『
ブルームバーグ 2015/06/17 10:07 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NQ2BN56KLVRO01.html
中国株めぐる議論:もはやバブルか否かでなく、いつ破裂するか
(ブルームバーグ):
もはや中国株式相場 の上昇がバブルかどうかではない。
問題はバブルがいつ破裂するかだ。
こう指摘する市場関係者が増えている。
中国株のバリュエーション(株価評価)は一部の尺度で測ると、2007年にみられた中国株式相場への熱狂のピーク時の水準を既に上回っている。
交銀国際は16日、
過去800年間の世界のバブルに関する分析を基に、中国株式相場 が半年以内に大幅下落する可能性がある
と指摘。
マッコーリー・インベストメント・マネジメントは中国本土株に対して7年ぶりに弱気姿勢に転じ、既に本土株のエクスポージャーを減らしている。
同社のアジア株ファンド は今年これまでのところ、同種ファンドのほぼ全てを上回るパフォーマンスを示している。
CLSA はバリュエーションがさらに大きく上昇すれば、当局が相場調整に乗り出す可能性があるとみている。
交銀国際の中国担当チーフストラテジスト、洪灝氏(香港在勤)はブルームバーグとのインタビューで、
「非常にボラティリティ(変動性)の高い時期を経過した後、最終的には相場の大幅下落が起きるだろう」
と予想。
「中国株がバブル状態にあるのは明らかだ」
と述べた。
信用取引 が過去最大規模に膨らみ、株式投資の初心者が記録的な数となる中で、中国株式相場の時価総額は9兆8000億ドル(約1210兆円)と、この1年で3倍になった。
本土の証券取引所上場株の平均的な予想株価収益率(PER)は84倍。
上海総合指数が史上最高値を付けた07年10月時点に比べて約2倍割高な水準にある。
原題:China Bubble Debate Turns to When, Not If, Stocks Will Tumble(抜粋)
』
2015.6.11(木) Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44008
中国が株式バブルを膨らませている理由
投資主導の高度成長からの転換期、
バブルを助長する狙いは・・・
(2015年6月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
バブルはいろいろな形で現れる。
しかし、興味深いのは、容易でない経済の移行を推進しようとする時に副産物として発生するケースが非常に多いことだ。
実際、1920年代末期の米国株式市場の上昇は、それまで英国が担っていた世界の覇権国としての役割を引き継ぐ方向に米国がよろよろと歩みを進めていた時期のことだった。
1980年代の日本で不動産・株式バブルが発生したのも、先進国に追いつく局面では非常によく機能した輸出主導の成長モデルが経済大国になったことで有効性を失った時のことだった。
今日の中国も同じである。
最初に発生した不動産バブルと始まって間もない株式バブルは、投資主導の経済成長から消費の比重が大きい経済成長に移行しなければならない経済における不均衡と大いに関係がある。
そのような移行は容易ではない。
なぜなら、既得権益と衝突するからだ。
■あえて投資家を煽る中国当局
中国の地方政府の幹部たちは、インフラ整備投資の資金調達が簡単に行えることやそれに伴う土地の収用から大きな利益を手にしてきた。
国有企業も同じ甘い汁を吸ってきた。
公的セクターには、現在の仕組みがとてつもなく心地よいと考えている者がどの階層にもいる。
また、効果的な移行のカギである自由化は、共産党の権力を侵食するだけだ。
改革が必要だと見ている共産党幹部たちは、中国経済の最近の停滞がもたらす別の困難にも直面している。
共産党は高い経済成長を達成することでその正統性を確保している
ため、幹部たちはプレッシャーを感じているのだ。
この問題は、生産能力の余剰に苦しむ産業やインフラ整備事業に資金を投入すれば簡単に解決できる。
ただそのためには、バブルを発生させ、国の借金をさらに積み上げ、オーストリア学派の経済学者が言う「マルインベストメント(誤投資)」に大量の資源を振り向けるというコストを払わねばならない。
しかし、中国大陸の株式市場の盛り上がりが尋常でないところが1つある。
これは政策の意図せざる結果などではない。
当局は、極端に割高なバリュエーションを正当化する記事を国営の新聞に掲載させ、投資家を煽っているのだ。
中国人民銀行(中央銀行)は利下げに余念がない。
その効果はてきめんだ。
世界の大手銀行のクラブである国際金融協会(IIF)によれば、中国の個人投資家の信用買いによる株式投資は今年に入って85%近く増加し、4000億ドルという記録的な水準に達しているという。
なぜ北京のあのチャーミングな幹部たちはバブルを助長したがるのだろうか。
読者はそんな疑問を抱くかもしれない。
投資ブームの結果、今日では多くの国有企業が赤字になっている。
その一方で、国有銀行は過大な貸出を行ってきた。
当局は現在、契約どおりの返済が見込めないにもかかわらず、さらに貸出を行うよう銀行に促している。
■狙いは国有企業の資本再構成
追い貸しをして問題がないふりをする
――この危険なゲームからリスクを取り除く最も分かりやすい方法は、国有企業セクターの資本再構成である。
バブルで企業価値が過大に評価されていれば、そうでない場合よりも容易かつ安価に行えるだろう。
また、外国人投資家による中国本土A株市場への投資は今よりも行いやすくなりそうだ。
中国の資金が外国に流れ出ている一方で、外国人は中国市場への投資解禁を強く望んでいる。
調査会社EPFRによれば、外国の機関投資家がこのところ敬遠してきた市場への警戒感は弱り始めているという。
米国の株価指数算出会社MSCIが算出する新興国株指数に中国本土A株を組み入れるべきか否かという議論があることは、MSCIがどんな決定を今週下すかに関係なく、中国株市場に投資せざるを得ない投資家が近々増えることを示唆している。
北京の当局者にしてみれば、これは願ってもないことだ。
■世界最大の企業統治危機を抱える国
この議論はまた、パッシブ運用が悪行を働く人々に報酬を与えてしまう可能性があることも示している。
何と言っても中国は、世界最大のコーポレートガバナンス(企業統治)危機を抱える国なのだ。
この国では、
★.誠実な会計処理が行われるようにするための証券法が執行されていないこと、
★.国有企業で利益相反が横行していること、
★.関連当事者との取引が悪用されていること、
★.財産権の制度に深刻な欠陥があること
などが数々のスキャンダルの発生で浮き彫りにされている。
中国本土A株を組み入れた
インデックスファンドに投資する投資家は、本当に価値のない企業にも投資してしまうことになる
だろう。
そうした企業が増資を行えば、その投資の割合はさらに大きくなってしまう。
追い貸しをして問題がないふりをするゲームは、
毒入りの小包を順々に手渡すゲームに変わっていく
のだ。
西側諸国ではこれまで、中国のバブル収縮の可能性はほとんど懸念されてこなかった。
バブルの原資は中国国内の貯蓄だったからだ。
しかし、この構図は変わりつつある。
自由化が進むにつれ、中国のバブル収縮の影響が伝染し得る範囲も拡大していくことになる。
中国と先進国市場は、金融の面で今まで以上に気詰まりな関係になっていきそうだ。
By John Plender
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』
『
ダイヤモンド・オンライン 2015年6月12日
岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
http://diamond.jp/articles/-/73100
いつ弾けてもおかしくない!
中国株バブルがヤバい
中国経済というと、日本でよく報道されるのは不動産の市況悪化や経済成長率の減速です。
実際、中国の経済成長率は今年の第1四半期に7%と1990年以降でもっとも低い数字となっており、輸出入のデータからは第2四半期は経済成長が更にスローダウンしたのではと懸念されています。
しかし、中国ではこのように実体経済がスローダウンする一方で、金融市場では株式投資バブルが起きており、“かなりヤバい水準”にまで来ているのではという報道が海外では増えてきています。
このバブルが遠からず崩壊する可能性があるとしたら、安倍政権の経済運営にとって大きなリスク要因になるのではないでしょうか。
■1年で平均株価2.5倍上昇
過熱する上海市場
●かつてない株価の上昇で熱気を帯びている上海。バブルはいつまで続くのか
実際、上海市場の平均株価(上海総合指数)は過去1年間でなんと2.5倍も上昇し、先週は2008年以来久しぶりに5000を超えました。
この事実だけでも株式投資バブルの発生を疑うには十分なのですが、海外の報道を見ていると、その内実は呆れるくらいに危機的なものを感じます。
そもそもこの株式投資バブルのきっかけは
度重なる金融緩和と財政出動にある
と言われていますが、それが今後も続くだろうという予測の下、
金利が低下する中で中国の機関投資家は40兆円(!)もの銀行借り入れをして株式投資を行なっている
とのことです。
しかし、それより凄いのは上海市場での株取引の80%を占める個人投資家で、銀行預金や債券投資を引き揚げ、更には銀行から借り入れまでして全財産を株に突っ込んでいる人も多いようです。
素人の個人投資家もこの千歳一隅の儲けの機会を逃すまいと大挙して株式市場に押し寄せているとのことです。
実際、5月の最終週の5日間だけで、中国では株式取引の新規口座開設数がなんと440万件に上ったそうです。
上海の路上で物売りをしている人が、屋台の陰でパソコンを開いて株取引に勤しんでいる姿も有名になりました。
また、IPO(新規株式公開)バブルも発生しており、6月第1週の5日間で23の企業が株式を公開したのですが、その23社合計で4兆9000億元(98兆円!)もの入札があったそうです。
ちなみに、上海市場では今年に入ってからIPOを行なった企業の数は144あるそうですが、それらの企業の株価は平均して公開価格の6倍(!)に跳ね上がり、少なくとも56兆元(110兆円!)の資金を調達したそうです。
■株価のためなら社名も本業も変える!
何でもありの中で過熱する株価
もちろん、まだ中国の株式市場はまだバブルとは言えないという意見もあります。
例えば、株式時価総額はまだ中国のGDPの87%の水準に過ぎず、1929年の世界大恐慌時の米国(200%)、1989年のバブル崩壊時の日本(140%)と比べると今の中国はまだ比較的低い水準にあるからです。
しかし、中国版NASDAQとも言われる新興企業向け市場ChiNext(“創業板”)の株価指数が、そこに上場している企業の昨年の平均収益の140倍に達していることなどを考えると、やはり中国では株式投資バブルが発生していると考えるべきではないでしょうか。
かつ、市場の過熱が投資家の側のみならず、株式を上場する企業の側の常軌を逸した行動も誘発していることに留意すべきです。
例えば、ロンドン・エコノミストの報道によると、住宅のフローリングを本業に上場しているある会社は、中国の住宅バブルの崩壊で業績が悪化する中で、突如3月に本業をフローリングとは縁もゆかりもないオンラインゲームに変えるとともに、会社の名前まで変えてしまいました。
そして凄いのは、それを受けてその会社の株価が短期間で2倍に跳ね上がったことです。
ハイテク企業へのなりすましが功を奏したと言えます。
もちろん、そんなうまい話が長く続くはずもなく、中国の国営放送CCTVが、その会社も含め、いくつかの企業が偽装して株価を吊り上げていると批判しました。
ただ、それでも上海市場では今年に入ってから既に少なくとも80の会社が、上場を維持したまま社名と本業を変えているとのことです。
ホテルグループが高速鉄道会社になり、暖炉の会社がマイクロファイナンスの会社に、セラミックの会社が再生エネルギーの会社にと、もう何でもありで、ハイテク企業への“変身”ばかりであることから、中国経済の構造変化への対応よりも株価を意識したものであると考えられています。
■「年内にはバブルが弾ける」との声も
そして、気になるのは、香港に拠点を置くヘッジファンドから、中国の株式投資バブルの過熱ぶりは尋常ではなく、早ければ年内にこのバブルが弾けてもおかしくないという声が出はじめていることです。
それでなくても成長がスローダウンする中で株式投資バブルも弾けたら、中国の実体経済は更に悪くなるはずです。
そして、それは当然ながら日本の実体経済と金融市場の双方に甚大な影響を及ぼすでしょう。
今の日本経済は金融緩和と財政出動で底上げされているだけですし、株価上昇にしても金融緩和やGPIFの効果が大きいことを考えると、本当の意味で日本経済が強くなったとはとても言えないからです。
日本ではまだそこまで詳しく報道されていませんが、そろそろ政権も企業も個人も、この中国の株式投資バブルの崩壊のリスクを意識する必要があるのではないでしょうか。
』
『
サーチナニュース 2015/06/15(月) 06:32
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0615&f=business_0615_003.shtml
中国は韓国の「二の舞」?
・・・「経済崩壊の道」歩むのか=中国メディア
中国のポータルサイト「古漢台」はこのほど
「中国経済はまさに韓国の後塵を拝するのか」
と題する論説を掲載した。
中国では自国経済について
「1990年代にバブルが崩壊した日本と同様の道を歩むのでは」
との観測があるが、論説は「むしろ韓国と比較すべき」と主張した。
記事は「韓国経済は1997年に崩壊した」と指摘。
原因は、一族経営を行う大企業が、深刻な債務超過に陥ったからとした。
韓国政府は税制などを通じて、企業の債務を消費者に転嫁する方法を採用。
愛国心に訴える巧みな宣伝で、負担を国民に押し付けた。
記事は、韓国の家庭の債務が累計で国内総生産(GDP)の81%と米国やドイツ、中国と比べても極めて高い水準になったことが、世界経済の低迷の影響を極めて受けやすいことにつながったと主張した。
記事は次に、中国で株価が高騰したことに着目した。
上海総合指数の上海総合指数日足チャート は過去12カ月に141%、深セン総合指数は188%上昇したと指摘。
最大の受益者は金融機関を含めた企業で、株式発行など手段も含めて、バランスシートを改善させた。
しかし、何らかの原因で株価が下落したらどうなるのか。記事は、中国政府は「(個人)投資家は株価下落の負担に耐えられるだろう」という“賭け”に出ているとの見方を示した。ただしその場合、一般庶民が1940年代に「悪性インフレ」に直面したのと同様の状況に陥ると主張した(解説参照)。
記事は、企業を救済するために負担を家計に押し付けることは、中国政府にとって極めて楽な方法と指摘。
さらに
「清算の日が近づいている兆候も見え始めた」
と主張。
例として、5月28日は上海総合指数の上海総合指数日足チャート が落ち込んだことを挙げた。
中国の個人投資家も、株価が毎日高騰しつづけることはありえないと、冷静になりはじめたという。
記事は、韓国では1997年の経済危機に際して、財務状況の改善が見込めない企業は倒産させ、同時に企業の透明度を向上させ、経済の自由化も進めたと指摘。
中国もこの点は見習うべきだと主張した。
**********
◆解説◆
中国では1930年代末から40年代にかけてハイパーインフレが発生した。
しかも国民党政権は極端に腐敗していた。
中国共産党はそれまで農村部を中心に勢力を伸ばしていたが、都市部でも共産党支持者が急増した。
国共内戦で共産党が勝利した本質は、経済運営に失敗した国民党の自滅だったとも言える。
上記記事は、
中国当局が国民に負担を過度に押し付けた場合、政権を揺るがす事態にもなりかねない
と指摘したとも読める。
ただし、株価の暴落が悪性インフレにつながるメカニズムについては説明していない。
』
『
JB Press 2015.6.17(水) 金刻羽
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44042
中国の雇用なき成長の奇跡
中国の李克強首相は最近、雇用創出が中国の「経済成長の安定という究極の目標」にとって極めて重要だと述べた。
李首相の見解はこれ以上ないほど的確だ。
実際、中国の経済発展の最も不可解な特徴の1つは、2ケタの国内総生産(GDP)成長の最中でさえ、雇用は1978年から2004年にかけて年率平均わずか1.8%しか伸びなかったことだ。
家計は、どうやら、中国の経済発展の恩恵を概ね逃してしまったようだ。
GDPの伸びと雇用増の不一致に対する表面的な説明は、このギャップの原因を非効率な国有企業(SOE)のリストラのせいにする。
SOEのリストラの結果、公的部門の雇用は1995年から2004年にかけて、1億1260万人から6700万人に急減した。
だが、もっと根本的な原因がある。
中国の工業化に対する偏重がそれだ。
■工業化への偏重
中国政府は長年、工業化を近代化のカギと見なしてきた。
毛沢東の大躍進政策の時代には、極めて楽観的な鉄鋼生産目標を達成し、ひいては急速な工業発展に拍車をかけるために金属くずが溶解された。
現在、中国政府は、投資を促すとともに税収を生み出すことによって中国経済が――もはや無謀ではないが――野心的な成長目標を達成できるようにする産業・インフラプロジェクトを促進している。
問題は、製造業部門が雇用創出にほとんど貢献しないことだ。
それは主として、製造業部門の比較的高い生産性の伸び――過去20年で平均して年率10%を超す――が労働力に対する需要の増加を抑制しているためだ。
これに対し、中国のサービス部門の生産性の伸びは年間5%程度にとどまっており、それゆえ、同部門は製造業よりはるかに効果的な雇用創出エンジンとなっている。
実際、大半の先進国ではサービス産業が雇用の大部分を担っている。
だが、2012年に米国の労働者の80%がサービス産業で雇われていたのに対して、
サービス産業に従事する中国の労働者はわずか36%だった。
サービス業の雇用を拡大するために、中国政府は規制のグリップを緩め、通信のような分野への参入障壁を緩和し、労働者の移動性を促さなければならない。
中国が工業生産に置く重点は、別の面でも問題がある。
主に政府の政策がもたらした歪みのせいで、極めて資本集約的なのだ。
■政府の介入が民間企業の成長を阻害
金利を市場水準より低く抑えただけでなく、中国政府は自動車、機械、鉄鋼産業などに低利融資に対する優先的なアクセスや税の優遇措置、公共投資の支援を与えた。
このような政策は企業に資本集約的な技術を導入するよう促し、労働力の本来の比較優位を覆い隠してしまった。
同時に、政府の介入は融資へのアクセスを妨げることで民間企業の成長を制限した。
SOEは労働人口全体の13%を雇用し、GDPの約30%に寄与しているだけだが、投資全体の半分を吸収している。
銀行と政府は合計でSOEの投資のほぼ35%を提供しているが、民間企業の投資の10%程度しか提供していない。
だが、民間企業はSOE――利用する資本が民間企業のほぼ4倍に上る――よりかなり労働集約的であり、それゆえ、この数十年間の中国の雇用創出の大半を担ってきた。
公式民間セクターは雇用を年平均10.4%増加させ、1995年から2004年にかけてのSEOの人員削減の一部を補った。
非公式部門はさらに急速な成長を遂げ、起点が低いとはいえ、年率24%の伸びを記録している。
繁栄し、急拡大する民間部門の明らかな恩恵を考慮すると、中国政府は、そうした民間企業――特に、信用市場からあまりに頻繁に押し出されてしまっている中小企業――が事業拡大に必要な資本を確実に手に入れられるようにする方策を講じるべきだ。
そうすれば必然的に、雇用創出が急増するはずだ。
■中国経済の気まずい真実
気まずい真実は、中国の家計が国の経済成長の奇跡からあまりにわずかしか恩恵を受けていないことだ。
実際、国民所得に占める家計のシェアは過去10年間で大幅に低下しており、家計のシェアが一貫して高い先進諸国と好対照を成している。
民間企業が繁栄するのを容認し、サービス志向型経済への移行を促すことによって、中国政府は雇用の増加を支え、ひいては内需を拡大させられるだろう。
李克強首相が理解しているように見えるように、中国市民の福祉を向上するためだけでなく、世界的な不確実性が著しい時代に経済的、社会的安定を強化するためにも、構造的リバランスが必要なのだ。
© Project Syndicate, 2015.
www.project-syndicate.org
』
『
ロイター 2015年 06月 18日 09:28 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0OX2WV20150618
コラム:中国株が再びたどる「バブル崩壊」への道
Peter Thal Larsen
[香港 17日 ロイターBreakingviews] -
「今回は違う」──。
これは、金融市場で最も危険な言葉だ。
時価総額が初の10兆ドルを超えた中国株の高騰は、2006─08年のバブルとその崩壊を想起させる。
相場のテーマは当時と重なるものが多く、前回よりはハッピーエンドになると示唆する違いはそれほどない。
現在の中国株の上昇ペースは急だが、前回に比べると目まいを覚えるほどではない。
中国の優良株で構成するCSI300指数は今月8日に直近の高値を付けたが、過去1年の上昇率は約150%だった。
同指数は2007年10月に過去最高値を付けたが、その前の1年間では4倍に跳ね上がっていた。
とはいえ、今回の相場高騰には前回と似た側面もある。
個人投資家が再び投機の先頭立っていることだ。
市場で売買されている浮動株のうち、個人投資家の保有率は約3分の2に上る。
農家の人や退職者、実業家たちが一斉に「ゴールドラッシュ」に参加している。
企業改革への期待感も、株式ブームに拍車をかけている。
10年前、政府は企業の所有構造を変え、最大手銀行の株式を上場させた。
これにより、企業が株主を優遇するようになるとの期待が高まった。
現在、投資家は、交通銀行など国有銀行の株式を個人投資家がより多く持てるようになるとの漠然とした期待に熱を上げている。
国の支援に対する信頼も戻っている。
投資家は前回、2008年の北京五輪を控えて政府が市場にてこ入れすると誤解した。
今回は、国営メディアでの株高容認コメントを買い継続の合図と解釈している。
株価バリュエーションは再びストレッチしつつある。
データストリームによると、上海株の予想株価収益率(PER)は平均18倍と、2007年に比べるとまだ半分の水準。
しかし、深セン株は前回の株式ブーム時よりも高い水準で推移している。
当時との相違点もまた厄介だ。
2007年の中国の国内総生産(GDP)伸び率は14%だった。
2015年は、その半分の伸びにとどまるだろう。
また、レバレッジの問題もある。
証券会社が提供する信用取引融資は2兆元を突破している。
2007年から2008年にかけ、中国株は13カ月もたたないうちに上昇分のほぼすべてを失った。
「今回は違う」と信じるに足る十分な理由はあまりない。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年6月20日(土) 22時50分
http://www.recordchina.co.jp/a112005.html
お金返して!
株暴落で悲鳴をあげる個人投資家―中国
2015年6月19日、騰訊網は記事「株価暴落、上海総合指数は7年ぶりの週間下げ幅」を掲載した。
昨秋以来急騰を続けてきた中国株式市場に動揺が走っている。
上海総合指数は6月5日に5000点台を突破、年初の約2倍という高値をつけた。
しかし6月第3週は続落し、前週比13%マイナスの4478点にまで下がっている。
2008年の金融危機以来の週間下げ幅となった。
以下は中国ネットユーザーの反応。
「死屍累々やね」
「もう株には手を出さないので、元金を返してもらえないでしょうか(涙)」
「6月20日は端午節。
川に飛び込んで死んだ屈原を記念する日だ。
株価も屈原をしのんで川流れしているんだよ!」
「今週だけで資産が25%以上減ったやつは挙手!」
「みんな落ち込むなよ!
俺の持ち株は下がってないから」
「不動産価格もこれぐらいの勢いで下がったらいいのに」
「今年頭から株を始めた。3
万元の元手が3万6000元まで上がったんだけどさ、今日の下げで3万23元に。
半年で23元も稼いだ俺を褒めてくれ」
』
『
ロイター 2015年 06月 22日 17:24 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P20QY20150622
急落する中国株、「インバウンド消費」への冷水警戒
[東京 22日 ロイター] -
日本の国内消費を支える「インバウンド消費」に、減速警戒感が強まっている。
バブル的様相を示していた中国株が急落。
高値からの下落率が本格調整のめどとなる10%を超えてきた。
中国株がさらに下落し、消費ムードに水を差せば、海外旅行や日本国内でのいわゆる「爆買い」に影響が出る可能性もある。
<本格調整入りめどの10%超える下落>
面白いデータがある。
中国からの訪日観光客の出身別地域と、株式投資の含み益の比較だ。
来日観光客の出身別では、2013年7─9月時点で、
上海が25%、
北京16%、
広東11%
の順となっている。
一方、今年1─4月の株式含み益は
上海地区の株式保有者が15万元でトップ、
2番目が北京の8万元(広東は浙江に次いで4番目)
と、ともに1位、2位が同じ都市となっている。
入手可能なデータの違いで比較する時点が異なるほか、大都市から多くの観光客が来日するのは当然とも言えるが、このデータに注目するSMBC日興証券・金融経済調査部シニアエコノミストの肖敏捷氏は、中国株が急落すれば来日観光客の中心である大都市層の「懐」に、多少なりとも影響が出る可能性があると警戒する。
上海総合指数.SSECは前週19日の市場で6%を超える大幅安となった。
6月12日に付けた7年半ぶりの高値5178ポイントからの下落率は13%となり、本格調整入りのめどといわれる10%を割り込んできた。
年初からみれば、依然として38%高の水準にあるが、このまま急落が続けば「逆資産効果」への懸念が強まる。
肖氏によると、中国では今こんなブラックジョークが流行っている。
「株が急落すると、
朝までの下落ならなら、お土産はなし、
昼までなら海外旅行はなし、
夕方までなら、パパはなし(帰ってこない)」。
それだけ中国株の急落が庶民の話題になっているということだろう。
<所得水準上昇で底堅い消費>
ただ、中国経済が、これまでの株価の上昇でバブル的な活況を呈していたわけではない。
消費は小売売上高が5月まで3カ月連続で前年比10%を超える増加となり、比較的堅調だが、
国内総生産(GDP)成長率は投資の減速で7%台に減速。
反動はそれほど大きくならない可能性がある。
また、中国人の消費や海外旅行を押し上げているのは、株高よりも所得水準の上昇とみられている。
国民の平均的な所得水準を示す1人当たり国民総生産(GDP)は、2014年の4万6652元(1元=20円で約93万円)と10年前の約3.8倍に増加している。
円安も中国観光客の「爆買い」を誘っている。
いわゆるアベノミクス相場が始まる前は1人民元13円程度だったが、今や20円程度と約54%上昇した。
中国人からみれば、円が54%減価し、かつて1000円だった日本の商品が500円程度で買える印象だろう。
さらに昨年は中国から240万人が来日したが、中国の海外旅行者全体の2%に過ぎない。
香港へは4000万人が訪れており、訪日中国人の増加余地は大きいといえる。
その意味で「インバウンド消費」は始まったばかりの可能性が高い。
だが、中国における株式市場のインパクトが。
日々大きくなっているのも事実だ。
中国の個人金融資産に占める株式保有比率は、2012年で10%程度(中国住民収入分配年度報告)だったが、足元の株ブームで口座数は急増。
中国証券登記結算(CSDC)のデータによると、上海と深センの両市場で今年5月の株式口座開設数は、1200万口座を超えている。
<日本株市場でもインバウンド関連株が人気>
日本人投資家の中国株の保有額は10億ドル程度とみられ、それほど大きいわけではない。
センチメントには影響を与えるかもしれないが、中国株の急落を受け、日本株を投げ売りする必要性に迫られる投資家は少ないとみられている。
しかし、日経平均.N225が15年ぶり高値に達した日本株の中身をみると、輸出株がさえない一方で、内需株が支えている。
年初からの値上がり率上位銘柄には、コーセーなどインバウンド消費関連株が多数占める。
中国からのインバウンド消費がどうなるかは、日本株市場にとっても大きな問題だ。
5月の全国百貨店売上高は、店舗数調整後で前年比6.3%増の4886億円と大きなプラス。
中でも訪日外国人売上は、中国や韓国、ASEAN諸国からの旅行客数が増加したことから、前年比266.4%増と、過去最高の伸びを記録した。
その中でも使うお金は中国が断トツだ。
2014年でみると、旅行者数は台湾や韓国の方が中国より多かったが、旅行支出額は中国が5583億円と全体の4分の1以上を占める。
1人当たりでみても、中国は23万1753円と、
韓国の7万5852円や
台湾の12万5248円
を大きく引き離している
(トップはベトナムの23万7814円)。
海外旅行客のための宿泊所が足りない、接客する人が足りないとして、非製造業の設備投資や雇用も増加。
日本に経済の好循環をもたらしているのは、実はインバウンド消費の占める要素が大きい。
インバウンド消費が減速してしまえば、日本の経済自体の好循環が止まってしまいかねない。
中国株の行方はアベノミクスの先行きを占うキーポイントでもある。
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サーチナニュース 2015/06/23(火) 06:32
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0623&f=business_0623_008.shtml
中国で「バブル崩壊」!?
危険信号、株価の動きに=中国メディア
中国メディアのFX168は19日、中国株式市場で最近、大幅な下落が続いていることについて、クレディ・スイス中国証券研究主管の陳昌華氏が18日、今後6カ月以内に中国株式市場のバブルは崩壊する恐れがあると指摘したことを紹介した。
記事は、中国元で取引される中国A株が最近、午前中に大幅に下落し、午後に反発するという動きを繰り返していることを指摘し、陳昌華氏が
「市場で大きな分岐が起きていることを示す」
と述べたことを紹介し、中国株式市場は今後大幅な調整を余儀なくされるとの見方を示したことを紹介した。
さらに、上海総合株価指数が20%下落しても「極めて正常な状況にある」と指摘。
インターネット・バブルが崩壊する直前の2000年ごろにも、香港や米国の株式市場で
「現在の中国株式市場と同じ状況が見られた」
と指摘し、市場のボラティリティが大きくなり、大幅な株価の修正が頻繁に起きるのは「危険信号」だと論じた。
また、クレディ・スイス側は
「中国株式市場の強気相場はいつでも終わる可能性がある」
と見ていることを指摘し、深セン証券取引所の新興企業向け市場「創業板」指数の実績ベースの株価収益率(PER)は約115倍に達し、深セン総合は約71倍、上海総合は約24倍に達しており、過熱感があることを指摘した。
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ロイター 2015年 06月 17日 12:32 JST
http://jp.reuters.com/article/TopicsComprehensiveAttentionEconomy/idJP00093300_20150617_00920150617?rpc=223
中国:百貨店が閉店ラッシュ、経営不振で「負の連鎖」も
経営不振の波が中国の百貨店業界を襲っている。
首都の北京市を始めとして天津市や山東省、安徽省など各地で大型商業施設の閉鎖が相次いだ。
中国百貨商業協会のまとめによれば、加盟百貨店101店の売り場面積は、2014年通年で1619万平方メートルも縮小したという。
業績の悪化も目立つ。
101店の主力事業による利益、税引前利益はそろって15%以上の減少を強いられている。
経済参考報が16日付で伝えた。
「建国後の百貨店第1号」と称される王府井百貨。
14年7月に広東省の湛江門店を閉鎖し、年末には100%子会社の株洲王府井百貨を売却した。
輝かしい過去の姿とは対照的に、経営の縮小に歯止めがかからない。
天津市屈指の繁華街「和平路」でも、天津遠江百貨や津楽匯など、閉鎖に追い込まれた百貨店が後を絶たない状況だ。
中国資本にとどまらず、マレーシア系百盛百貨(パークソン)や、日本のイトキン(伊都錦)など、外資勢も苦戦している。
今年3月に開業11年目を迎えた天津百盛が閉店。
グループでは、14年5月に済南百盛(山東省)、13年8月に石家荘百盛(河南省)なども閉鎖されている。
中国で事業規模を広げてきた百盛百貨は、拡大路線の修正を余儀なくされた格好だ。
そろって苦境に立たされた背景には、小売市場の競争激化などが指摘されている。
電子商取引(Eコマース)や大型ショッピングモールの台頭で消費形態が多様化。
一方、百貨店はここ数年、商品や店舗の同質化が進んでいる。
消費者にとって百貨店の魅力が薄れ、客離れを招いた。
さらに、人件費や店舗の維持コストの上昇も、百貨店の業績悪化に拍車をかけている。
この百貨店不況が引き起こす負の連鎖に、一部の専門家は警戒感を隠さない。
長期化すれば、社会全体にマイナス影響を及ぼしかねないためだ。
リストラにともなう失業者の増加に加え、賃料の滞納、回収不能の売掛金の増加など、不動産業やサプライチェーンまで波及する恐れもあると懸念している。
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【中国の盛流と陰り】