市場の価値に「バブル」が含まれており、真の意味で経済の基盤を支えていないとされる市場がよりリアルな市場価値へと調整されつつあることを挙げた。

 記事はこのほか、トレーダーの多くがバカンスを取り、取引の閑散期にあたる8月という要素が、世界市場における波動を大きくさせた可能性についても言及した。



ロイター  2015年 08月 27日 14:37 JST
丸山俊BNPパリバ証券 日本株チーフストラテジスト
http://jp.reuters.com/article/2015/08/27/column-forexforum-shunmaruyama-idJPKCN0QW0BY20150827?sp=true

コラム:危機は「10年に一度」やって来るのか

[東京 27日] -
 中国人民元切り下げに端を発する世界同時株安に動揺が広がっている。
 中国景気の減速に歯止めがかからないこと、そしてそのことが世界的なデフレ懸念を助長したり、さらなる人民元切り下げ観測をかき立てたりして
 新興国・資源国だけでなく先進国も巻き込んで金融市場のパニック的な調整に発展
してしまった。

 もっとも、突然の人民元切り下げは、結果はどうあれ通貨安を通じた輸出促進に主たる政策意図があったわけではないというのが現地における一般的な理解である。
 そもそも背景には、米国金融政策が出口戦略に向かう一方、日欧をはじめとする各国が金融緩和を積極的に推し進める中でドルに実質的にペッグしている人民元が周辺国通貨に対して大幅に切り上がっていたこと、人民元の国際化を進める上で欠かせない国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)通貨バスケットへの採用に向けて中国が為替制度の柔軟化を進めようとしていたことがある。
 このことは、最初の人民元切り下げ後に中国当局が人民元買い・ドル売り介入を通じてスムージングオペを行っていることからもうかがい知れる。

■<世界的パニック売りの背景>

 とはいえ、周辺国(特に資源国)にとっては対岸の火事では済まされない。
 過去にも基軸通貨ドルの政策金利引き上げは常に世界金融市場に極度の緊張をもたらしてきた。
 実際、米国の利上げを直接的または間接的要因として
 1987年にはブラックマンデーが、
 1997年にはアジア通貨危機が、
 2007年にはサブプライムローン危機が
およそ「10年に一度」のタイミングで発生している。

 その発生メカニズムは至って単純である。
 つまり、ドル安・低金利を背景にハイリスク資産に流入した過剰流動性が、利上げによって逆流することで通貨や株式、商品、不動産などの大幅な価格調整をもたらすというものだ。

 とりわけ、ドルに対してペッグ制やレンジバンド制などの一種の固定相場制を採用している高金利の新興国通貨はドルとの金利差を収益機会とするキャリートレードの対象になりやすい。
 しかし、米国利上げ観測によって新興国通貨とドルの金利差が縮小し、資金が逆流すると新興国通貨は一転して通貨攻撃にさらされやすくなる。

 対外資本への依存度が高く、対外債務の満期が短く、外貨準備が脆弱で、国際収支が赤字である国も同様だ。
 今回は米国の出口戦略に1997年のアジア通貨危機にはなかった中国の人民元切り下げが加わって新興国・資源国に対して金融市場の圧力がかかり、最悪の場合、債務危機や銀行危機などを通じて金融システム問題に発展し、先進国もそれに巻き込まれるとの連想がパニック的な売りを招いていると考えられる。

 しかし、幾多の危機を経てドル融通などの国際的なセーフティーネットが構築されてきたこと、銀行セクターの健全性が高まっていること、後述するように先進国の内需を中心とする景気回復メカニズムは途切れていないことなどから、
 加速度的に危機が顕在化する可能性は極めて低い
のではないか。
 短期的に見れば金融市場のボラティリティー高騰は優良資産に対する絶好のエントリーポイントとなるだろう。

■<中国発世界景気後退リスクは低い>

 「世界第2位の経済大国」という枕ことばに、中国に対する懸念ばかり先立つようだが、世界経済の限界的な稼働率(または需給ギャップ)に影響を与えるのはあくまでも超過需要であって経済そのものの規模ではない。

 その点で、世界で唯一巨大な超過需要を生み出している米国の景気減速は世界経済の景気サイクルに大きな影響を与えるが、
★.中国経済の場合、部品・原材料などの中間財輸入を除けば最終財において超過需要を生み出しているわけではない。
 唯一資源のみ巨大な超過需要を生み出しているため、コモディティー価格には中国の需要が少し落ち込んだだけでも深刻な影響が及ぶ。
 その意味で、
★.中国経済が仮に「ゼロ成長」に落ち込んでも
 世界経済が実質的に景気後退に陥る可能性は低い
のではないか。

 繰り返すが、世界経済の景気サイクルは経済規模のみではなく、他国の景気循環に直接的・間接的に影響を及ぼす超過需要という観点が重要だ。
 ちなみに、1990年代、世界第2位の経済大国である日本はマイナス成長に陥ったものの、世界経済、特に米国経済への影響は極めて小さかった。
 それは日本が輸出主導型経済で世界に対して超過需要を生み出していなかったからだ。

 中国の景気減速は世界経済の大きなリスクではあるが、世界経済の機関車である米国経済を景気後退に追いやるというほどのものではないだろう。
 むしろ原油をはじめとするコモディティー価格の大幅な下落は先進国経済にとってプラスであることは疑いのない事実であり、世界に超過需要を生み出している先進国の購買力向上(資源国から非資源国への所得移転)が世界第2位の経済大国である中国の景気減速をやがて大きく減殺してくれると思われる。

 以上のことに鑑みると、優良資産のバーゲンセール到来と捉えれば短期的には楽観的になれるだろう。
 ただ、通貨安競争は世界経済の成長センター不在が問題の本質であると捉えれば、長期的には悲観を禁じ得ない。

 10年に一度の危機は2015年には訪れないだろう。
 しかし、2016年にその前触れが、2017年には当座の危機を回避するためにこれから取られるであろうさらなる金融緩和や財政拡張によって再び過剰流動性相場に逆戻りする結果、やがて本当に危機が到来する可能性が否定できないのである。

*丸山俊氏は、BNPパリバ証券の日本株チーフストラテジスト。早稲田大学政治経済学部卒業後、三和総合研究所に入社し、クレディ・スイス証券を経て2011年より現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。