2015年6月19日金曜日

日米台「国交」回復が始まった:見限られる馬英九と習近平、台湾奪取の模擬市街戦演習

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ニューズウイーク 2015年6月19日(金)11時36分 
[2015年6月23日号掲載] 楊海英(本誌コラムニスト)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/06/post-3708.php

見限られる馬英九と習近平、米台「国交」回復が始まった
米台両軍の急接近と民進党主席への異例の厚遇
──オバマの台湾リバランスに日本も乗り遅れるな

 
●主役交代 米政府の厚遇を受けた蔡英文民進党主席 Pichi Chuang-REUTERS

「広大な太平洋には米中2大国を収容する、十分なスペースがある」──。

 中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は何回もアメリカに語り掛けている。
  あたかも太平洋には米中2国しかないような厚顔無恥な言い方に、世界はあきれ顔だ。

 なかでも、中華民国台湾は強い危機感を抱いている。
 孤島を拠点とする弱小政権が、南シナ海と東シナ海の怒濤に埋没しないよう懸命に世界にアピールしている。
 日米ともフィリピンやベトナムとの関係構築には熱心なようだが、台湾の存在を忘れてはいけない。

 台湾は対岸の中国福建省からのミサイル攻撃の危険にさらされているだけではない。
 何よりも馬英九(マー・インチウ)総統の対中融和政策が国家そのものを存亡の危機に自ら追い込んでいる。
 「内部から腐っている」と台湾人が表現する国民党政権は、現状維持よりも「平和的統一」に傾斜している。
 馬の統帥下で、軍上層部が中国のスパイに情報を漏洩するスキャンダルは後を絶たない。
 有識者と野党民進党が繰り返し警鐘を鳴らしても反応の鈍い現政権を見限るようなシグナルが最近、アメリカから送られている。
 台湾軍との直接的な連携強化と、民進党党首の訪米時の対応がそれを物語っている。

■遅ればせながらのリバランス

 最初の出来事は4月初めに起こった。
 米海軍のFA18戦闘攻撃機2機が、台湾南部の台南空港に緊急着陸。
 沖縄からフィリピン方面へ向かう途中に異常が発生したため、やむを得ぬ措置だった、と米国在台協会は説明する。
 既に北京当局が南シナ海の南沙諸島で岩礁の埋め立て工事、「砂の万里の長城」の建設に着手していた頃。
 台湾空軍が管理する軍民共用空港への「不時着」は偶然とは言い難い。

 先月27日にハワイの真珠湾で米太平洋艦隊の司令官交代式が行われた。
 華やかな式典に台湾の国軍参謀総長の厳徳発(ヤン・トーファー)と海軍総司令官の李喜明(リー・シーミン)が招待された。
 台湾陸軍航空隊第601旅団と米軍太平洋陸軍第25航空戦闘旅団は「友好旅団」の契りを結び、合同演習の計画を発表した。

 制服組同士の交誼深化に合わせるかのように、民進党の女性主席(党首)の蔡英文(ツァイ・インウェン)が先月末から今月9日にかけてワシントンを訪れた。
 オバマ政権の高官は国務省庁舎内に彼女を迎え入れて会談。
 政府庁舎外のホテルで面会する慣例を破って厚遇した。
 すべては人気のない馬総統が政界を去った後のために打った手だ。

 アメリカは台湾と54年に米台相互防衛条約を結んでいる。
 その条約があったからこそ、中国の毛沢東国家主席が58年に大陸に近い台湾の前線基地金門島を44日間にわたって砲撃し「解放」をたくらんだときも、米軍は座視せずに台湾海峡に艦隊を進めた。
 しかし、この条約も79年の国交断絶で失効。
 米台の軍事交流は実質上、ストップしたままだった。

 ここに至って、アメリカは再び相思相愛の関係を構築しようとしている。
 アジア太平洋重視のリバランス政策の一環であろうが、遅きに失した感は否めない。
 フィリピンと日本とだけでなく、アメリカはもっと早くから台湾を国際社会の建設的な一員として迎え入れるべきだった。

■自分を中国人と思う台湾人は3割

 「台湾も大陸もどちらも中華民族だ」、
と毛沢東の弟子のように振る舞う習は口酸っぱく語るが、自分を中国人だと思う台湾人は3割に満たない。
 香港に高度の自治を約束しながら、いとも簡単に国際的な規範を破り捨てる中国が信用できないからだ。

 「蔡英文が台湾の指導者になるには、中国の13億の人民の試験をパスしなければならない」
と、駐米中国大使の崔天凱(ツォイ・ティエンカイ)が次期総統候補を牽制する。
 「習先生と崔大使は人民からの試験を受けたことがあるのだろうか」
と切り返した蔡の舌鋒は鋭い。

 民主主義的選挙で選ばれた総統が治める台湾の存亡はアメリカのアジア政策の成否に直結している。
 日本の旧植民地が中国の新植民地に転落しかねない今こそ、安倍政権も台湾戦略を立てるべき時期が来ているのではなかろうか。



時事通信 7月23日(木)15時59分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150723-00000081-jij-cn

台湾総統府制圧を想定か=中国軍の市街戦演習

 【香港時事】23日付の香港各紙によると、中国国営中央テレビは、中国軍部隊が市街戦の演習で台湾総統府に酷似した建物を攻撃する映像を放映した。
 台湾問題を武力により解決する状況下で、特殊部隊などが総統府を制圧する事態を想定しているとみられる。
 21日付の中国軍機関紙・解放軍報によれば、演習は北京軍区の部隊が内モンゴル自治区の市街戦訓練場で実施した。
 演習の攻撃部隊は、敵側首脳の排除を意味する「斬首行動」に成功したとされている。
 中台双方は22日、それぞれの立場を表明し、中国国防省報道事務局は中国メディアに対し
 「定例の軍事演習であり、特定の目標を想定したものではない」
と強調。
 一方、台湾国防部(国防省)報道官は
 「台湾住民や国際社会が受け入れられることではない」
と批判した。 


サーチナニュース 2015-07-23 11:01
http://news.searchina.net/id/1582416?page=1

中国軍が「台湾総統府」を攻撃、軍事演習で模擬市街戦・・・真意は不明



 中国軍が6月から内モンゴル自治区・ジュルフで6月から行っている軍事演習「跨越2015」で、
   「台湾総統府(中華民国総統府)」そっくりの建物を作り、特殊部隊が攻撃、突入する模擬市街戦が実施されたことが分かった。

 中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)が5日に「跨越2015」で実施された市街戦模擬戦の紹介番組を放送。
 番組中で、中国軍兵士が台湾総統府に「極めて似ている」建物を攻撃し、突入するシーンが注目を集めるようになった。

 中国メディアの観察者網は
 「演習では台湾問題の武力解決が想定されていた」
との見方を示した。

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 中国は1979年に台湾政策の基本を武力解放から平和統一に転換した。
 ただし、独立の動きが本格化した場合には、「軍事介入も辞さず」との立場だ。

 中国が台湾を攻撃すれば、米国は「台湾関係法」にもとづき、軍事介入する可能性がある。
 中国には「耐えられないシナリオ」だ。

 したがって中国にとっては
 「台湾人の独立志向を減じ、統一の世論を形成する」
ことが、長期戦略になるはずだ。

 中国側の失敗事例としては、1996年に実施された台湾初の正副総統の直接民選選挙時に、台湾近海でミサイル演習を実施したことある。
 台湾世論の反発を招き、中国が嫌う「李登輝総統」が予想以上の高得票で当選した。

 中国はその後、「台湾の民心に配慮」する方策に転換した。
 特に国民党の馬英九総統が誕生してからは、台湾に経済的利益を誘導した。

 ただし、「2014年のサービス貿易協定」では挫折。
 中国共産党の習近平総書記(国家主席)が北京を訪れた台湾野党・親民党の宋楚瑜主席に対して、馬英九政権は台湾情勢について「事実と異なるメッセージを送っていた」と述べた。
 つまり、中国大陸側が「台湾の民意をつかみ損ねた」ことを問題視していたことになる。

 台湾に対する武力行使の可能性が少しでもあると考えるなら、軍が「台北市内での市街戦」の訓練をしてもおかしくない。
 ただし、軍事関連の情報は外に出さない場合も多い。
 しかも中国は、当局による報道管制のある国だ。

 同情報に接した台湾人は、これまで以上に「中国政府から心の距離を置くようになる」はずだ。
 中国軍特殊部隊による「台湾総統府」の攻撃と突入が報道された真意は、不明としか言いようがない。



サーチナニュース 2015-07-24 10:17
http://news.searchina.net/id/1582582?page=1

台湾「てんやわんや」の大騒ぎ!
・・・中国の軍事演習で総統府がターゲット!? 
中国政府が慌てて否定=中国メディア



 中国メディア・環球網は23日、中国で現在実施中の軍事演習「跨越-2015・朱日和」について、台湾メディアが「台湾総統府をターゲットにしている」と相次いで報じ、これに対して中国政府・国防部が否定するコメントを発したと報じた。
 同記事は鳳凰網など中国大陸のニュースサイトで転載された。

 記事は、台湾・中央社が22日に
 「中国中央テレビ(CCTV)で先日放送された軍事ニュースのなかで、
 特殊戦闘部隊の戦闘員が台湾総統府そっくりの建物をターゲットとした演習を行う様子が3分間にわたって流された」
と報じ、
 「跨越-2015・朱日和」軍事演習が武力による台湾問題解決を想定して行われている可能性がある
と評したと紹介した。

 また、聯合晩報、自由時報電子版などの台湾メディアがこの演習の内容について詳しく報じたことを伝えた。
 さらに、台湾・国防部の報道官が22日に
 「明確な狙いを持った大陸の演習デザインは、台湾人民や国際社会が受け入れられるものではない」
と発言、民進党の立法委員からは
 「解放軍は台湾を攻撃しようとしているのではなく、
 国民党が来年総統府を守れない恐れがあるために、派兵して国民党を助けようとしているのだ」
などといった声まで出たとした。

 記事は、台湾における騒動に対して大陸の国防部が22日に「年次の定例軍事演習であり、特定の目標を狙ったものではない」と否定したことを紹介。
 さらに、匿名のアナリストが
 「台湾メディアが映像の建築物を総統府と伝えたのは、完全に独り善がり。
 こんな話はそもそも存在しない」
と評したこと、演習が行われている基地を訪れたことがあるという人物が
 「都市作戦演習用の建築物などはあるが、台湾総統府を模した建物はなかった」
と語ったことを併せて伝えた。



サーチナ 7月22日(水)23時25分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150722-00000208-scn-cn

来日の台湾・李登輝元総統を中国メディアが「口を極めて」非難
・・・「日本コンプレックス」、
「尖閣は日本領」、
「靖国神社に参拝」など

 台湾の李登輝元総統が21日から6日間の日程で来日した。
 中国メディアの環球網は「台湾・中央社(中央通信社)」によるとして日程を伝えた上で、李登輝元総統には「強烈な日本コンプレックスがある」として、尖閣諸島は日本領と何度も発言し、靖国神社を参拝したこともあるなどと、中国側からみた“悪口”を列記した。

 環球網は「中央社による」として、李元総統が国会議員会館で講演を行い、福島、仙台など東北地方を訪れ、2011年の東日本大震災で犠牲者に献花するなどの日程を紹介した。

 李元総統の訪日日程については客観的に伝えたが、記事の最後の段落で、李登輝元総統には「強烈な日本コンプレックスがある」などと、イメージを低下させる記述を続けた。

 「20歳までは日本人だったと自ら述べた。
 岩里正男という日本名すらあった」、
 「1943年に日本の京都帝国大学に入学し、農業経済を学んだ。
 留学中に日本軍に入った」、
 「名古屋の高射砲部隊の陸軍少尉となったが日本は敗戦」、
 「2001年に台湾の指導者から退いた後、訪日した。名義は心臓病治療だった」、
 「2007年の訪日時には靖国神社に参拝した」、
 「何度も『釣魚台(尖閣諸島の台湾側通称)』は日本領だったと発言し、台湾世論に痛烈に批判された」
などだ。

 李登輝元総統の2歳上の兄である李登欽(日本名:岩里武則)氏は、日本海軍機関兵となり第二次世界大戦で戦死した。
 李元総統は靖国神社について「兄の霊を守ってくれることに感謝している」と述べた。

 中国は、「一般の日本兵の遺族」が靖国神社を参拝することについては非難する立場にないとしているが、李元総統の参拝については、厳しい非難の論調が続いている。

 李元総統は、日本の政府指導者が靖国神社を参拝することについて、
 「国家の指導者が国家のために命を犠牲にした英霊を参拝するのは当然」、
 「政治の問題ではなく魂の問題」
との立場だ。
 また、自分自身は総統在任時に台湾で戦死者を祭る忠烈祠に定期的に参拝した。
 忠烈祠は辛亥革命や国共内戦で命を落とした将兵を祭っている。

 李元総統は
 「正直に言えば、(祭られている戦死した軍人は)台湾と無関係の人ばかり。
 台湾のために血を流した人ではありません」
と指摘した上で、
 「われわれは人間として、広く人類愛にもとづいた考え方で慰霊をすることが大切」
と説明した。

 尖閣諸島については、「もともと日本領」との考えだ。
 台湾で「中華民国領」との考えが強いことについては、第二次世界大戦終了まで、(日本支配下の)台湾当局が、尖閣海域の漁業を管理したために、戦後の台湾で誤解が生じたと指摘している。

 台湾でも、李元総統の「尖閣諸島についての見解」への批判が多いのは事実だ。
 ただ、環球網は今回の李元総統の訪日日程に続けた「李元総統への批判」の部分に、「釣魚台」の語を用いた上で「釣魚島を指す」との説明を追加した。

 台湾・中央社が李元総統の“前歴”に触れて李元首相の来日を批判的に扱ったイメージをもたらす書き方だが、中央社は訪日について、
 「国会議員に対して講演。日本の大臣も敬意を表する」、
 「晩餐会で歓迎される」、
 「日本の国会議員と熱ある交流」
など、李元総統が日本の政界で高い関心と敬意を持って遇されていることを紹介する記事を、次々に配信している。

 李元総統の在任は2000年5月20日に終了した。
 すでに15年が経過している。
 現在でも注目を集める政治上の人物であることに変わりはないが、「実権」から遠ざかってかなりの時間が経過している。

 中国大陸側が李登輝元総統の言動について神経質なのは、李元総統の発言や影響力を今もなお「警戒している」ことのあらわれと言ってよい。
 中国国内に向けた「非難報道」を続けていることからは、李元総統の考え方に同調する自国民が増えることを恐れているとも考えられる。



フジテレビ系(FNN) 7月25日(土)11時14分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150725-00000399-fnn-int

 台湾の李元総統、国会施設で講演 
中国外務省、日本側に強く反発



 台湾の李登輝元総統が来日し、国会の施設で初めて講演したことなどを受けて、中国外務省は24日、声明を発表し、
 「日本は、中国の厳正な申し入れにもかかわらず、台湾独立の活動の場を提供した。
 強い懸念と強烈な不満を示す」
などと、日本側に対して、強く反発した。
 また、「台湾問題は中国の革新的利益だ」とあらためて強調している。
 李元総統は、来日中の講演でも、中国側の「ひとつの中国」の原則について、「決して同意できない」などと批判していて、中国当局の反発は必至とみられていた。



レコードチャイナ 配信日時:2015年7月26日(日) 21時57分
http://www.recordchina.co.jp/a114923.html

天安門事件の元学生指導者、台湾議会選挙に立候補―SP華字紙
 
●25日、シンガポール華字紙・聯合早報は記事「ウーアルカイシが台湾立法委員選挙に立候補」を掲載した。
 1989年の天安門事件の学生運動の指導者だったウーアルカイシ氏が24日、台湾立法委員選挙への出馬を表明した。
 写真はウーアルカイシ自伝。

 2015年7月25日、シンガポール華字紙・聯合早報は記事「ウーアルカイシが台湾立法委員選挙に立候補」を掲載した。

 天安門事件の学生指導者だったウーアルカイシ氏が24日、台湾立法委員選挙への出馬を表明した。
 台湾政界の第三極を目指す少数野党連合の進歩陣線の推薦を受ける。

 ウーアルカイシ氏は出馬表明の記者会見で、対中政策の変更に取り組むと訴えた。
 改憲、あるいは解釈改憲によって
 「中華人民共和国の承認」
という最小限によって譲歩を行うことによって、国際機関に所属できないなどの
 「中国と欧米によって付けられた、台湾の不合理な足かせ」
を外すことを目指すと話している。




中国の盛流と陰り

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