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サーチナニュース 2015-06-05 22:21
http://news.searchina.net/id/1576763?page=1
米国「E-2D」早期警戒機
・・・日本が購入するが「中国製より低性能!」=中国メディア
中国の大手ポータルサイト「新浪網」は4日、「日本が米国の早期警戒機を購入するが、中国の『神雕』よりも“落後”している」と題する記事を掲載した。
中国語で「落後(ルオホウ)」は、「遅れていてレベルが低い」の意味で、しばしば使われる語。
記事は冒頭で、米国国務省が「先進型ホークアイ」などとも呼ばれる早期警戒機の「E-2D」4機を売却することを認めたと紹介。
関連装備を含めた取引総額は17億ドル(約2115億3100万円)という。
記事は売却決定に当たって米国当局が
「日本は東アジア地区で主要な政治経済大国」、
「米国が同地区の平和と安定を確保するための鍵となるパートナ-」、
「(E-2Dの売却により)地域の軍事バランスが変化することはない」
などの考えを示したと伝えた。
E-2Dのレーダーについては「300メガヘルツから1ギガヘルツまでのUHF電波を使用」と解説。
同レーダーにより中国の「J-20」、「J-31」、ロシアの「PAK FA(T-50)」、米国の「F-22」、「F-35」を探知することができると紹介し、E-2Dでも探知が難しいのは米国の「B-2」爆撃機など、ステルス性能が極めて高い航空機だけと論じた。
記事が最後の部分で、中国が最近になり試験飛行を行った無人機の「神雕」の索敵能力について、E-2Dと同様の「UHF波レーダーを用いておりアンチ・ステルス能力もある」と主張。
さらに、
「(レーダーの)設計は構造が簡単で使われている技術は高度だ。
Xバンド・レーダーを使用する能力もある」
などの情報があるとして、
「事実であれば、このレーダーは(E-2Dが搭載する)『APY-9』の次世代型ということになる」
と論じた。
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WEDGE Infinity 日本をもっと、考える 2015年06月03日(Wed) 小原凡司 (東京財団研究員・元駐中国防衛駐在官)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5034
拡大する海軍、空軍の活動
南シナ海で中国と米国は衝突コースにある
周辺国を巻き込む可能性
2015年5月26日、中国国防部が、「2015年国防白書」を発表した。
今年発表された国防白書のタイトルは「中国の軍事戦略」である。
中国の国防白書は、概ね2年に一度、発表されている。
前回、2013年に発表された国防白書のタイトルは「中国武装力量の多様化運用」であった。
中国国防部は、2013年の国防白書から、テーマ型の国防白書に変更したとしている。
テーマ別の国防白書になって2回目となる今年の国防白書のテーマが「中国の軍事戦略」という訳だ。
テーマが異なるのだから、当然、内容も異なる。
「具体性を特徴とした」と中国国防部が言う2013年国防白書と異なり、
2015年国防白書には、具体的なデータは記載されていない。
分量も減っている。
しかし、何も読み取れないという訳でもない。
「2015年国防白書」を見れば、中国人民解放軍が大きな変化を遂げようとしていることが理解できる。
米国一極から多極化へ
自信を見せる中国
まず、全体から受ける印象として、
中国が自信を前面に出そうとしている。
これは、これまでに見られなかったことだ。
中国の自信は、前言の最初の文章から現れている。
2013年の国防白書は、「現在、平和と発展はチャンスと挑戦に面している」という書き出しで始まる。
それに比べて、2015年の国防白書は、
「現在の世界は未曽有の大変局に面しており、中国は改革発展の鍵となる段階にいる」
という文章から始まる。
「未曽有の大変局」をもたらしているのが、「中国の台頭」である。
その上で、中国がさらに発展するために、現在の人民解放軍の活動が重要であると言っているのだ。
「1: 安全保障環境」の中にも、中国の自信を見て取れる。
最初に国際社会全体の状況を述べる中で、2013年は「経済のグローバル化、多極化」の順番であったものが、2015年は順番が入れ替わり、「多極化」が「経済のグローバル化」より先に来ている。
中国もロシアも、「多極化」という表現を、米国一極型の国際社会に対抗するものとして使用する。
2015年5月9日にモスクワで実施された、第2次大戦の対ドイツ戦勝70周年記念式典において、プーチン大統領が「一極支配の試みがみられる」と米国を批判したのは記憶に新しい。
この軍事パレードでは、中国の習近平主席がプーチン大統領の隣に座り、中ロ蜜月を強調して見せた。
陸主海従からの脱却
拡大する中国海軍の活動
この自信を基にして、中国軍の活動範囲及び機能等の拡大を示すのである。
中でも目を引くのが、海軍の重視だ。
「3: 積極防御戦略の方針」の中で、「戦争の形態の変化および国家安全保障情勢に基づき…海上軍事闘争および闘争準備を最優先にし…」と述べ、
「4.軍事力量建設発展」では、「伝統的な陸重視・海軽視の考え方を突破し、海洋に関する経済戦略と海洋権益の保護を高度に重視しなければならない」とまで述べている。
元々、中国人民解放軍は陸軍である。
中国の海軍、空軍、第二砲兵は、陸軍の一部という位置づけなのだ。
軍の編成はこの事実をよく表している。
海軍、空軍、第二砲兵のトップである司令員は、人民解放軍(陸軍)の7大軍区の司令員と同格なのだ。
人民解放軍には、陸軍司令員という職は存在しない。
しかし、陸重視から海重視へのシフトは、急激に起こっている訳ではない。
実は、海空軍重視は、胡錦濤元主席も進めてきたものだ。
2004年9月の第16期四中全会において、海軍、空軍及び第二砲兵の司令員が、初めて中央軍事委員に選出されたのはその一例である。
海空軍重視の具現化は、軍内の反応を見ながら、少しずつ進められている。
「近海防御」と「遠海保護」
海軍運用の二分化
中国では、一部のグループに不満をためないように、バランスをとりながら変革を進めるのが普通だ。
「4.軍事力量建設発展」でも、陸軍、海軍、空軍、第二砲兵、武警それぞれについて、戦略の変化が述べられている。
しかし、明らかな活動範囲の拡大を示しているのは、海軍と空軍である。
海軍は、「『近海防御』から『近海防御と遠海保護の結合型』への転換」が求められている。
近海防御は、1980年代から、中国海軍の父とも呼ばれる劉華清が指示してきたものだ。
近海とは、第一列島線内外までの海域を指している。
西太平洋の一部も含まれる。
中国の本土防衛に直接関わる部分だ。
一方の遠海保護は、中国の経済活動の拡大に伴って、社会経済の発展を保障するために、世界規模で戦略的任務を遂行するものである。
こちらは、主として、軍事プレゼンスによるものだ。
すでに、中国海軍は、ソマリア沖アデン湾において、海賊対処活動に参加し、これを足掛かりに、ヨーロッパ諸国に親善訪問を実施し、地中海において中ロ海軍共同演習も実施している。
海軍運用の二分化が、国防白書にも明記された形である。
中国の本土防衛とともに世界各地に空母戦闘群を展開するために、引き続き、多くの予算が配分されることになる。
ちなみに、米海軍では空母戦闘群と呼ぶのを止め、空母打撃群と呼んでいるが、中国では一般的に空母戦闘群という呼称が用いられている。
海軍ともに活動範囲の拡大が明記される空軍
国土防空から攻防兼備へ
国防白書の中で、海軍とともに、活動範囲の拡大が明記されているのが空軍である。
空軍は、国土防空型から攻防兼備型への転換が求められている。
また、空軍がカバーする範囲が、空中と宇宙を一体化した範囲であると明記された。
2013年国防白書では、空軍は「空中作戦行動の主体」であるとされている。
2014年4月に、習近平主席が空軍に対して行った講話の中の、「空軍は、空中及び宇宙における戦闘力を向上させなければならない」という指示が反映されているのだ。
ところで、「攻防兼備」の「攻」は、現段階では、必ずしも、米国本土を攻撃する能力を含んでいない。
国防白書の中で、空挺作戦能力や戦略的兵力輸送能力の向上が指示されているが、輸送されて陸上戦闘を展開する陸軍に関する記述の中に、それだけの能力が含まれていないのだ。
陸軍に関する記述は、主として陸軍内の統合作戦能力の向上を指示するものだ。
「地域防衛型から全域機動型への転換を実現する」という「全域」は、世界ではなく中国全土を意味している。
2014年7月から3カ月にわたって行われた軍事演習は、部隊を全国に展開する訓練を重要な演練項目としていた。
さらに、国防白書は、「小型化、多機能化、モジュール化の歩みを加速する」としている。
陸軍は、拡大ではなく、効率化を求められているのだと言える。
しかし、モジュール化して機動力を向上させることは、他国に展開する能力の向上にもつながる。
戦略ミサイル部隊である第二砲兵は、特に顕著な拡大や変化が求められている訳ではない。
毛沢東は、すでに1950年代には核抑止の重要性を説き、核兵器や戦略原潜の開発・配備を指示している。
第二砲兵は、1984年までその存在が秘密にされ、他の軍種が、中央軍事委員会が指導する四総部(総政治部、総参謀部、総装備部、総後勤部)の管理・指揮を受けるのに対し、中央軍事委員会の指揮を直接受ける。
そもそも、核兵力は特別に扱われてきたのだ。
対米核抑止を担うその地位に変わりはない。
南シナ海で中国と米国は衝突コースにある
周辺国を巻き込む可能性
国防白書の中に「軍事闘争準備」が挙げられていることから、中国が武力行使を考え始めたと捉える向きもある。
しかし、内容を見ると、2012年末に習主席が人民解放軍に対して行った「戦えるようになれ、勝てる戦いをしろ」という指示を実現しろ、という意味であることが理解できる。
「戦争準備」は、2013年の国防白書にも明記されている。
習主席の指示が2012年であるから、当然、反映されているのだ。
しかし、たとえ中国が今すぐに戦争を起こす意図がないといしても、安心していて良いわけではない。
中国は、もはや、自らが台頭していることを否定しない。
今後、国際社会の中で主要な位置を占めることを自認し、他国にも認めさせようとしている。
戦後70周年の軍事パレードも、国際社会において中国が主導的位置を占めることの正統性を示すためのものだ。
実力をつけつつある中国は、南シナ海で米国との衝突コースにいる。
米中とも、南シナ海における双方の主張が自国の安全保障の根幹に関わるものだけに譲ることはできない。
台頭する中国は、米国との対立を鮮明にし、周辺諸国を巻き込んだ衝突を起こすかもしれない。
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【中国の盛流と陰り】