今の日本は中国の反日恫喝を逆手にとって、
「お詫びと反省の国」から「普通の国」への道を歩んでいる。
よって、日本政府にとって、中国の音痴外交は願ったり適ったりになっている。
中国が作用を及ぼせば、日本はシンプルにその反作用を実行すればいいだけ
のことになる。
よってもし、中国が作用しないなら、日本は何もできない、ということでもある。
日本の強さは「外圧」があるとき、高度な集中力を発揮する。
中国が脅しをもって日本を屈服させようとすればするほど、日本の当局にとっては嬉しい限りになる。
要は、
中国が日本政府の行動に大義名分を与えている、
エネルギーを供給している
ということである。
中国もそのことは分かってはいるのだが、国民的なアピールのためどうしても公式には反日トーンを上げることはあっても下げるわけにはいかなくなっている。
まだまだ、
中国は駆け引きができるほどに外交上手にはなっていない。
それを見透かして、日本がいいように鼻面を引っ掻き回しているように見える。
その根源は、日本が中国を恐れていない、ということである。
中国は日本を恐れさせよう、震え上がらせようと必死に恫喝する。
日本を恫喝することで、中国国民に共産党をアピールしようとしている。
ところがこれが裏目にでる。
日本としては、中国を恐れるという心理が端から無い
から、
「それなら、それを利用させてもらいましょう」
と狡猾に動きまわることになる。
『
(共同通信) 2015/07/16 10:31
http://www.47news.jp/47topics/e/267150.php
【安保法案可決・残る課題】違憲か合憲か―決着せず 「存立危機事態」揺れる定義
衆院特別委員会で可決された安全保障関連法案は、集団的自衛権の行使が憲法違反かどうかの論争が決着せず、行使要件となる「存立危機事態」の定義をめぐる安倍晋三首相らの答弁は揺れ動いた。
任務が拡大する自衛隊員のリスクをめぐって政府と野党の主張は対立し、主な課題が平行線のまま衆院審議を終えることになった。
▽存立危機事態
政府は集団的自衛権の行使に関し
「日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合を
存立危機事態と定義し、
自国防衛の目的に行使を限定する
と説明した。
典型例としたのが朝鮮半島有事に公海上で日本防衛に当たる米艦の防護。
だが、首相が原油輸送ルートである中東・ホルムズ海峡での機雷掃海も可能だと表明したため、行使が歯止めなく広がるとの批判が相次いだ。
首相は「経済的理由だけでは該当しない」と強調。
ホルムズ海峡が封鎖されれば電力不足に陥り、寒冷地で凍死者が出る恐れもあると訴えたが、曖昧さは消えなかった。
▽違憲論
集団的自衛権をめぐっては、衆院憲法審査会で憲法学者3人全員が「違憲」と指摘したことを発端に、合憲性が問われる事態に発展した。
政府は「必要最小限度の自衛の措置」は認められるとした1972年の政府見解を引用し、安保環境の変化を理由に集団的自衛権は合憲だとの見解を野党に提示。最高裁が59年の砂川事件判決で
「必要な自衛の措置は国家固有の権能」
と判示していることも挙げ
「合憲の根拠たり得る」(首相)
と反論した。
だが、野党は72年見解が
「武力行使が認められるのは日本への急迫不正の侵害に対処する場合に限られる」
として集団的自衛権行使を禁じたことなどから
「憲法に合致しているとは言えない」(岡田克也民主党代表)
と追及を緩めていない。
▽リスク増大
法案では自衛隊が他国軍の後方支援をする地域や任務を広げ、国連平和維持活動(PKO)での治安維持業務も認める。
野党は、自衛隊員のリスクが「飛躍的に高まる」(岡田氏)と指摘した。
だが、中谷元・防衛相は
「新たな任務に伴う、新たなリスクが生じる可能性がある」
と述べたものの、リスク増は否定した。
首相は
「いろんな事態に対応できる訓練が可能になるので、実際にはリスクは下がっていく」
と主張し、最後までかみ合わなかった。
後方支援では弾薬提供や戦闘作戦行動のため発進準備中の戦闘機への給油が解禁されるため、憲法が禁じる「他国軍の武力行使との一体化」を招くとの指摘や「戦争に巻き込まれる」との懸念も残る。
首相は
「米国の戦争に巻き込まれるようなことは絶対にない。
戦争法案といった無責任なレッテル貼りは全くの誤りだ」
と取り合わなかった。
』
『
サーチナニュース 2015-07-16 08:51
http://news.searchina.net/id/1581573?page=1
安保法案の採決強行
・・・中国への抑止力強化も目的=中国メディア
安全保障関連法案が衆院特別委員会で可決されたことに対し、中国メディアの新華社は15日、
「安全保障関連法案は実質的に集団的自衛権の行使を認めるものである」
と伝えし、安倍首相が国会で安全保障関連法案について
★.「強行採決した目的は、戦後体制からの脱却と
対中国の抑止力強化にある」
と主張した。
記事は、安全保障関連法案は
「日本と密接な関係にある第三国が武力攻撃を受けた際、存立危機事態に直面していると判断された場合において集団的自衛権の行使が認められるようになる」
と伝えた。
一方、安全保障関連法案では「存立危機事態」の定義が厳格になされていないほか、集団的自衛権の行使が認められる地理的範囲が限定されていないと主張し、
「つまり、自衛隊は世界中のどこでも軍事行動に参加できることになる」
と論じた。
さらに、新華社の日本駐在の記者の見解として、「安倍首相が国会で安全保障関連法案を強行採決した目的は、戦後体制からの脱却と対中国の抑止力強化にある」と主張。
日本国内の報道でも、日本政府が集団的自衛権の行使容認を推し進めた理由は
「対中国が理由」
と報じていると論じた。
また記事は、日本国内の一部の「右寄りの勢力」は、中国の脅威がまさに目前に迫っていると考えており、
「集団的自衛権の行使容認などについて、合憲かどうかを議論している時間すらないと考えている」
と報じた。
』
『
サーチナニュース 2015-07-16 12:25
http://news.searchina.net/id/1581633?page=1
日本の安保法案のターゲットは中国!
・・・「準盟友国」と軍事協力強化へ=中国メディア
中国メディア・鳳凰網は15日、日本の衆議院特別委員会で集団的自衛権の限定的な行使を容認する安全保障の関連法案が採決されたことについて「知っておくべきこと」を論じた記事を掲載した。
記事は、安保法が発効した場合に日本ができることとして
「戦後の『専守防衛』の安保政策に巨大な変化が生まれ、
日本が直接攻撃を受けなくても他国に対して武力を行使することができるようになる」
と説明。
また、
「日本と密接に関係する国が武力攻撃を受けたさいも、
自衛隊が自ら進んで出撃して援護することができる」
ことも規定されているとした。
次に、安保法に対して日本の市民の多くが支持していないとして、日本国内メディアの世論調査で56%の市民が安保法案に反対し、賛成がわずか26%にとどまったと伝えた。
また、同法が憲法違反との認識が48%に達したほか、安倍晋三首相による法案の説明が不十分との回答も67%を占めたと紹介した。
また、日本の憲法学者や法学者の多くが「違憲」と判断したとの報道も出ているとした。
記事はさらに、安倍政権が強引に安保法案を推進する理由について「軍事化を図り、戦後体制を覆して『正常な国』とするため」と説明。
安倍首相は就任後一貫して改憲や安保法案の推進を模索し続け、日本の軍事化に「いわゆる正当性」を持たせようとしてきたと論じた。
また、日本が“軍国化”することによって日米同盟における日本の地位も強化され、外交上での発話権が高まるという狙いもあるとした。
そして最後に、安保法案が中国に与える影響について言及。
安倍首相が6月に各メディアの官邸駐在記者と食事をした際に
「安保法制は南シナ海の中国をターゲットとしたもの。(
立法を)やると言ったらやる」
と語ったとの報道が日本メディアから出たことを挙げ、
「日本が周辺国と組んで中国を抑え込もうとしている
とした。
また、安保法が成立すればオーストラリアやフィリピンといった日本の「準盟友」を相手に、より制限を受けることなく軍事協力ができるようになると説明。
5日からオーストラリアが実施した軍事演習に日本が参加するなど、両国が軍事関係を強化しているとの見方が出ていること、フィリピンのアキノ大統領が先月日本の参議院本会議場で演説した際に日本の安保法案の審議に対して積極的な評価を示したことを伝えた。
』
『
JB Press 2015.7.19(日) 宇佐美 典也
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44333
日本の安全保障観はガラパゴスであるという事実
メリット、デメリットの比較で考える安保法案の本質(前篇)
いわゆる集団的自衛権を認める「平和安全保障法案」の成立の見込みが高まっている。
7月15日、衆院平和安全法制特別委員会で採決が行われ、16日に衆院本会議で与党の賛成多数で可決された。
これで仮に参院で野党の引き伸ばし戦略にあって60日以内に採決されなかった場合でも、再び衆院で3分の2以上の賛成をもって可決すれば法案の成立が可能となるため、事実上平和安全保障法案の成立は確定することになる。
■批判の内容は大きく3つ
この法案を巡っては様々な批判がなされたが、その内容は大きくは3つに分類される。
1点目は「違憲立法の可能性」を巡る議論である。
衆議院での公聴会に招かれた3人の憲法学者がいずれも同法案に関して「違憲である」との見解を示したことに代表されるように、我が国の法律の専門家の間ではこの法案は「従来の憲法解釈を大きく逸脱し違憲である」との認識が大勢を占めている。
とはいえ一部には合憲論を唱える学者がいることも間違いなく、違憲性を巡る議論は国会でいかに白熱しようとも、最終的には違憲性を判断するのは学者ではなく司法機関であるため、この種の批判は残念ながら神学論争の域を出ないものとなっている。
2点目は「そもそもの集団的自衛権の安全保障面での必要性」を巡る議論である。
中国の人民解放軍の膨張により尖閣諸島などでの緊張感が増しているとはいえ、集団的自衛権が即座に必要とされる事態が我が国の安全保障上生じるとは考え難い。
むしろ集団的自衛権を認めることによりアメリカの戦争に巻き込まれるリスクの方が高くなりかねず、従来通り個別的自衛権の範疇で安全保障戦略を立てるべきではないか、という意見が我が国では根強い。
それが同法案への批判につながっている。
3点目は1点目、2点目とは関係なく、いたずらに国民の不安をあおるデマのたぐいである。
例えば
「今回の法案改正は将来の徴兵制へ向けての第一歩である」
だとか
「安倍首相は本音では日本を軍事大国にしたがっている」
とかいったものである。
集団的自衛権と徴兵制は全く別個の論点であるし、また集団的自衛権を認めている国が軍事大国を目指しているなら世界中ほぼ全ての国が軍事大国を目指していることになってしまうので、こうした批判は何ら意味をなさないナンセンスなものである。
一言で言えば議論するに値しない。
こうしてみると、本来的に国会で論じるべきなのは2点目に挙げた
「集団的自衛権の安全保障面での必要性」という1点に限られる
ことになる。
後の2点は結論の出ない神学論争と、単なる雑音に過ぎない。
そこで、ここでは我が国における集団的自衛権の安全保障面での価値について改めて考えてみることにしたい。
■日本の憲法解釈はガラパゴス
まず「そもそも今回の法案審議では何が論じられているのか」という点について確認しよう。
残念ながら平和安全保障法案を巡っては「徴兵制」や「軍国化」や「強行採決」といったキーワードばかり先行し、その具体的内容がほとんど報じられていない状況にある。
この法案は、集団的自衛権を認めることに伴う我が国の安全保障に関する根本的な認識の変化と、それに付随する自衛隊の活動範囲の拡張を規定したものである。
具体的に見ていこう(参考「『平和安全法制』の概要」)。
これまで我が国の安全保障法制は基本的には我が国が武力に直接的にさらされる
1].「武力攻撃事態」と
2].「武力攻撃予測事態」、
3].さらにその前段階としての「周辺事態」
という3つの局面を想定して整備されてきた。それぞれの定義は以下のとおりである。
●・「武力攻撃事態」
──武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態をいう
●・「武力攻撃予測事態」
──武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態をいう
●・「周辺事態」
──そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態
これは我が国が個別的自衛権しか持たず、我が国が直接的に危機にさらされた時にしか自衛権の行使は許されないと考えられていたからである。
しかしながら「日本は個別的自衛権しか行使できない」というのは日本憲法上の独自の制約であり、国際連合憲章では我が国も他の国と等しく集団的自衛権は認められている。
一言で言えば個別的自衛権も集団的自衛権も認めることがグローバルスタンダードであり、個別的自衛権しか行使しようとしない我が国の憲法解釈はガラパゴスなものである。
今回の措置は、こうした個別的自衛権しか認めない日本のガラパゴスな安全保障観を、一部集団的自衛権も認めることでグローバルスタンダードに適用させようというものである。
■戦前の帝国陸軍の活動と比較するのは間違い
仮に集団的自衛権を認めれば、我が国に限らず同盟国(=アメリカ)の危機や国連での活動に対しても自衛権が適用可能ということになる。
それに伴い、今回の法案改正では我が国の安全保障の概念を改めて以下の5つの局面に定義し直している。
・「武力攻撃事態」──従前と変化なし
・「武力攻撃予測事態」──従前と変化なし
・「重要影響事態」(「周辺事態」の改訂)
──そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態
・「存立危機事態」(新設)
──我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう
・「国際共同対処事態」(新設)
──国際社会の平和及び安全を脅かす事態であって、その脅威を除去するために国際社会が国際連合憲章の目的に従い共同して対処する活動を行い、かつ、我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があるもの
変化点をまとめると、自衛隊の活動範囲が広がったことにより、
(1).同盟国であるアメリカ軍の活動範囲に合わせて「周辺」という活動地域の制約が無くなり、
(2).アメリカに対する武力攻撃が起きた場合も自衛隊の活動範囲に入ることになり、
(3).また国連安保理の承認を受けた危機的事態への国際的な共同対処にも参加できるようになった、
というところであろうか。
今回の法案改正で議論されていることの本質は、このような日米安保条約と国際連合憲章という2つの条約に準拠した安全保障概念の転換であり、満州事変や日中戦争といった国際秩序から逸脱した軍事活動を展開した戦前の帝国陸軍の活動と比較すべきような議論では全くないのである。
』
『
ダイヤモンドオンライン 2015年7月21日 加藤嘉一 [国際コラムニスト]
http://diamond.jp/articles/-/75208
中国は安保法案の“強行的通過”をどう見ているか?
■信念に従って突き進む安倍首相
中国は安保法案採決をどう見ているか
安保法案が衆院で強行採決された。中国の政府関係者や識者たちは、このことに対してどんな本音を持っているのだろうか
7月16日、異例の国会延長で約116時間審議された安全保障関連法案が、自民、公明両党の賛成多数で可決され、衆議院を通過した。
これから同法案が参議院に送付される見込みであるが、採決を退席あるいは欠席した野党による反発や、同法案に反対する一部国民世論などにより、同法案を巡る国内の状況は荒れているようだ。
説明責任の重要性を随所で強調してきた安倍晋三首相は、
内閣支持率へのネガティブな影響を懸念しつつも、反対勢力が何を言おうが、国民の多くが不満を露わにしようが、自らの信念に従って突き進もうとしている
ように見える。
そんな一連の動向を、お隣の中国はどう見ているのだろうか。
本稿ではこのテーマを扱いたい。
本連載の核心的テーマである中国民主化研究とは直接的関係性は見出せないが、過去のコラム(【全3回短期集中考察:“民主化”と“反日”の関係(3)】中国の民主化を促すために日本が持つべき3つの視座)で扱ったように、中国の政治体制や国内市場、大衆世論などが日本、特に中国社会の底流に存在し続ける“反日”という潜在的ファクターとどう向き合い、付き合っていくかという問題は、中国共産党一党支配という政治体制がどこまで持続するのか、健全な政治改革が行われ得るのか、といった難題を解明する上でも重要だと私には思われる。
結論から入る。
日本の安保関連法案を巡る動向に密接に注目し、報道するメディアは不満を露わにし、歴史認識問題とリンクさせて日本に圧力をかけようとしている。
知識人もそんな世論形成に加担している。
一方で、政府の立場は世論に比べて抑制的であり、特に共産党指導部は安倍政権が目指す方向性や内実を警戒しつつも、戦後70年という時期において、日本との関係を発展させようとしている。
具体的に見ていこう。
まず、中国世論における対日圧力の形成は大きく分けて、
★.国内の専門家のコメントを引用しつつ展開する国内的立場の主張と、
★.外国メディアの報道や外国人専門家のコメントを引用する形で、国際世論を引き連れて日本に圧力をかける
という、2つのアプローチがあるように見受けられる。
「今週、日本の衆議院は主流民意と第二次世界大戦期間中に日本軍の野蛮な侵略に遭った国家の感情や抵抗を顧みず、集団的自衛権を解禁する安全保障関連法案を強行的に通過させた。
そのやり方は、残酷な歴史の教訓を無視し、公然と平和憲法を破壊し、日本が“主動的戦争”をするのに“法制的保障”を与えるものであり、アジア太平洋地域、乃至は世界の安全に不安定要素を注入した」(国営新華社通信/評論記事『日本が安保関連法案を強行的に通過させたことは戦争を‘抱擁’することである』/7月17日)
共産党の意思や立場を代弁する機能を持つ党メディアである新華社発のこの記事は、日本の民意も大きく割れており、同法案を懐疑的に見る民意が支配的であると指摘する。
「日本の主流な民意は、“専守防衛”を堅持する国策だけが日本の安全を保証し、世界的な範囲で武力を行使できるのを許すことは、日本が侵略戦争の歴史を繰り返すことにつながると思っている」
「戦後、日本は終始“平和国家”として自らをアピールしてきた。
今回の安保関連法案の強行的通過は、70年を通じて苦労して築き上げた国際的イメージをぶち壊すようなものだ」
また同記事は、安倍首相の目的は憲法第9条の改正であるが、それは難易度が高いため、憲法解釈の変更という“ショートカット”を選択した、そして、憲法改正という厳格な手続きを踏まずに集団的自衛権を解禁したやり方は、実質的に憲法第9条を覆す性質のものだと批判を加えている。
■「東アジアの安定に不確定要素」
日本問題の専門家たちが抱く不安
日本問題を研究する専門家たちの主張をレビューしてみよう。
対日世論の形成過程で登場することの多い政府系シンクタンク・社会科学院日本研究所の高洪副所長は、対日強硬的な報道をする傾向が顕著な《環球時報》の取材に対して次のように主張している(7月17日記事)。
「衆議院が新安保法案を通過させたのは、自らと米国を緊密にくっつけ、グローバルな範囲での軍事協力を通じて米国が主導する戦争に参加する意思を示している。
と同時に、中国を最大の脅威、そして仮想敵国と見なしており、東アジアにおける軍事対抗の要素を増大させるものである」
国営新華社通信は、7月17日、日本問題の専門家たちの安保関連法案通過に対する“解読”を紹介している。
「安保法案の核心は日本に集団的自衛権をもたらすものであり、日本はこれから自由に海外派兵できるようになる。
安保法案の通過は、現行憲法を骨抜きにすることにほかならず、実際に、日本の自衛隊と一般的な軍隊の唯一の区別はその名称である」(周永生・外交学院教授)
「安保法案は日本の平和理念を覆すものであり、その通過は非常に危険で、地域の安定に多くの不確定要素をもたらし得る。
また、これまで軍事的には米国が日本を守るという要素が多かったが、これからは日本もこれまで以上に米国に対して軍事的支持を施すことが可能になる」(胡令遠・上海復旦大学日本研究センター主任)
「日米の安保条約が軍事協力をアップグレードすることは、アジア太平洋地域における主導的地位を獲得することにつながる。それは地域の多極化という趨勢に背くものである」(王少普・上海交通大学日本研究センター主任)
また、本来中国人専門家の見方を紹介することが主旨である同記事は、日本の鳩山由紀夫元首相が過去に新華社の取材を受けた際の次のコメントで結ばれている。
「日本が集団的自衛権を行使することは、戦争への道を切り開くことを意味する」
中国共産党は、内政・外交を問わず、
★.依然として“外国対中反対勢力”には徹底批判を、
★.“外国対中友好分子”には取り込みを図る
という二分法を戦略としている。
■平和憲法を根幹とする日本を
戦争ができる国家に改造するもの
中国メディアが取り込み策として引用する、外国メディアの報道を見てみよう。
新華社と並んで中国2大通信社の1つである中国新聞社は17日、同日の日本毎日新聞と東京新聞の社説を紹介しているほか、最近実施された共同通信、毎日新聞、朝日新聞、読売新聞の安保関連法案に関する世論調査の結果を紹介している。
目立つのは、最近経済関係のつながりや歴史問題での“連携”が顕著になってきた韓国メディア報道の引用である
(筆者注:2013年の中韓貿易額は2742億ドルで、同年の日中貿易額3119億ドルに接近している。
中韓貿易は2015年には3000億ドルにも達すると見込まれている)。
新華社が7月17日に配信した記事“海外世論は日本の衆議院が安保法案を強行的に通過させたことは地域の安全を脅かすものだと認識している”は、以下の報道を引用している。
「日本の一部政治家は平和憲法を根幹とする日本を戦争ができる国家に改造しようとしており、安保関連法案の強行的通過はそのような野心を暴露したものだ」(韓国アジア経済)
「違憲の可能性が指摘されているなか、日本政府が衆議院にて安保関連法案を強行的に通過させたことは、北東アジア秩序の大混乱を招くかもしれない」(韓国経済新聞)
同記事はそれ以外に、タイ、カンボジア、ロシア、米国、英国、フランスのメディア報道あるいは専門家の見方を紹介しつつ、今回の法案通過が地域の安全保障にとっての不確定要素あるいは脅威になるというトーンで、まとめられている。
また、7月18日、党機関紙《人民日報》も、ソウル、ベルリン、バンコク、ワシントン発で“国際世論は日本が一連の安保法案を強行的に採決したことを強烈に批判している”という記事を掲載し、同国メディアや専門家の声をピックアップしつつ、
「日本が安保法案を強行的に通過させたことは、地域ないしは世界の平和と安定に脅威を与えるものだと、国際世論は普遍的に思っている」
としている。
中国メディアは、今回の通過を米国政府が歓迎している点も静かに伝えている。
■危機感を抱きながらも外部に対して
対日重視を表明する中国共産党
結論で述べたように、中国政府はメディアや世論と比べて抑制的な態度を保持しているように見える。
外交部の華春瑩報道官は、7月16日の定例記者会見にて、中国政府の立場を次のように表明した。
「歴史的な要因によって、日本の軍事安全を巡る動向はアジアの隣国や国際社会の高度な注目を浴びてきた。
日本の衆議院が新安保法案を通過させたことは、戦後において前代未聞の動きであり、日本の軍事安全保障政策に重大な変化をもたらしうるものである。
人々は、“日本は専守防衛政策を放棄するのか、戦後長期的に堅持してきた平和的発展の道を変更するのか”と疑う理由を持っている」
このフレーズを読みながら、私は、中国共産党指導部が、体制内部では日本の安全保障を巡る政策を徹底分析し、動向を深く追っていく一方で、外部に対しては、対日関係重視という観点から、比較的抑止の効いた立場を表明していくのではないかという考えを頭に浮かべていた。
そんな考えを一段と深化させたのが、翌日の17日午後、李克強首相が日本の谷内正太郎・国家安全保障局長を権力の中枢である中南海に招き入れ、会談した経緯である。
李首相は戦後70年という観点から歴史問題で日本を牽制することは忘れなかったし、昨今の安保法案を巡る動向もあってか、日本に引き続き平和国家として歩むことを促したが、大筋は日中関係を前進させていくべきというトーンであり、その過程に日本の一部メディアが“異例の厚遇”と修飾した谷内局長の中南海入りを位置づけるものであった。
また、谷内局長はカウンターパートである楊潔チ(チの文字は竹かんむりに“褫”のつくり)外交担当国務委員と夕食を含めて5時間半に渡って協議をし、常万全国防部長とも1時間会談した。
これらの動向が、戦後70年という歴史的には節目を、政治的には敏感性を、外交的には複雑性を示唆する時期において、日本側だけでなく、中国側としても日中関係を安定的に発展させたいという共通認識に立脚していることは、疑いないように思える。
「中国政府は対日関係の発展を重視している――。
理解とコンセンサスを増進し、矛盾と摩擦を管理・コントロールし、交流と協力を一歩一歩推進し、両国関係を正常な発展の軌道に戻すのだ」(李克強首相)
これから、8月15日の終戦記念日、9月3日の“抗日戦争勝利”軍事パレードなど、政治的にセンシティブなイベントが続く。
中国側は“安倍談話”の内容と文言に注意を払っている。
今回李首相が谷内局長に会った背景には、安倍首相の8.15談話にプレッシャーをかけるという習近平国家主席の意思が反映されていたと私は見ている。
中国としては、日本の高官に“異例の厚遇”を与えることによって、
国内で政治的に遭遇する反発や不満よりも、“安倍談話”が中国側が想定した内容・文言と極端に乖離したものになることによって、
対日関係を重視していきたいにもかかわらず、
国内のナショナリズムに配慮する形で、日本に対して極端な不満や抗議を浴びせなければならない局面のほうを恐れている
のではないか。
9月3日の軍事パレードに関して、習近平国家主席が安倍晋三首相を招待したかどうか、招待状を受け取ったかどうかを巡って、日中各方面の情報は錯綜している。
真実はいまだグレーゾーンを彷徨っているようだが、安倍首相が同パレードへの出席を含めて9月上旬に訪中することを、中国側が望んでいることは確かであると私は考えている。
そして、李・谷内会談の実現はこの点を婉曲的に体現していた。
■日本が米国から離れて
暴走することのほうが危険
最後に、中国共産党は実際のところ、日本の安保関連法案の通過をどう見ているのだろうか。
共産党内で対外政策を立案するミッションを抱える幹部に話を聞いてみた。
「警戒はする。
安倍晋三という不確定要素をはらんだ政治家がこのアジェンダを引っ張っていることが、その理由だ。
しかし、
終戦70年が経ったいま、 日本の安全保障政策が新たなフェーズに入る
ことは想定内だ。
国際情勢も変化していることを考えればなおさらだ。
しかも、今回の法案は、日本の対米従属をより一層強化するものだ。
我々は、日本が米国のコントロール下にある状況を望む。
米国とは話がしやすい。
対米関係のマネジメントは、対日関係のそれよりもシンプルだ。
日本が米国のコントロールから逃れることによって、暴走する局面のほうが危険だ」
同幹部は続けて言った。
「私は個人的に日米同盟の強化を望んでいる」
』
中国の打つ手打つ手を逆に捉えて、日本はいいように防衛力の増強に突っ走っている。
これに対して中国はいらだちを隠せない。
中国が作用すれば、日本は反作用する、という単純図式にのっている。
あまりにシンプルすぎる日本の反応である。
そんなシンプルな反作用を導いてしまうほどに、外交ベタないまの中国の状況である。
できることと言えば、大声で恫喝することだけ
しかない。
でも、どうにも歯切れが悪い。
でもしかたがない、それしか打つ手がない、という手詰まり状態である。
『中国の今の経済力数と軍事力数からして、日本は折れるべきなのだ』
といった素人的単純発想の外交ではとてもやっていけない、ということである。
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年7月23日(木) 17時57分
http://www.recordchina.co.jp/a114765.html
<新安保法制>
「日本は中国を仮想敵国とみなし脅威論を振り撒いている」
「専守防衛・平和的発展の道を変えるのではないか」―中国駐日大使が批判
2015年7月23日、中国の程永華駐日大使は日本記者クラブで記者会見し、日中間の懸案について語った。
安倍政権が進めている安保法案について、日本が専守防衛・平和的発展の道を変えるのではないかとの疑念を表明した上で、
「日本は中国を仮想敵国とみなし脅威論を振り撒いている」
と批判。
「これは危険な傾向であり、警戒している」
と強調した。
また日本政府が22日公開した、中国による東シナ海ガス田開発について、
「日本側が設定した国境中間線の西方中国側での開発であり、問題がない」
と反論した。
発言要旨は次の通り。
日中は互いに引っ越すことができない最も重要な隣接国であり、貿易投資観光などの面で切っても切れない関係である。
日中貿易が3000億ドル(約37兆円)を超えているほか、中国からの訪日観光客が急増し、人的交流が今年700万人に達する見込みだ。
両国は協力のパートナーであり、戦略的互恵関係をさらに発展させていきたい。
日中が4つの政治文書と4つの原則的共通認識と首脳会談を踏まえて、同じ方向に向かい、政治的相互信頼を築き、積み重ねることが重要だ。
★.釣魚島(尖閣諸島)を巡っては
1972年の日中国交正常化交渉と1978年日中平和条約締結交渉時に(棚上げで)合意・了解しており、この合意に基づいて、両国はこの安定的な繁栄を享受してきたが、2012年の日本政府による動き(島の国有化)により約束が破られた。
今後対話を通じて解決していく方針は明白であり、あくまでも協議継続により平和的に問題を解決したい。
★.中国が国力の増大に伴い軍事大国になるとの懸念
もあるようだが、軍事費は国力の発展に伴い広大な国土防衛が目的だ。
列強に侵略された歴史や他の大国の発展と衰退の歴史を見ながら、中国は平和的な発展の道をゆるぎなく歩んでいく。
2020年の中国共産党創設100年と2050年の中華人民共和国建国100年に目標を置いているが、これは(他国への)脅威や挑戦ではなく、平和で安定した世界の実現へ貢献したい。
★.9月3日の反ファシズム戦争ならびに抗日戦争勝利70周年記念行事は
特定の国を標的にするものではない。この重要な節目の時期にあたり、人類社会は共に歴史を改めて振り返り、戦争について改めて考え、平和を実現するためだ。安倍晋三首相にも出席していただきたい。
★.中国は1945年以前と以降を区別し、戦争指導者と人民を分けている。
近代以降日本が起こした侵略は大きな災難をもたらした。
日本が国際社会でも明確にされたその事実を直視し、村山談話など反省の約束を誠実に守るよう求めている。
歴史問題によって日中間にトラブルが生じたことはあるが、中国側から引き起こしたことはない。
日本国内には中国が歴史問題のカードを使って叩いているという言い方があるが、日本側が過去を美化したことに対する反応にすぎない。
日本が反省に基づいて平和的発展の道を歩んできたことを肯定し、政府開発援助(ODA)など中国近代化建設のために協力いただいたことに感謝している。
★.日本が進めている軍事安全保障の方向に対し憂慮している。
私は長く日中関係に係わっているが、日本の近年の安保法制見直しによって、戦後の歴史が大きな転換点を迎えている感じがする。
現在はかつてのような冷戦構造は存在しない。
東アジアが繁栄と安定に向かう中で、日本が専守防衛・平和的発展の道を変えるのではないかとの疑念もある。
中国には日本を仮想敵国にしようという考え方は毛頭ないが、
日本は中国を仮想敵国とみなし脅威論を振り撒いている。
これは危険な傾向であり、警戒し注目している。
自衛隊が海外に出ていくことへの懸念もあり、かつてのように中国の利益を侵害するのではないかとの点で関心を抱かざるを得ない。
日中が対話し共通の利益を拡大することによってこそ、相互安全保障を実現できる。
★.東シナ海のガス田開発の話を(日本政府が)唐突に出したが、これは現在のニュースではない。
日本側が設定した国境中間線の西方中国側での開発であり、問題がない。
日本が発表した拠点の位置は紛争のない海域であり、日本側が異を唱えるようなものではない。
中間線より東の日本側には出ておらず、抑制的な態度を取っている。
2008年に取り決めた日中共通認識である「平和友好の海にしよう」という考え方を中国は守っていく方針だ。
(八牧浩行)
』
『
サーチナニュース 2015-07-25 14:39
http://news.searchina.net/id/1582731?page=1
日本による中国脅威論
・・・「日中関係の改善を妨げる」と駐日中国大使=中国メディア
中国メディア・人民網は24日、中国の程永華駐日大使が23日に日本記者クラブで講演を行うとともに記者からの質問に答え、
「日本による『中国脅威論』の喧伝は、両国関係の改善を妨げる」
とコメントしたことを報じた。
記事は、程大使が日本国内の大手メディアが集まるなかで
「中国が日本をどう見ているか」、
「日本は中国をどう見るべきか」
というテーマで講演を実施、日中関係に問題が頻発している表層的な原因は歴史問題における紛糾と現実的な利害関係の衝突にあり、深層的な原因には
「互いの認知や位置づけが上手くいっておらず、互いの発展をどう見るかという問題が解決されていない」
ことがあると語ったことを伝えた。
また、中国が平和的発展の道を進む強い意志や、中国政府が日中関係の発展を一貫して重視していることを改めて強調し、
「日本も平和的発展の道を堅持し、中国の発展をチャンスと捉えて、関係地域における中国による協力への呼びかけを善意の目で見て、ともに地域の発展に参画することを望む」
としたことを紹介した。
さらに、日本政府が進める安全保障関連法案の問題について程大使が「国際社会が注目する問題」としたうえで、日本が専守防衛方針を改め、中国の権益が損なわれる可能性について中国側が非常に注視しているとコメントしたことを伝えた。
そして、中国はこれまで日本を仮想敵と見なしたことはないとし、
「日本側が一方的に中国の脅威を喧伝し、安全保障関連法案成立の口実にすることは、日中関係の改善を妨げるのみならず、両国間に衝突の種を植え付けることになる」
と危機感を示したとした。
記事はこのほか、程大使が安倍晋三首相の「戦後70周年談話」における歴史問題への言及の有無について中国側が注視していることを明らかにするとともに、東シナ海ガス田問題について「中国の管轄範囲内での話であり、日本が四の五の言う権利はない」と中国政府の立場を改めて示したことを併せて伝えた。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年7月25日(土) 14時47分
http://www.recordchina.co.jp/a114904.html
中国は日本を仮想敵国としたことはない!
駐日大使の主張に
「ならばなぜ毎日抗日ドラマを放送?」
「うそが習慣に…」―中国ネット
2015年7月24日、中国メディアの京華時報は、23日に程永華駐日大使が日本記者クラブで行った講演で、中国は日本を仮想敵国としたことは1度もないと述べたことを伝えた。
京華時報によれば、程大使は、安保法案について中国が高い関心を寄せていることを指摘し、日本が宣伝する中国脅威論は両国関係改善の障害となっていると主張。
「中国は日本を仮想敵国としたことは1度もない」
とも述べたという。
このニュースに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
「でも日本は中国を仮想敵国としているのだが」
「(程大使は)中国人民を代表しているわけではない」
「ならば、なぜ毎日抗日ドラマを放送しているのだ?」
「なぜ日本を仮想敵国にしないのか。
日本こそ最も危険な敵国なのに」
「バカなことを言うな。
直接日本をやっつけてしまえ」
「日本は仮想敵国じゃなくて現実の敵国だからな」
「中国は1931年からずっと日本を敵としているけど」
「わが中国の敵は米国。
日本は足元にも及ばない」
「大使の言う意味は、日本には仮想敵国たる資格もないということ。
米国こそ仮想敵国」
「中国人は米国のことは恐くないけど、
日本人のことは恐いんだよ」
「中国は日本と戦う肝っ玉はないからな」
「うそをつくことが習慣になっちゃっているんですね」
』
【中国の盛流と陰り】
ダイヤモンドオンライン 2015年7月21日 加藤嘉一 [国際コラムニスト]
http://diamond.jp/articles/-/75208
中国は安保法案の“強行的通過”をどう見ているか?
■信念に従って突き進む安倍首相
中国は安保法案採決をどう見ているか
安保法案が衆院で強行採決された。中国の政府関係者や識者たちは、このことに対してどんな本音を持っているのだろうか
7月16日、異例の国会延長で約116時間審議された安全保障関連法案が、自民、公明両党の賛成多数で可決され、衆議院を通過した。
これから同法案が参議院に送付される見込みであるが、採決を退席あるいは欠席した野党による反発や、同法案に反対する一部国民世論などにより、同法案を巡る国内の状況は荒れているようだ。
説明責任の重要性を随所で強調してきた安倍晋三首相は、
内閣支持率へのネガティブな影響を懸念しつつも、反対勢力が何を言おうが、国民の多くが不満を露わにしようが、自らの信念に従って突き進もうとしている
ように見える。
そんな一連の動向を、お隣の中国はどう見ているのだろうか。
本稿ではこのテーマを扱いたい。
本連載の核心的テーマである中国民主化研究とは直接的関係性は見出せないが、過去のコラム(【全3回短期集中考察:“民主化”と“反日”の関係(3)】中国の民主化を促すために日本が持つべき3つの視座)で扱ったように、中国の政治体制や国内市場、大衆世論などが日本、特に中国社会の底流に存在し続ける“反日”という潜在的ファクターとどう向き合い、付き合っていくかという問題は、中国共産党一党支配という政治体制がどこまで持続するのか、健全な政治改革が行われ得るのか、といった難題を解明する上でも重要だと私には思われる。
結論から入る。
日本の安保関連法案を巡る動向に密接に注目し、報道するメディアは不満を露わにし、歴史認識問題とリンクさせて日本に圧力をかけようとしている。
知識人もそんな世論形成に加担している。
一方で、政府の立場は世論に比べて抑制的であり、特に共産党指導部は安倍政権が目指す方向性や内実を警戒しつつも、戦後70年という時期において、日本との関係を発展させようとしている。
具体的に見ていこう。
まず、中国世論における対日圧力の形成は大きく分けて、
★.国内の専門家のコメントを引用しつつ展開する国内的立場の主張と、
★.外国メディアの報道や外国人専門家のコメントを引用する形で、国際世論を引き連れて日本に圧力をかける
という、2つのアプローチがあるように見受けられる。
「今週、日本の衆議院は主流民意と第二次世界大戦期間中に日本軍の野蛮な侵略に遭った国家の感情や抵抗を顧みず、集団的自衛権を解禁する安全保障関連法案を強行的に通過させた。
そのやり方は、残酷な歴史の教訓を無視し、公然と平和憲法を破壊し、日本が“主動的戦争”をするのに“法制的保障”を与えるものであり、アジア太平洋地域、乃至は世界の安全に不安定要素を注入した」(国営新華社通信/評論記事『日本が安保関連法案を強行的に通過させたことは戦争を‘抱擁’することである』/7月17日)
共産党の意思や立場を代弁する機能を持つ党メディアである新華社発のこの記事は、日本の民意も大きく割れており、同法案を懐疑的に見る民意が支配的であると指摘する。
「日本の主流な民意は、“専守防衛”を堅持する国策だけが日本の安全を保証し、世界的な範囲で武力を行使できるのを許すことは、日本が侵略戦争の歴史を繰り返すことにつながると思っている」
「戦後、日本は終始“平和国家”として自らをアピールしてきた。
今回の安保関連法案の強行的通過は、70年を通じて苦労して築き上げた国際的イメージをぶち壊すようなものだ」
また同記事は、安倍首相の目的は憲法第9条の改正であるが、それは難易度が高いため、憲法解釈の変更という“ショートカット”を選択した、そして、憲法改正という厳格な手続きを踏まずに集団的自衛権を解禁したやり方は、実質的に憲法第9条を覆す性質のものだと批判を加えている。
■「東アジアの安定に不確定要素」
日本問題の専門家たちが抱く不安
日本問題を研究する専門家たちの主張をレビューしてみよう。
対日世論の形成過程で登場することの多い政府系シンクタンク・社会科学院日本研究所の高洪副所長は、対日強硬的な報道をする傾向が顕著な《環球時報》の取材に対して次のように主張している(7月17日記事)。
「衆議院が新安保法案を通過させたのは、自らと米国を緊密にくっつけ、グローバルな範囲での軍事協力を通じて米国が主導する戦争に参加する意思を示している。
と同時に、中国を最大の脅威、そして仮想敵国と見なしており、東アジアにおける軍事対抗の要素を増大させるものである」
国営新華社通信は、7月17日、日本問題の専門家たちの安保関連法案通過に対する“解読”を紹介している。
「安保法案の核心は日本に集団的自衛権をもたらすものであり、日本はこれから自由に海外派兵できるようになる。
安保法案の通過は、現行憲法を骨抜きにすることにほかならず、実際に、日本の自衛隊と一般的な軍隊の唯一の区別はその名称である」(周永生・外交学院教授)
「安保法案は日本の平和理念を覆すものであり、その通過は非常に危険で、地域の安定に多くの不確定要素をもたらし得る。
また、これまで軍事的には米国が日本を守るという要素が多かったが、これからは日本もこれまで以上に米国に対して軍事的支持を施すことが可能になる」(胡令遠・上海復旦大学日本研究センター主任)
「日米の安保条約が軍事協力をアップグレードすることは、アジア太平洋地域における主導的地位を獲得することにつながる。それは地域の多極化という趨勢に背くものである」(王少普・上海交通大学日本研究センター主任)
また、本来中国人専門家の見方を紹介することが主旨である同記事は、日本の鳩山由紀夫元首相が過去に新華社の取材を受けた際の次のコメントで結ばれている。
「日本が集団的自衛権を行使することは、戦争への道を切り開くことを意味する」
中国共産党は、内政・外交を問わず、
★.依然として“外国対中反対勢力”には徹底批判を、
★.“外国対中友好分子”には取り込みを図る
という二分法を戦略としている。
■平和憲法を根幹とする日本を
戦争ができる国家に改造するもの
中国メディアが取り込み策として引用する、外国メディアの報道を見てみよう。
新華社と並んで中国2大通信社の1つである中国新聞社は17日、同日の日本毎日新聞と東京新聞の社説を紹介しているほか、最近実施された共同通信、毎日新聞、朝日新聞、読売新聞の安保関連法案に関する世論調査の結果を紹介している。
目立つのは、最近経済関係のつながりや歴史問題での“連携”が顕著になってきた韓国メディア報道の引用である
(筆者注:2013年の中韓貿易額は2742億ドルで、同年の日中貿易額3119億ドルに接近している。
中韓貿易は2015年には3000億ドルにも達すると見込まれている)。
新華社が7月17日に配信した記事“海外世論は日本の衆議院が安保法案を強行的に通過させたことは地域の安全を脅かすものだと認識している”は、以下の報道を引用している。
「日本の一部政治家は平和憲法を根幹とする日本を戦争ができる国家に改造しようとしており、安保関連法案の強行的通過はそのような野心を暴露したものだ」(韓国アジア経済)
「違憲の可能性が指摘されているなか、日本政府が衆議院にて安保関連法案を強行的に通過させたことは、北東アジア秩序の大混乱を招くかもしれない」(韓国経済新聞)
同記事はそれ以外に、タイ、カンボジア、ロシア、米国、英国、フランスのメディア報道あるいは専門家の見方を紹介しつつ、今回の法案通過が地域の安全保障にとっての不確定要素あるいは脅威になるというトーンで、まとめられている。
また、7月18日、党機関紙《人民日報》も、ソウル、ベルリン、バンコク、ワシントン発で“国際世論は日本が一連の安保法案を強行的に採決したことを強烈に批判している”という記事を掲載し、同国メディアや専門家の声をピックアップしつつ、
「日本が安保法案を強行的に通過させたことは、地域ないしは世界の平和と安定に脅威を与えるものだと、国際世論は普遍的に思っている」
としている。
中国メディアは、今回の通過を米国政府が歓迎している点も静かに伝えている。
■危機感を抱きながらも外部に対して
対日重視を表明する中国共産党
結論で述べたように、中国政府はメディアや世論と比べて抑制的な態度を保持しているように見える。
外交部の華春瑩報道官は、7月16日の定例記者会見にて、中国政府の立場を次のように表明した。
「歴史的な要因によって、日本の軍事安全を巡る動向はアジアの隣国や国際社会の高度な注目を浴びてきた。
日本の衆議院が新安保法案を通過させたことは、戦後において前代未聞の動きであり、日本の軍事安全保障政策に重大な変化をもたらしうるものである。
人々は、“日本は専守防衛政策を放棄するのか、戦後長期的に堅持してきた平和的発展の道を変更するのか”と疑う理由を持っている」
このフレーズを読みながら、私は、中国共産党指導部が、体制内部では日本の安全保障を巡る政策を徹底分析し、動向を深く追っていく一方で、外部に対しては、対日関係重視という観点から、比較的抑止の効いた立場を表明していくのではないかという考えを頭に浮かべていた。
そんな考えを一段と深化させたのが、翌日の17日午後、李克強首相が日本の谷内正太郎・国家安全保障局長を権力の中枢である中南海に招き入れ、会談した経緯である。
李首相は戦後70年という観点から歴史問題で日本を牽制することは忘れなかったし、昨今の安保法案を巡る動向もあってか、日本に引き続き平和国家として歩むことを促したが、大筋は日中関係を前進させていくべきというトーンであり、その過程に日本の一部メディアが“異例の厚遇”と修飾した谷内局長の中南海入りを位置づけるものであった。
また、谷内局長はカウンターパートである楊潔チ(チの文字は竹かんむりに“褫”のつくり)外交担当国務委員と夕食を含めて5時間半に渡って協議をし、常万全国防部長とも1時間会談した。
これらの動向が、戦後70年という歴史的には節目を、政治的には敏感性を、外交的には複雑性を示唆する時期において、日本側だけでなく、中国側としても日中関係を安定的に発展させたいという共通認識に立脚していることは、疑いないように思える。
「中国政府は対日関係の発展を重視している――。
理解とコンセンサスを増進し、矛盾と摩擦を管理・コントロールし、交流と協力を一歩一歩推進し、両国関係を正常な発展の軌道に戻すのだ」(李克強首相)
これから、8月15日の終戦記念日、9月3日の“抗日戦争勝利”軍事パレードなど、政治的にセンシティブなイベントが続く。
中国側は“安倍談話”の内容と文言に注意を払っている。
今回李首相が谷内局長に会った背景には、安倍首相の8.15談話にプレッシャーをかけるという習近平国家主席の意思が反映されていたと私は見ている。
中国としては、日本の高官に“異例の厚遇”を与えることによって、
国内で政治的に遭遇する反発や不満よりも、“安倍談話”が中国側が想定した内容・文言と極端に乖離したものになることによって、
対日関係を重視していきたいにもかかわらず、
国内のナショナリズムに配慮する形で、日本に対して極端な不満や抗議を浴びせなければならない局面のほうを恐れている
のではないか。
9月3日の軍事パレードに関して、習近平国家主席が安倍晋三首相を招待したかどうか、招待状を受け取ったかどうかを巡って、日中各方面の情報は錯綜している。
真実はいまだグレーゾーンを彷徨っているようだが、安倍首相が同パレードへの出席を含めて9月上旬に訪中することを、中国側が望んでいることは確かであると私は考えている。
そして、李・谷内会談の実現はこの点を婉曲的に体現していた。
■日本が米国から離れて
暴走することのほうが危険
最後に、中国共産党は実際のところ、日本の安保関連法案の通過をどう見ているのだろうか。
共産党内で対外政策を立案するミッションを抱える幹部に話を聞いてみた。
「警戒はする。
安倍晋三という不確定要素をはらんだ政治家がこのアジェンダを引っ張っていることが、その理由だ。
しかし、
終戦70年が経ったいま、 日本の安全保障政策が新たなフェーズに入る
ことは想定内だ。
国際情勢も変化していることを考えればなおさらだ。
しかも、今回の法案は、日本の対米従属をより一層強化するものだ。
我々は、日本が米国のコントロール下にある状況を望む。
米国とは話がしやすい。
対米関係のマネジメントは、対日関係のそれよりもシンプルだ。
日本が米国のコントロールから逃れることによって、暴走する局面のほうが危険だ」
同幹部は続けて言った。
「私は個人的に日米同盟の強化を望んでいる」
』
中国の打つ手打つ手を逆に捉えて、日本はいいように防衛力の増強に突っ走っている。
これに対して中国はいらだちを隠せない。
中国が作用すれば、日本は反作用する、という単純図式にのっている。
あまりにシンプルすぎる日本の反応である。
そんなシンプルな反作用を導いてしまうほどに、外交ベタないまの中国の状況である。
できることと言えば、大声で恫喝することだけ
しかない。
でも、どうにも歯切れが悪い。
でもしかたがない、それしか打つ手がない、という手詰まり状態である。
『中国の今の経済力数と軍事力数からして、日本は折れるべきなのだ』
といった素人的単純発想の外交ではとてもやっていけない、ということである。
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年7月23日(木) 17時57分
http://www.recordchina.co.jp/a114765.html
<新安保法制>
「日本は中国を仮想敵国とみなし脅威論を振り撒いている」
「専守防衛・平和的発展の道を変えるのではないか」―中国駐日大使が批判
2015年7月23日、中国の程永華駐日大使は日本記者クラブで記者会見し、日中間の懸案について語った。
安倍政権が進めている安保法案について、日本が専守防衛・平和的発展の道を変えるのではないかとの疑念を表明した上で、
「日本は中国を仮想敵国とみなし脅威論を振り撒いている」
と批判。
「これは危険な傾向であり、警戒している」
と強調した。
また日本政府が22日公開した、中国による東シナ海ガス田開発について、
「日本側が設定した国境中間線の西方中国側での開発であり、問題がない」
と反論した。
発言要旨は次の通り。
日中は互いに引っ越すことができない最も重要な隣接国であり、貿易投資観光などの面で切っても切れない関係である。
日中貿易が3000億ドル(約37兆円)を超えているほか、中国からの訪日観光客が急増し、人的交流が今年700万人に達する見込みだ。
両国は協力のパートナーであり、戦略的互恵関係をさらに発展させていきたい。
日中が4つの政治文書と4つの原則的共通認識と首脳会談を踏まえて、同じ方向に向かい、政治的相互信頼を築き、積み重ねることが重要だ。
★.釣魚島(尖閣諸島)を巡っては
1972年の日中国交正常化交渉と1978年日中平和条約締結交渉時に(棚上げで)合意・了解しており、この合意に基づいて、両国はこの安定的な繁栄を享受してきたが、2012年の日本政府による動き(島の国有化)により約束が破られた。
今後対話を通じて解決していく方針は明白であり、あくまでも協議継続により平和的に問題を解決したい。
★.中国が国力の増大に伴い軍事大国になるとの懸念
もあるようだが、軍事費は国力の発展に伴い広大な国土防衛が目的だ。
列強に侵略された歴史や他の大国の発展と衰退の歴史を見ながら、中国は平和的な発展の道をゆるぎなく歩んでいく。
2020年の中国共産党創設100年と2050年の中華人民共和国建国100年に目標を置いているが、これは(他国への)脅威や挑戦ではなく、平和で安定した世界の実現へ貢献したい。
★.9月3日の反ファシズム戦争ならびに抗日戦争勝利70周年記念行事は
特定の国を標的にするものではない。この重要な節目の時期にあたり、人類社会は共に歴史を改めて振り返り、戦争について改めて考え、平和を実現するためだ。安倍晋三首相にも出席していただきたい。
★.中国は1945年以前と以降を区別し、戦争指導者と人民を分けている。
近代以降日本が起こした侵略は大きな災難をもたらした。
日本が国際社会でも明確にされたその事実を直視し、村山談話など反省の約束を誠実に守るよう求めている。
歴史問題によって日中間にトラブルが生じたことはあるが、中国側から引き起こしたことはない。
日本国内には中国が歴史問題のカードを使って叩いているという言い方があるが、日本側が過去を美化したことに対する反応にすぎない。
日本が反省に基づいて平和的発展の道を歩んできたことを肯定し、政府開発援助(ODA)など中国近代化建設のために協力いただいたことに感謝している。
★.日本が進めている軍事安全保障の方向に対し憂慮している。
私は長く日中関係に係わっているが、日本の近年の安保法制見直しによって、戦後の歴史が大きな転換点を迎えている感じがする。
現在はかつてのような冷戦構造は存在しない。
東アジアが繁栄と安定に向かう中で、日本が専守防衛・平和的発展の道を変えるのではないかとの疑念もある。
中国には日本を仮想敵国にしようという考え方は毛頭ないが、
日本は中国を仮想敵国とみなし脅威論を振り撒いている。
これは危険な傾向であり、警戒し注目している。
自衛隊が海外に出ていくことへの懸念もあり、かつてのように中国の利益を侵害するのではないかとの点で関心を抱かざるを得ない。
日中が対話し共通の利益を拡大することによってこそ、相互安全保障を実現できる。
★.東シナ海のガス田開発の話を(日本政府が)唐突に出したが、これは現在のニュースではない。
日本側が設定した国境中間線の西方中国側での開発であり、問題がない。
日本が発表した拠点の位置は紛争のない海域であり、日本側が異を唱えるようなものではない。
中間線より東の日本側には出ておらず、抑制的な態度を取っている。
2008年に取り決めた日中共通認識である「平和友好の海にしよう」という考え方を中国は守っていく方針だ。
(八牧浩行)
』
『
サーチナニュース 2015-07-25 14:39
http://news.searchina.net/id/1582731?page=1
日本による中国脅威論
・・・「日中関係の改善を妨げる」と駐日中国大使=中国メディア
中国メディア・人民網は24日、中国の程永華駐日大使が23日に日本記者クラブで講演を行うとともに記者からの質問に答え、
「日本による『中国脅威論』の喧伝は、両国関係の改善を妨げる」
とコメントしたことを報じた。
記事は、程大使が日本国内の大手メディアが集まるなかで
「中国が日本をどう見ているか」、
「日本は中国をどう見るべきか」
というテーマで講演を実施、日中関係に問題が頻発している表層的な原因は歴史問題における紛糾と現実的な利害関係の衝突にあり、深層的な原因には
「互いの認知や位置づけが上手くいっておらず、互いの発展をどう見るかという問題が解決されていない」
ことがあると語ったことを伝えた。
また、中国が平和的発展の道を進む強い意志や、中国政府が日中関係の発展を一貫して重視していることを改めて強調し、
「日本も平和的発展の道を堅持し、中国の発展をチャンスと捉えて、関係地域における中国による協力への呼びかけを善意の目で見て、ともに地域の発展に参画することを望む」
としたことを紹介した。
さらに、日本政府が進める安全保障関連法案の問題について程大使が「国際社会が注目する問題」としたうえで、日本が専守防衛方針を改め、中国の権益が損なわれる可能性について中国側が非常に注視しているとコメントしたことを伝えた。
そして、中国はこれまで日本を仮想敵と見なしたことはないとし、
「日本側が一方的に中国の脅威を喧伝し、安全保障関連法案成立の口実にすることは、日中関係の改善を妨げるのみならず、両国間に衝突の種を植え付けることになる」
と危機感を示したとした。
記事はこのほか、程大使が安倍晋三首相の「戦後70周年談話」における歴史問題への言及の有無について中国側が注視していることを明らかにするとともに、東シナ海ガス田問題について「中国の管轄範囲内での話であり、日本が四の五の言う権利はない」と中国政府の立場を改めて示したことを併せて伝えた。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年7月25日(土) 14時47分
http://www.recordchina.co.jp/a114904.html
中国は日本を仮想敵国としたことはない!
駐日大使の主張に
「ならばなぜ毎日抗日ドラマを放送?」
「うそが習慣に…」―中国ネット
2015年7月24日、中国メディアの京華時報は、23日に程永華駐日大使が日本記者クラブで行った講演で、中国は日本を仮想敵国としたことは1度もないと述べたことを伝えた。
京華時報によれば、程大使は、安保法案について中国が高い関心を寄せていることを指摘し、日本が宣伝する中国脅威論は両国関係改善の障害となっていると主張。
「中国は日本を仮想敵国としたことは1度もない」
とも述べたという。
このニュースに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
「でも日本は中国を仮想敵国としているのだが」
「(程大使は)中国人民を代表しているわけではない」
「ならば、なぜ毎日抗日ドラマを放送しているのだ?」
「なぜ日本を仮想敵国にしないのか。
日本こそ最も危険な敵国なのに」
「バカなことを言うな。
直接日本をやっつけてしまえ」
「日本は仮想敵国じゃなくて現実の敵国だからな」
「中国は1931年からずっと日本を敵としているけど」
「わが中国の敵は米国。
日本は足元にも及ばない」
「大使の言う意味は、日本には仮想敵国たる資格もないということ。
米国こそ仮想敵国」
「中国人は米国のことは恐くないけど、
日本人のことは恐いんだよ」
「中国は日本と戦う肝っ玉はないからな」
「うそをつくことが習慣になっちゃっているんですね」
』
【中国の盛流と陰り】
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