● 『嫌われる勇気』
『
サーチナニュース 2015-07-17 14:53
http://news.searchina.net/id/1581826?page=1
韓国でベストセラー「嫌われる勇気」
・・・「なぜ、あなたは変われないのか」
「劣等感を克服できないのか」
などの疑問に答える日本書翻訳
韓国メディアの東亜日報は17日、2015年に入り、
「韓国で最も売れている書籍の著者が日本人の岸見一郎氏である」
とし、同氏が古賀史健氏と共著した「嫌われる勇気」が、韓国国内の大型書店において、22週連続で総合ベストセラー本1位を記録していることをうけ、
「韓国人達は、日本の哲学者の目で世界を見ている」
と報じた。
同書は日本で出版された「嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え」(ダイヤモンド社)。
2013年発行で現在でもECサイトのアマゾンで「倫理学入門」のカテゴリーにおいて売れ筋ランキング上位の人気。
ダイヤモンド社のHPには
「人生を一変させる新しい古典の誕生!~中略~
なぜ、あなたはいつまでも変われないのか?
なぜ、あなたは劣等感を克服できないのか?
なぜ、あなたは幸せを実感できないのか?
なぜ、あなたは過去にとらわれてしまうのか?
―アドラーの幸福論がすべての悩みに答えを出します。
~後略~」
などと紹介されている。
記事は、
なぜ韓国人が日本の哲学者の目で世界を見ているのか、
哲学専攻と出版の専門家らの分析を紹介。
専門家は、日本人の知識分野の水準が高いことや、少子高齢化を経験している日本の選択肢が作品の中に込められているほか、韓国の哲学界は厳粛主義が強いからと分析。
これらの日本の書籍は、韓国の厳粛主義が強い哲学界の書籍とは違い、韓国人の読者達にとっても
「難しい哲学理論を理解しやすく説明されていた」
ため、ベストセラー本になったとも伝えた。
また、韓国のある出版社の関係者は、日本の高度成長期終了後の哲学書について分析しながら、
「日本は高度成長期が終わり、複数の社会問題を経験したため、これに対する解答などがこめられた哲学書が数多く出版された」
とし、この中でも特に厳選された書籍だけが翻訳され、韓国国内に入ってきているため
「関心を集めるのは当然」
と述べた。
しかし記事はこうした哲学書が人気を集めたとなれば、
「似たようなコンセプトの書籍が出版されるとの批判がある」
と指摘。実際、
「お母さんのための嫌われる勇気」や
「お父さんのための傷つく勇気」
などといった書籍が出版されたとし、
今後は、「様々な勇気」をコンセプトに書籍が出版されるのではないかと、冗談まじりの話も出ているほどだと報じた。
一方で韓国の哲学学界内部から
「厳粛主義から変わらなければならない」
という声がでているとし、ソウル大学の基礎教育院のキム・ガンシク教授は
「哲学の教授達が社会が必要とする哲学的成果を積極的に、国民に伝える架け橋になる必要がある」
と述べたほか、西江大学の哲学科のソ・ドンウク教授は
「論文を中心に成果を評価しているが、国民に向けた著述活動は客観的に評価していない」
とし
「このような学界の風土が変わらなければならない」
と述べたと報じた。
』
『
日本経済新聞 日経ウーマン 2014/8/26 6:30
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75944400R20C14A8000000/
どうして人気? 人間関係よくなる「嫌われる勇気」とは
人間関係の悩みをシンプルに解決し、“嫌われる勇気”を持ちながら自分らしく生きるための方法と、話題沸騰中の書籍『嫌われる勇気』。
取り上げられている「アドラー心理学」とは何か?
なぜ嫌われる勇気なのか?
著者でアドラー心理学の専門家に、人間関係の問題を解決し、幸せになる秘訣を聞きました。
■「嫌われる勇気」は「幸せになる勇気」と同じ
どきっとするタイトルが目を引く、20~30代の女性たちにも大人気の書籍『嫌われる勇気』。
心理学者のアルフレッド・アドラーが提唱する「アドラー心理学」を基に、私たちが日頃抱えている人間関係の悩みをシンプルに解決し、“嫌われる勇気”を持ちながら自分らしく生きるための方法を紹介した本だ。
そもそも私たちは、「嫌われたくない」と思いながら日々を過ごしている。
にもかかわらず、嫌われる勇気を持つことを勧めるのはなぜなのだろう。
「アドラー心理学では、嫌われる勇気を持つことこそが、幸せな人生につながると考えます」。
そう話すのは、この本の共著者で哲学者の岸見一郎さん。
「周囲の人たちから嫌われないようにするには、常に周りの人の顔色をうかがう必要があります。
それでは、“ありのまま”の自分として生きることは難しくなるし、物事の責任を人のせいにしてしまいかねません」
好かれようと思うと、他人の期待に応えようと振る舞ってしまう。
その結果、本来の自分を出せなかったり、我慢ばかりが続いたりして、ストレスをためてしまいがちだ。
そこで必要になるのが、嫌われる勇気。
「自分の人生は自分だけのもの。
人の期待に応えるのをやめ、自分が『人としてこうありたい』と思える行動を取るよう心がけるだけで、自由を実感できる生き方ができる。
自分の素直な気持ちや意志を貫く勇気。いい換えれば、それは『幸せになる勇気』でもあるのです」
■価値観をハッキリさせることから始めよう
嫌われる勇気を持つために、まず必要なのは「自分にとって譲れないポイント」をハッキリさせること。
好きなこと、嫌いなことは何か。
どんな振る舞いをしているときの自分に対して「価値がある」と思えるのか。
自分の軸になるものを見極めた上で、その価値観に合った言動を心がけてみよう。
とはいえ、嫌われる勇気を持つ上で注意しなくてはいけないこともある。
それは
「自分の意志をきちんと伝えること」と、
「自分の価値観を周囲の人たちに押しつけて、他人を変えようとすること」
とは違うと理解しておくこと。
「私たちは基本的に、他人を変えることはできません。
周りの人たちに自分の価値観を無理強いしたりすることは、人間関係のトラブルのもとです」
変えられるのは自分だけ。
とはいえ、人間関係は相手があって初めて成り立つもの。
自分のものの見方や捉え方を変えることが、日々の言動を変えることにつながる。
そして
「多くの場合、自分が変わると周囲の人も変わらざるを得なくなります。
アドラー心理学は『勇気の心理学』です。
自分が変わる勇気を持つこと。
これだけで、人間関係の悩みは薄らいでいきますよ」
~注目の「アドラー心理学」とは~
Q.なぜ今、「アドラー心理学」なの?
『嫌われる勇気』の大ヒットで一躍有名になった、アドラー心理学。
「すべての悩みは対人関係の悩みである」とし、人間関係も人生もシンプルに考え、悩みを消し去るためのヒントを与えてくれる。
ありのままに、自分らしい人生を歩んでいく上で役立つ数多くの教えが、「同調」や「共感」を求められるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)時代に疲れた人たちの心をつかんでいる。
Q.アルフレッド・アドラーってどんな人?
フロイトやユングと並び称される、“心理学の3大巨頭”のひとり。
トラウマを否定し、行動の「原因」ではなく「目的」に目を向けるといった、斬新な理論で知られる。デール・カーネギーの『人を動かす』(創元社)やスティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』(キングベアー出版)など、多くの自己啓発書にも影響を与えたといわれている。
Q.「嫌われる勇気」はなぜ必要なの?
人に好かれることにこだわりすぎると、人の期待に応えようとして他人に振り回されることが増え、人間関係のストレスや悩みを抱えやすい。
嫌われる勇気を持てば、他人の言動に左右されることなく、自分の人生を自分らしく歩むことができる。
「嫌われる勇気」で人間関係を良くする5つのポイント
(1)他人からの評価を気にしない
「周囲の評価を気にする限り、自分よりも他者のことを優先してしまい、心が不安定になりがち。
人の評価を気にしなくなると、人間関係のストレスはぐっと軽くなります」(岸見さん)
(2)自分の価値観をハッキリさせる
自分の価値観が揺らいでいる人ほど、周囲に流されてしまいがち。
まずは
「好きなこと、嫌いなことは何か」
「どんな行動を取っているときの自分を“好き”と思えるか」
を考えてみよう。
(3)他人を変えようとしない
「嫌われる勇気」が必要とはいえ、自分の素直な気持ちを伝えることと、わがままを言って人を動かすこととは違う。
「自分の意志を尊重すると同時に、相手を尊重することも大切です」
(4)「今、ここ」を大切にする
「目の前のことに一所懸命に打ち込んでいる人は、人間関係に悩む余裕すらないもの。
今できることに真剣に、丁寧に取り組むことで、不要な感情を手放すことができます」
(5)自分と他人とを比較しない
「劣等感とは、周囲の人と自分とを比較することから生まれる『対人関係の悩み』です。
比較をし続ける限り、他人の言動や行動が気になってしまい、“嫌われる勇気”も発動しにくくなります」
この人に聞きました
岸見一郎さん
哲学者。56年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学と並行して、アドラー心理学を研究。執筆・講演活動のほか、カウンセリングも手がける。共著『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)がベストセラーに。
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【中国の盛流と陰り】
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