2015年6月3日水曜日

中国空軍の装備は強大だ!(1):「日本は弱すぎて相手にならぬ」

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●Paris Air Show 2013 - Su-35 vertical take-off + Air Show

スクランブルもかけられない状態にあるのが中国空軍だが、論説スクランブルは激しい。
 「ヤクザの空威張り」といった感じもしないでもない。
 でも楽しい。


サーチナニュース 2015-06-02 22:15
http://news.searchina.net/id/1576275?page=1

中国の空軍装備は強大だ!
・・・「日本は弱すぎて相手にならぬ」=中国メディア


 中国の軍事情報サイト「軍事頭条(軍事ヘッドライン)」は1日
 「中日空軍の対決:日本は弱さ爆発。
 (中国空軍に)やっと対抗できるのは米軍」
と題する解説記事を掲載した。
 日本の兵器開発には見るべきものがほとんどなく、次々に新鋭機を登場させている中国には、遥かに及ばないと主張した。

 記事は、中国が過去20年間に、航空機開発を急ピッチで進めてきたことを強調。
 1995年から現在までに少なくとも、戦闘機と戦闘爆撃機では
 「J-10(殲-10)」、
 「J-10B/C」、
 「J-11B」、
 「J-16」、
 「J-11D」、
 「J-15」、
 「J-16電子装備向上型」、
 「JH-7A/B(殲轟-7A/B)」、
 「FC-31」、
 「J-20」、
 「FC-1」
を、
 爆撃機では
 「H-6K」
と、ステルス爆撃機の開発を実施したと説明した。。

 一方の日本については
 「F-2」と「F-15」の改良、
 さらに実証機にすぎない「心神」の開発を進めただけ
と指摘。
 「中国の優勢さは日本人が恥じ入ってしまうほど圧倒的」
と論評した。

 さらに、中国や大型輸送機と練習機を計4種開発。
 日本の哨戒機「P-1」と輸送機「C-2(C-X)」には高度な技術が盛り込まれているが、中国の開発量にはかなわないと主張。

 さらに、中国は2000年以降、多くの国に戦闘機、ヘリコプター、練習機の生産ラインを輸出し、機体そのものも輸出したと指摘。
 「中国は世界でも数少ない、電子戦機と早期警戒機を輸出できる国のひとつ」、
 「日本は? 輸出に記録はゼロ」
と論じた。

 さらに中国は艦上戦闘機のJ-15について
 「総合技術水準はすでに、米国の現役艦上戦闘機のレベルに達した。
 2012年以前は空母を保有していなかった国だが、着実な進歩を遂げている」、
 「中国の航空工業技術のレベルは、すでに日本は遥かに凌駕」
と、自賛した。

 日本の技術力そのものについては、米国に次いで「世界第2」と評価。
 しかし第二次世界大戦終結後、米国は「経済、金融、国防、外交、文化」などあらゆる分野で日本に制約を加え、特に航空工業では米国の“全面的援助”と名目により、自国で発展させることが厳しく制限されたと解説。
 そのため日本は
 「涙を飲んで、問題ある米国の『F-35』を買う破目になった」
と紹介した。

 日本の航空自衛隊については「科学技術、訓令、法令などの制約があったにも関わらず、アジアにおける優等生でありつづけてきた」との評価を紹介。
 しかし現在は「航空における優勢を保てない状態になっている」と論じた。


 実際の中国空軍の現在の技術レベルは下記のようなもの。
 しかし、時とともに向上していくのは当然の歩みである。
 もう一つの問題は、スペックは周囲の要求でどんどん上がるが、それを支える品質が伴っていない。
 この弱点を解決しないことには見せる戦闘機から戦える戦闘機への転換は容易ではない。
 

サーチナニュース 2015-06-03 22:21
http://news.searchina.net/id/1576436?page=1

「Su-35」戦闘機、中国ついに入手へ!
・・・ロシアは「対米報復」狙いか=中国メディア

 中国メディア「観察者」は3日、ロシアの「Su-35」が2016年に中国に引き渡されると報じた。
 ロシア空軍がSu-35の運用を始めたのは1994年で、2013年には中国への売却が決まったとされるが、これまで実現しなかった。
 中国が無許可で、ロシアの機体をベースに「戦闘機の自主開発」を続けてきたことが原因とされる。

 「観察者」は米国の報道を引用して、「Su-35は2016年に引き渡される。
 中国のパイロットはすでに訓練を始めた」と紹介した。
 Su-35が中国に引き渡されれば、中国軍が保有する「最も優れた戦闘機」ということになる。

 1976年に文革を終了させた中国は、自国兵器のレベルの低さを痛感していた。
 西側諸国は80年代、改革開放政策を導入した中国を歓迎した。
 中ソ対立はまだ続いており、西側諸国にはソ連牽制を念頭に、中国の兵器開発への技術協力の動きも出た。

 しかし89年の「天安門事件」で、西側諸国は「中国は価値観が根本的に異なる国」と痛感。
 同年のソ連崩壊で、「ソ連牽制」の必要もなくなった。
 西側諸国の協力はなくなった。

 ロシアでは90年代、経済や財政の混乱で、自国政府・軍による兵器の購入が激減した。
 そのため、中ソ対立が解消したこともあり、中国に武器を輸出するようになった。

 武器貿易における「中ロ蜜月」に異変が起きた原因は中国側にあった。
 「J-11」の名称でロシアの「Su-27」のライセンス生産を始めたのはよかったが、自国内で次々に改良型を開発したことで、ロシア側は態度を変えた。

 ロシアは戦闘機用エンジンなどの輸出は継続したが、合意したはずのSu-35の輸出を行わなかった。
 他にも、中国がロシア機をベースに艦上戦闘機の「J-15」を開発したことを不満として、空母「遼寧」に搭載する着艦装置の売却を断ったとされる。

 ロシアが中国へのSu-35の引き渡しを決めた背景としては、
 「エンジンなどを含め、中国の技術力では自国産を凌駕する戦闘機の開発は、当面無理」
と判断できたからとの見方がある。
 また、ウクライナ問題でロシアを制裁する米国などに対して、
 「中国の空軍力が向上すれば、米国にとって大きな負担になる」
との、「中国を介した報復」の意味合いがあるとの指摘もある。

 ロシア空軍はSu-35の改良型を運用している。
 改良型では、いったんは取り付けられたカナードが撤廃された。
 ロシア空軍に改良型Su-35が納入されたのは2014年。
 報道では明らかにされていないが、
 中国に輸出されるSu-37は、初期型に近い輸出用タイプ
と考えられる。



サーチナニュース 2015-06-04 22:21
http://news.searchina.net/id/1576605?page=1

中国が「Su-35」戦闘機を入手する真の狙い
・・・自国技術が手詰まり、
ロシアの「パワー」で「米空母・必殺力」を獲得?=中国メディア

 中国メディア「観察者」は3日、ロシアは2016年、中国に「Su-35」戦闘機を引き渡すことになったと伝えた。
  ただし、中国の狙いは自国の戦闘機「J-20」のエンジン強化の可能性があるという。
 中国で「J-20」は「米空母キラー」になると期待されているが、エンジンの推力不足が最大の問題とされていた。

 中国は「J-20」への搭載を念頭に、ターボファンエンジンの「WS-15(渦扇-15)」の開発を進めている。
 ただし、ターボファンエンジンの開発は極めて難しい。
 「WS-15」の開発には、1980年代後半に開発に着手した「WS-10」の経験を生かすとされている。

 しかし、WS-10の開発では、試験エンジンの完成に手間取っただけでなく、生産ラインにおける品質管理でも問題が出るなどで、「大難航」した。
 WS-15の開発が始まったのは1990年だが、具体的な情報は出てこない。
 「観察者」は、WS-15の開発について、「楽観視できない状況」との考えを示した。

 一方で、「Su-35」には、ロシアのエンジンメーカー「リューリカ」が開発した「Al-31」シリーズの中でも最新型の「Al-41F1S(別称・Al-117S)」が搭載されている。

 ロシアはこれまで、中国はロシアが承諾していないリバースエンジニアリングにより戦闘機を開発したとして不快感を示していた。
 売却で合意していたはずのSu-35の引き渡しが遅れたのも、同問題があったからとされる。

 ロシアは一方で、Al-31シリーズのやや古いタイプのエンジンは中国に売却してきた。
 しかしAl-41F1Sの単独の売却には首を縦に振らなかったという。

 これまでの報道を総合すると、
 中国にはJ-20を「米空母キラー」の役目を果たさせようとの考えがあった
とされる。
 しかし現状のエンジンではパワー不足が深刻だ。
 アフターバーナーを用いないと超音速を達成できない場合には、航続距離が大幅に短くなるという問題がある。

 「観察者」は、中国空軍にとってSu-35の入手は「一石二鳥」と解説。
 高性能の新型戦闘機と、J-20に適した世界最先端のエンジンの両方を得られるからという。



サーチナニュース 2015-06-06 22:21
http://news.searchina.net/id/1576776?page=1

「J-20」戦闘機・・・やはり役立たず! 
「WS-10」国産エンジンの搭載断念か=中国メディア

 中国で開発中の「J-20(殲-20)」は、
  「米国の『F-22』にも対抗できるのでは」、
 「自主技術を集積」
などと期待が寄せられた。
 しかし、
 中国で開発されたエンジンの「WS-10(渦扇-10)」はパワー不足で、ロシア製エンジンが搭載される方向と中国メディアの環球網が報じた。

 「J-20」には「中国開発のエンジンが取りつけられるのでは」との見方が早くからあった。
 中国は1980年代半ばに戦闘機搭載も念頭に置く航空エンジン「WS-10」の開発に着手。
 開発は難航したが2014年には「技術は成熟」と見なせるようになったという。

 中国は1990年ごろ、「WS-10」よりも高性能の「WS-15」の開発に着手したが試験段階とされる。
 また、情報が少ないことから、開発は難航している可能性がある。

 環球網は中国の航空工業が抱える「エンジン問題」について
 「エンジン以外のシステムが強大でも、信頼性ある高性能なターボファンエンジンがなければ、
 『J-20』も『J-31』も戦闘力を持てない」
と指摘。
 さらにJ-20の試験機が搭載するエンジンについても、「ロシアの旧式エンジン」と説明。
 エンジンの能力が機体全体の性能を制約しているとの見方を示した。

 WS-10は中国の戦闘機「J-11」や「J-16」に搭載されているが
 「求められる性能は発揮できていない」
との見方がある。
 「WS-15」が間に合う可能性は低い。
 そのため目下のところ、J-20に自国製のエンジンを搭載するのは諦めざるをえない状況という。

 中国はロシアから「Su-35」を購入する予定で、搭載するエンジンはロシア製の中でも新しいタイプの「Al-117S」だ。
 ロシアはAl-117Sそのものを中国に売却することは拒否しているとされる。
 そのため、
 中国はSu-35を輸入し、エンジンを取り外してJ-20に搭載する
との見方がでている。

**********

◆解説◆
 中国はロシアの「Su-27」をベースにリバースエンジニアリングで派生タイプの戦闘機を開発し、ロシアの不興を買った。
 Su-35の引き渡しは当初予想よりも遅れているが、ロシア側の報復措置との見方が強い。

 ただし、ロシアは中国に対して、旧式のエンジン供給は停止しなかった。

 中国がロシアにエンジン供給を依存していることは、
 中国とロシアの“全面対立”は不可能であることを意味する。
 ロシアが知的財産権の問題で中国を問題視しながらもエンジン供給を続けたことは、「安全保障上」の意味があったと理解できる。

 中国はロシアに対する発言力を強める意味でも、戦闘機に使用できるエンジン開発を全力で推進すると考えてよい。



HARBOR BUSINESS Online 8月20日(木)9時21分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150820-00056775-hbolz-soci

戦闘機独自開発という名のコピーが横行
中国とロシアの兵器を巡る微妙な関係

 7月下旬に中国の大手ポータルサイトである新浪網が、ロシア製最新鋭戦闘機Su-35の中国への輸出が決まったことを報じた。


●【資料】中国軍が保有する戦闘機

Su-35はスホーイ社設計の戦闘機の最新型で、対空と対地の任務が行える多用途戦闘機である。
 最大航続距離は、中国本土から日本まで到達できる3,600km、
 高出力のパッシブ・フェーズドアレイ・レーダー、
 曲芸飛行のような動きを可能にする推力偏向ノズルを装備したエンジン
を搭載している。
 ロシアでも昨年から配備が始まったばかりで、
 航空自衛隊が現在保有しているF-15JイーグルやF-2といった戦闘機と比較しても、
 スペック上は同等かそれ以上の性能を持つ機体だ。

 そんな高性能な戦闘機が中国に輸出されること自体、軍事的側面から見れば大きな出来事といえるだろう。
 しかし、契約の詳細やこれまでの経緯を追っていくと、中国の戦闘機開発事情と、ロシアとの微妙な関係が浮き彫りになってくる。

◆勝手に独自モデルを生産する中国

 今回の交渉で注目すべき点は、
★.中国側の購入機数と、
★.契約条項にリバースエンジニアリングの禁止事項が盛り込まれた
ことにある。
 中国は今回のSu-35以前にも、1995年にSu-27SKを購入して、その後ライセンス契約を結んで国内で機体の生産を行っている。

 機体はJ-11と呼ばれているが、中国はその後、ライセンス契約を無視して独自の改良を施したJ-11Bを生産している。
 2012年にロシアの未完成艦をベースにした中国海軍初の空母「遼寧」が就役して話題となったが、そこに搭載されていた艦載機J-15も、J-11Bと同様にロシアとの契約を無視した中国独自の改良機である。

◆中国がコピーする理由

 当初、中国側が提示したSu-35の購入機数は4機のみで、これは戦闘機が戦力として使える数ではなく、明らかにコピーを目的としたものであった。
 そこでロシア側は、商業的に成立する数として48機の購入を求め、さらにはリバースエンジニアリングに関する禁止事項を盛り込んだのだ。

 結局、購入機数は24機に落ち着き、
★.中国側がリバースエンジニアリングを試みた場合は、巨額の違約金が支払われる契約
が結ばれたという。

 中国といえば、戦闘機に限らず海賊版が横行して、コピー商品がたびたび問題となっている。
 それらコピー商品が作られる一番の理由は、経済的な理由だ。
 しかし、今回紹介している戦闘機の場合は、少々事情が違う。
★.中国が戦闘機のコピーを行う一番の理由は、安全保障面から、兵器の国産化を進めることにある
のだ。

 中国が最初にロシアから輸入したSu-27SKはロシア空軍の同型機と比べると、一部の機器の性能がダウングレードされたものであった。
 その後にライセンス生産されたJ-11も、レーダーやエンジンといった基幹部分の国内生産は許されず、ロシアからの完成品の輸入に頼っていた。
 また、性能面でも中国が今後の領土問題等で必要とされる対地攻撃能力が限定的で、機体の性能も満足のいくものではなかった。

 戦闘機は非常に高度で複雑な物で、長期で運用するにはメンテナンス面でメーカーの支援が不可欠である。
 それらが国外の企業であった場合、時間的にもコスト的にも大きな問題となる。

 海外製の兵器を運用する場合、このメンテナンス問題は日本を含めた各国でたびたび発生しており、その一番の対策は国内ですべてが完結する兵器の国産化なのだ。

 本来ならば、
★.ライセンス生産等で得た技術をベースに、独自の機体を生産する
ところだが、中国はそれをライセンス生産していたフランカーをベースにして進めていったのだ。
 こうして作られたのが性能向上したJ-11Bや艦載型のJ-15といった機体だったのである。

◆ロシアにとってのメリット

 これまでのコピー事情を考えると、ロシアは中国との取引を中止してもおかしくないように思える。
  しかし、中国の事情と同様に、ロシアの事情も複雑だ。

 まず、中国にとってのデメリットがロシア側にとってはメリットになることが多い。
 自国の戦闘機が使われる限り、ロシア側はメンテナンスやサポートで長期的な取引が期待できる。
 また、自国製の兵器に依存させることで、相手国の防衛に一定の影響力が持てる。
 輸出する機体の性能を下げたり、必要であればサポートを打ち切って飛行できなくすることもできるのだ。

 中国軍が軍用機で一番ロシアに依存しているのが、搭載されるエンジンである。
 戦闘機用のエンジンの開発はそれまでの技術の蓄積と経験が物を言う世界で、
 昔から
★.継続して開発を重ねてきたメーカーしか開発製造できない。

 機体フレームやアビオニクスを国内生産できるようになった中国も、エンジンだけは苦労しているらしく、独自開発を進めながらもロシアからの輸入品に大きく依存している。

 今回、輸出が決まったSu-35にはAL-41F1Sという新型エンジンが搭載されており、このコピーが中国側の目的ではないかと噂された。
 しかし、メーカーの社長は
 「そのリスクはない。生産面でも技術面でも、
 中国側はロシア側を必要とする」
とコメントしている。

 商売とは需要と供給が一致して成立するものだが、売り手と買い手が必ずしも円満になることはない。
 これは中国とロシアの関係にも当てはまることであり、軍事という神経質な要素を含んだ二国間の取引は、潜在的な駆け引きの元に今後も継続していくだろう。

【布留川司】
アメリカで開催されるエアショーを中心に軍用機の撮影を行うカメラマン兼ライター。
 最近は軍艦や戦車の撮影も行ない、国内の専門誌に寄稿している




サーチナニュース 2015-06-09 22:17
http://news.searchina.net/id/1577130?page=1

「J-10C」戦闘機の地上攻撃力
・・・「F-16」改良タイプを超えたか!?=中国メディア


 中国の軍事情報サイト「戦略網」は7日、自国の戦闘機「J-10(殲-10)」の改良タイプはロシアの原型機の「先天的欠陥」を克服したと主張する記事を掲載した。
  同記事によると、「J-10C」は米国の「F-16」の改良タイプである「Block52」よりも地上攻撃能力が優れているかもしれないと主張した。

 記事は「J-10」の改良型の優秀さを手放しで称賛。
 「J-10B」と「J-10C」の目標処理能力については「飛躍的な進歩を遂げたことは疑いない」と主張した。

 J-10については「細い機体にデルタ翼」という特徴があり、武器搭載の面で「先天的欠陥」があったと説明。
 しかし、中国が開発した「LS-6(雷石-6)」滑空爆弾や「天雷-2」小型地対空ミサイルなどと懸架装置の改良により、「J-10Cの対地攻撃能力は、米軍の主力であるF-16 Block52を凌駕しているかもしれない」と論じた。

 J-10Cについては、試験飛行を終え、量産が始まったとの見方があるとして
 「将来の戦場で、J-10Cは『空にあっては鷹を斬り、地上の虎を屠る利剣』になると予見できる」
と主張した。

**********

◆解説◆
 中華人民共和国は建国後、航空機の供給をソ連に頼ることになった。
 しかし1950年代末からの中ソ対立で、ソ連から新たな機体を入手することができなくなった。
 中国の軍用機は敵対する西側諸国やソ連に比べて、著しく劣ることになった。

 中国が1976年に文化大革命を終結させ、革開放政策を採用したことを西側諸国は歓迎した。
 それまでの中国では極左思想に支配された「完全密室政治」が続いており、「極めて危険な存在」と見なされていたからだ。
 中国支援にはソ連を押さえる効果も期待できた。

 そのため1980年ごろ、西側による中国の戦闘機開発への協力への動きが出た。
 中国はJ-10の開発にあたりエンジンとアビオニクス(電子装置)で西側の支援を得る心づもりだったとされる。

 しかし1989年の天安門事件で西側諸国は対中政策を見直した。
 J-10の開発支援も立ち消えた。
 一方で中国とソ連(ロシア)は同年、関係を正常化させた。
 そのため、J-10はロシア製のエンジンやアビオニクスを搭載することになった。
 一部技術はイスラエルがひそかに売り渡したとの見方がある。



サーチナニュース 2015-06-11 22:21
http://news.searchina.net/id/1577466?page=1

「J-20」戦闘機に独特な設計
・・・「F-22」より3秒前に「ファイアー」だ

 中国メディア「大慶網」は10日、「『J-20(殲-20)』戦闘機に独特な設計。「F-22」より3秒間先んじてファイアー」と題する記事を掲載した。

 記事は、中国が開発中のステルス戦闘機「J-20」は高性能と強調。
 「外部における一般的な認識」として
 「搭載しているロシア製のAl-31エンジンは米国のF-22に及ばない」が、
 「機動性、搭載兵器、情報化作戦遂行能力は、後発機だけにF-22より優秀」、
 「中国製戦闘機との空戦試験を行ったところ、米軍のF-22と差がないことが分かったと伝えられる」
などと紹介した。

 さらに、
 「J-20とF-22はともにステルス機などで、双方とも遠距離からのミサイル攻撃は不能。近距離で格闘戦を行うことになる。
 近距離での戦闘ではF-22の欠点が出る。
 J-20はその独特なウェポンベイ(武器格納庫)の設計により、3秒間早く、ミサイルを発射することができる。
 先制攻撃で、敵を1発で屠(ほふ)ることになる」
と主張した。

**********

◆解説◆
 現在の「航空戦」でステルス戦闘機とステルス戦闘機「だけ」の戦闘は、あまり考えられない。
 ステルス戦闘機はまず、作戦行動中にレーダーを使えない。
 レーダー電波を発射することは、相手に自分の位置を教えてしまうからだ。
 そのため、安全と考えられる位置を飛行する早期警戒管制機などが情報を探知し、戦闘機に指示を与える。

 ステルス機もレーダーで「完全に見えない」のではない。
 現在は、ステルス機の「相手に見えにくい性能」とレーダーの「探知能力」向上の“いたちごっこ”が続いているとされる。

 J-20については、ロシア製エンジンの性能に問題があり、性能を満足に発揮できないとの見方がある。
 中国は同機への搭載を念頭に「WS-15(渦扇-15)」ターボファンエンジンを開発しているが、開発は難航しているとされる。



サーチナニュース 2015-06-14 22:21
http://news.searchina.net/id/1577651?page=1

「J-20」戦闘機は米「F-22」より強い?
・・・「そんなわけないだろ!」と中国メディアが怒りの反論

 中国の一部メディアは最近になり、自国で開発中の戦闘機「J-20(殲-20)」と米国の「F-22」が戦った場合、
 「J-20は3秒間早く、ミサイルを発射することができる。
 先制攻撃で必勝」
と主張する記事を発表した。
 大手ポータルサイトの新浪網は10日、根拠のない主張と厳しく批判する記事を発表した。

 「J-20はF-22よりも強い」とする主張の骨子は
(1):双方ともステルス機などで遠距離からの攻撃は不能
(2):近接戦になった場合、J-20は構造上、F-22よりも3秒早くミサイルを発射できる
(3):したがってJ-20は先制攻撃により、F-22を確実に撃墜できる
――だ。

 新浪網は、近接戦になったと仮定しても、J-20の能力はF-22に劣ると主張。
 問題になるのはエンジンの差と指摘した。

 J-20に搭載しているのはソ連が1980年代に開発したエンジンがベースになっている「Al31F」だ。
 新浪網はAl31Fの推力は12トン前後でF-22が使用する「F119」は18トン近くと、50%も大きいと指摘。
 また、Al31Fは自重の8倍程度の推力しか出せないが(推力重力比)、F119は13倍に達すると論じた。

 また、F119の推力偏向(スラスト・ベクタリング)は世界最高水準だがAl31Fは同様の技術を採用していないと指摘した。
 推力偏向はノズルの向きを変えることで推力の方向を変えることを指す。

 F-22はピッチ方向に上下22度まで噴射方向の変更が可能だ。
 そのため、近接戦では重要な運動性能が極めて高い。
 「F-22以上の運動性能を持つ有人機の開発は不可能。
 なぜなら、パイロットが意識を失ってしまうからだ」
という言い方があるほどだ。

 新浪網はさらに、
 Al31Fの寿命は改善を重ねてやっと2000時間に達した。
 F119は4000時間を越えている。
 Al31Fを搭載した『Su-27』、『J-10』、『J-11』は何度もエンジンの不具合による事故を記録している。
 F119にはほとんどない」
と、両機はエンジンの信頼性にも大きな差があると指摘した。

 記事は、F-22は接近戦に弱いとの主張は、「十分にお笑い草」と批判。
 「われわれがギャップを正視することは、(対策をあきらめて)現実から逃げることを意味する」
と論じた上でメディアの報道は
 「実情にもとづいて真理を検証するべきだ(実事求是)」
と主張した。



サーチナニュース 2015-07-25 06:17
http://news.searchina.net/id/1582722?page=1

「J-20」戦闘機・・・米国に勝る早期警戒技術だ!=中国メディア

 中国の大手ポータルサイト「新浪網」は22日、
 「中国の第4世代戦闘機のレーダー技術は『F-22』に相当、
早期警戒技術はすでに米国を抜いた」
と題する記事を発表した(「第4世代」は中国での数え方。国際的には一般に「第5世代」)。

 記事は、1950年代に「ソ連製戦闘機の模倣」から始まった、
  中国の航空機用レーダーの技術史を回顧した。

 1960年代から初の早期警戒機「KJ-1(空警1号)」の開発に取り組んだ。
  しかし技術が未成熟のため失敗し、最終的には「博物館送り」になったという。

 その後、西側諸国は文化大革命を終えた中国を歓迎。
 1980年代は西側諸国と中国の「軍事協力の蜜月」で、軍事技術の供与も盛んになった。
 米国のエドワース空軍基地で中国の戦闘機に米国製の電子機器を取り付けて、試験飛行を行ったこともあった。

 記事は「1989年6月に、米国は政治的な理由で一方的に協力を打ち切った」と紹介。
  具体的には書かなかったが、同年6月4日に発生した天安門事件に対する措置だった。
 中国はその後、関係を修復したソ連(ロシア)から技術を導入し、レーダー技術の開発を続けた。

 中国はその後、アクティブ・フェーズドアレイ・レーダーを搭載した早期警戒機の「KJ-2000」と「KJ-200」をそれぞれ、2007年と09年に就役させた。
 記事は、米国のシンクタンク「ジェームスタウン財団」が、「KJ-2000とKJ-200は米国の早期警戒管制機である『E-3』Cと『E-2』の先の世代を行く」と評価したと伝えた。

 ただし、米国のE-3シリーズは1977年の運用開始で、生産は1992年に終了。E-2は「進化型」の運用が現在も続いているが、運用開始は1964年だ。
 両シリーズとも電子機器では「大幅な改良」が続いたので、KJ-2000とKJ-200をどのタイプと比較したかは不明。

 記事見出しの「米より優れた早期警戒機の技術」は、この部分を取り上げたと思われるが、「無理のある表現」と言わざるをえない。

 記事はさらに、中国が開発中の「J-20」と、米国がすでに配備を始めたF-22のレーダーの比較についてまず、
 中国は早期警戒機の開発で「21世紀初頭に重大な技術的突破」を実現と論じ、
 レーダー技術分野で先進国との間で依然として差があるものの、
 「J-20などの運用が正式に始まるのは5-8年先」であり、
 2005年に運用が始まったF-22のレベルに到達するのは「問題がないはずだ」
との見方を示した。




●「殲20」:China's 5th Generation Fighter Aircraft J-20 (P2002)


●(HD)中国ステルス戦闘機「殲20」テスト飛行の最新映像


●中国最新鋭ステルス戦闘機「殲31(J-31)」 離陸シーン
 黒煙をはくステルス戦闘機



中国の盛流と陰り

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