2015年6月8日月曜日

災害ロボットコンテスト:韓国優勝、日本は10位

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ITmedia ニュース 6月8日(月)6時50分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150608-00000016-zdn_n-sci

DARPAロボットコンテスト、
優勝は韓国チーム 転倒するロボットに同情や声援


●Team KAIST

 米国防高等研究計画局(DARPA)が6月5日(現地時間)からカリフォルニア州ポモナで開催した災害救助ロボットコンテスト「DARPA Robotics Challenge(DRC)」の決勝戦が閉幕し、
 優勝賞金200万ドルを獲得したのは韓国のTeam KAISTだった。

 2013年からスタートした予選に23チームが勝ち残り、日本からは決勝戦に5チームが参戦したが、最高位はTEAM AIST-NEDOの10位だった。

 このコンテンストは、2011年の東日本大震災を受けて企画された。
 危険な災害現場で人間に代わって救助活動が行えるロボットの開発を促進するのが目的だ。

 8つのタスク(自動車の運転、下車、ドアを開ける、バルブを回す、壁に穴を開ける、日替わりのタスク、がれきを超える、階段を上る)
 を1時間以内にこなせるかどうかを判定する。

 優勝したTeam KAISTのロボット「DRC-Hubo」は44分28秒で8つのタスクすべてをクリアし、
 2位の米国チームIHMC ROBOTICSを約6分引き離した。

 DARPAのプログラムマネジャーで同コンテストをまとめたギル・プラット氏は表彰式で
 「ロボットが転倒すると会場からは同情の声がわき、スコアを獲得すると歓声が上がった。
 これはDRCにとって大きな教訓だ
 ──ロボットは人間のために技術的なタスクを実行するだけでなく、人々のつながりをも助けるのだ」
と語った。

 IEEE Spectrumが公開した転倒シーン集(以下に転載)を見ると、確かに思わず応援したくなってしまう。



●KAIST HUBO passing over debris - DRC Finals 2015
2015/06/07 に公開


朝鮮日報 記事入力 : 2015/06/08 08:10
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/08/2015060800488.html

災害ロボコン:「打倒日本」わずか14年で世界の頂点に



 1997年に日本の自動車メーカー、ホンダは二本足でよちよち歩く人間型ロボット「アシモ」を公開した。車輪ではなく二本足でバランスを取り歩くアシモを見た科学界や大衆は日本の優れたロボット技術に感嘆した。
 当時「自分もああいうロボットを作ってやる」と誓った韓国の科学者がいた。
 KAIST(カイスト、韓国科学技術院)機械工学科のオ・ジュンホ教授(61)だ。
 オ教授は2001年から研究費の支援もなしで学生と共に外国の雑誌を読みあさり、研究に没頭した。
 その結果、04年12月に韓国初の人間型ロボット「ヒューボ(HUBO)」を世に送り出した。

 それから11年がたった2015年6月6日。ヒューボは米防衛高等研究計画局(DARPA)主催で開かれた「ロボット工学チャレンジ(DRC)」決勝で日本、米国、ドイツ、イタリア、香港のロボットを破り、世界最高の災害対応ロボットに選ばれた。
 「日本に負けるな」という意地で始めた研究からわずか14年で世界の頂上に立ったことになる。
 今大会に参加した日本の5チームはいずれも下位圏にとどまった。 

 決勝の会場は実際の福島原発事故の現場をモデルに設定された。参加したロボットには
▲車両運転
▲車両下車
▲ドアを開けて進入
▲バルブ閉鎖
▲壁に穴を開ける
▲コンセントにプラグを挿す
▲障害物除去
▲階段登り
――という8つの課題が与えられた。

 参加チームは会場から数百メートル離れた場所で、制限されたスピードの無線LAN(Wi-Fi)だけでロボットを操作しなければならなかった。
 ロボットの目を通じてのみ現場の状況を把握でき、その通信接続も頻繁に切れるため、万一の場合いはロボットが自分で状況判断を行い、与えられた課題を遂行する人工知能(AI)も必要だった。

 昨年行われた予選で、ヒューボは安定的に歩く能力では世界最高水準だったが、事物を認識する能力は米国や日本の企業よりもやや劣った。
 それを改善するため、イメージ分野の専門家であるKAISTのクォン・インソ教授(電気・電子工学部)がチームに合流した。
 クォン教授は
 「オ教授からヒューボの目が見えるようにしてもらいたいと求められ、ヒューボの製作に加わった。
 周囲の事物をより具体的、明確に認知できるように視覚処理システムを変更した後、ヒューボの行動速度や動きが大幅に改善された」
と話した。
 ドリルをつかんだり、スイッチを入れたり、バルブを正確につかんで回したりするための「よく見える目」を搭載できた格好だ。

 今大会のために製作した「DRCヒューボ2」は、ひざの部分と足先に車輪が付いている。
 高速で平地を移動する際にはひざを折った姿勢で車輪で動く。
 作業をしたり、階段を登ったりする際には二本足で立ち上がって歩く。
 いわば「変身ロボット」だ。
 DRCに参加したロボットのうち、用途によって作動方式も変えるのはヒューボのみだった。
 ヒューボはまるで人が中に入っているかのように、8つの課題を安定的かつ完璧にやり遂げた。

 3位に入った「タルタン・レスキュー」を製作した米カーネギーメロン大のトニー・スタンツ教授は
 「ヒューボが周辺環境によって柔軟に対応する様子が印象的だった。
 参加チームの中で最も災害現場に適したロボットを実現した」と評価した。
 マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究員は「日本だけがライバルだと思っていたが、これからは韓国も対等に見なければならなそうだ」
と話した。

 今大会決勝に進出した24チームで8チームが韓国製ロボットの本体や部品を使用した点も意味がある。
 ドイツ・ボン大学のチームは韓国のロボット企業「ロボティス」が開発したアクチュエーター(駆動装置)を採用し、4位に入った。米ネバダ大ラスベガス校のチームもヒューボに独自のソフトウエアを採用し、8位に食い込んだ。
 今大会で6チームにロボットを供給したロボティスのキム・ビョンス代表は
 「歴史が長い産業用ロボット市場は日本が掌握しているが、技術発展が著しい人間型ロボットや教育用ロボットの分野は韓国が先取り可能だ」
と指摘した。

 短期的な成果に執着すべきではないとの意見もある。
 著名なロボット専門家でカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のデニス・ホン教授は
 「ロボットが実質的に人の役に立つ未来産業として成長するためには、たゆまぬ研究と投資が必要だという点を忘れてはならない」
と呼びかけた。



MONOist 6月10日(水)14時7分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150609-00000123-it_monoist-bus_all

韓国チーム優勝の米災害ロボコン、なぜ開催?

 2015年6月5日、ロボット産業に新たな歴史の1ページが追加された。

 アメリカ・カリフォルニア州のロサンゼルス郊外、ポモナ市内フェアグランドに、世界各国から最新鋭のロボットが集結。優勝賞金200万米ドル(1ドル125円換算で約2億5000万円)を目指して競う、災害救助ロボットの競技会「DARPA Robotics Challenge(DRC)」の決勝(ファイナル)が開催されたのだ。
 大会を主催するDAPRA(ダーパ)は、米国国防総省(ペンタゴン)が管轄する研究機関だ。
 「Defense Advanced Research Projects Agency」の略称で、日本語では「国防高等研究計画局」と訳す。

 そのDARPAの設立はいまから58年前の1957年。当時は、アメリカとソビエト連邦による“冷戦”時代の真っ只中。アメリカとしては、軍事体制の強化のため、近未来での軍需利用を念頭に置いた最新鋭技術の開発が必然だった。同時期に設立されたNASA(連邦航空宇宙局)は、アポロ計画を推進したため、アメリカ国内はもとより、日本を含めて世界各国で知られた名前だ。
 一方、DARPAはIT(インフォメーション・テクノロジー)の基盤を作り、インターネットやGPSなど、軍需から民需への転換された基礎技術の研究開発を行ってきたが、DARPAという名称はNASAと比べて世界的になじみが薄い。
 それにしても、国防総省系の研究機関がなぜこの時期、高額賞金のロボットコンテストを行うのか?

 その理由としては産業としての可能性と、“あるきっかけ”がある。

●2000年代に実施した自動運転コンテストの波及効果

 1990年代以降、アメリカとソ連の冷戦時代が終わり、DARPAの役割が変化していった。
 “軍需ありき”から、“軍需から民需への転換”を強く意識するようになったのだ。
 そうした中、賞金コンテストとして初めて行われたのが、クルマの自動運転競技だった。

 それが2004年と2005年の「DARPA Grand Challenge」と、さらに2007年に開催した「DARPA Urban Challenge」だ。
 前者はカリフォルニアとネバダの州境の砂漠地帯で実施し、2004年は全コースを走破した競技車がなかったため、翌年に再度開催することになった。
 後者はカリフォルニア州内の米空軍基地跡を利用し、家屋や信号機を仮設して都市の交通状況を想定したものだった。

 こうした3回の賞金コンテストに参加した大学の研究者らが現在、民間企業に転じて量産型の自動運転車の技術開発リーダーを務めている。
 具体的には、
 スタンフォード大学、
 カーネギーメロン大学、
 MIT(マサチューセッツ工科大学)
などの大学をはじめ、
 グーグル、
 アップル、
 アマゾン
などのIT産業、また自動車の大手サプライヤーでは
 ドイツのコンチネンタルや
 ボッシュ
で従事している。

 また、グーグルカーなどのルーフ部分でクルクルと回る奇妙な機器として知られる、レーザーレーダー(通称:ライダ―)は、ヘッドフォンなどの音響機器の製造販売を主業としていたVelodyne(ヴェロダイン)の創業者が、DARPA Grand Challengeに参加する際に製作したプロトタイプが原型だ。

 2004年のDARPA Grand Challenge終了後、他の競技参加者や自動運転に関心のある世界各国の自動車関係者から問い合わせが殺到。
 ヴェロダインは世界的なライダーメーカーへと進化した。
 現在、日本、アメリカ、ヨーロッパの自動車メーカーの自動運転実験車の多くが、同社のライダ―を使用している。
 DARPAとしては、ロボットについても自動運転車と同様、大規模な賞金コンテストの開催が民需への普及を後押しするものと考えたのだ。

●東日本大震災での教訓

 開催理由の“きっかけ”となったのは、「FUKUSHIMA(福島)」だ。
 DRCのWebサイトでは、「福島第一原子力発電所での災害を教訓として、大規模な災害で人間が現場で作業できない環境がある場合を想定したロボットコンテストを行う」としている。

 2011年3月11日の東日本大震災発生後、アメリカ太平洋軍司令部が中心となり災害地での自衛隊の救助活動などを支援する「トモダチ作戦」が行なわれた。
 同年4月末時点で同作戦は修了したが、DARPAとしても独自の支援活動を考慮し、福島第一原子力発電所内の現状調査を行う目的でアメリカ製の3機のロボットを現場に投入した。
 だが、3機ともに必要とされたタスクをこなすことができなかった。
 なぜなら、現場では臨機応変に多目的なタスクをこなすことが必須だったが、3機の仕様は適合しなかったのだ。

 そうした“苦い経験”を基にDARPA内で、新しいコンテストの可能性の協議が始まった。
 FUKUSHIMAのような厳しい条件の災害現場を想定したコンテストだ。それがきっかけとなり、自動運転車のケースと同様に、民需での研究開発が加速することを期待したのだ。
 今回の大会会場では、競技と並行してエキジビションが開催され、そのなかには、地震と津波の影響で破壊された東日本大震災の被災地の様子、またタヒチやフィリピンを襲った超大型台風による惨状が再現されていた。

 本大会の開催中、DARPA側は競技の実施理由について「大規模災害の際の復旧を、より短期間に効率的に、そして安全に行うことが目的」と繰り返し説明した。
 他方で、日本の含めたマスコミのなかには目的として「米軍のロボット戦士開発促進」を挙げる場合がある。

 DARPAの設立理由が、アメリカのナショナルセキュリティ(国防)である限り、そうした軍需利用について全面的に否定することは不可能だ。
 だが、今回の現地取材を通じて、筆者は軍需ありきとは思えなかった。
 少なくともロボティクスチャレンジを企画運営しているDARPAのチーム、及びそれをサポートする産学官の関係者からは「被災地で役立つモノを」という強い意思を感じたからだ。

●タスクは8つ、制限時間は1時間

 DRCは2012年10月に開催が決定。フェーズ1では世界各国から115件の応募があり、ロボットの仕様について書類審査を行った。
 続いてトライアルが2013年12月、フロリダ州マイアミ郊外の自動車競技場・ホームステッドスピードウエイで開催された。
 アメリカ、日本、韓国などから16チームが参加。
 日本の東京大学からスピンアウトした「SCHAFT」が最高得点を挙げた。

 そして行われたファイナルでは、トライアルでのコース設定を参考として、多くの改善が行われた。

 競技会場は、ローカルの競馬場を使用。観客とマスコミ関係者がグランドスタンドで見守るなか、楕円形のコースの内側に4チームが同時に競技をするため、同形状の4コースが設置された。
 グランドスタンド側から見て、右からブルー、レッド、グリーン、そしてイエローの4つだ。

 タスクは8つある。
 第1は、クルマの運転。
 POLARIS製の小型四輪駆動車「RANGER XP900 EPS」(排気量875?)を運転し、1ケ所のクランクコーナーを含む直線路を通過する。
 第2は、クルマからの自力で降車すること。
 第3からは室内の想定で、ドアノブを使ってドアを開けて室内へ入ること。

 第4は円形のバブルを360度回転させて閉めること。
 第5は電動ドリルを使用して壁に円形の穴を開けること。
 第6は“サプライズ”とされ、開催2日間それぞれで違ったタスクが設定される。
 第7は不整地、またはガレキを想定した小さい障害物を乗り越えること。
 そして第8のタスクは、4段の階段を登ることだ。

 これら8つのタスクを制限時間1時間以内にこなす。
 タクスをクリアするごとに1ポイント入り、最高得点は8ポイント。
 8ポイント獲得チームのなかでは、完了時間が短いほど上位となる。

 また競技の途中、ロボットが制御不能、または転倒して競技が続行不可能となった場合、チーム関係者がコース内に入り修正することが可能だ。
 その場合、ペナルティとして10分間競技に復帰できない。
 また第1タスクの途中で競技を一時中断する場合は、スタート地点へ戻る。
 また、第3タスク以降で競技を一時中断する場合はドア手前の位置まで戻るが、それまで獲得したポイントは有効となり、残りのタスクを通過すれば良い。

●各国チーム、それぞれの特徴

 今回の決勝に参加したのは23チーム(エントリーは24チームだったが、1チームが棄権)。
 半数近くがトライアルに参加しているが、残りの半数は初出場である。
 日本からはNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を受けた4チームを含む5チーム。
 各チームは東京大学の研究室を主流とした、教育機関で構成された。

 アメリカからは、自動運転車の「Grand Challenge」および「Urban Challenge」でも上位につけたカーネギーメロン大学とMITを筆頭に、NASAの支援を受けた民間研究所などから12チーム。
 韓国からは、国立技術系大学のKAISTを含めた3チーム。
 ヨーロッパからはドイツから2チーム、
 イタリアから1チーム。
 そして香港から1チームの合計24チームである。

 ロボットの種類は多様だが、MITを含むアメリカ6チームは、ロボット開発のベンチャー企業「ボストン ダイナミクス」が開発したヒューマノイドロボット「ATLAS(アトラス)」を使用した。
 これはトライアルの獲得ポイントでトップ8までのチームに対する特典で、チーム側から要請があればDARPAが所有するアトラスを決勝まで無償貸与するもの。
 アトラスという完成度の高いハードウェアを得たチームとしては、ソフトウェアによる差別化を図る戦略だ。

 また韓国では、KAISTが主導して開発した汎用機「HUBO(ヒューボ)」があるが、ファイナルではラスベガス大学とKAISTのみが利用した。

 一方、ハードウェアから独自開発したロボットのなかでは、カーネギーメロンの「Tartan Rescue (タータンレスキュー)」やドイツの「Nimbo Rescue (ニンボレスキュー)」が、機動力に優れた設計思想に対して前評判が高かった。

 そして日本勢は全チームが個別に開発した。
 東京大学「HRP2」や、その後継モデルを投入したNEDO-JSK「JAXON」の完成度が高いと話題となった。
 だが、今回日本からの出場した5チームはトライアルの後にファイナル参加を決めており、準備期間が短いなか、どこまでの仕上がりを見せるかが注目された。
 なお、トライアルで最高得点を挙げたSCHAFTは出場しなかった。
 同社が2013年、グーグルに買収されたことが原因と推測される。

 本稿後編では、2015年6月5~6日に行われたファイナルの模様、さらに7日を行われたファイナルのトップ3チームが技術詳細を説明するワークショップについて紹介する。



ダイヤモンド・オンライン  2015年6月11日 桃田健史 [ジャーナリスト]
http://diamond.jp/articles/-/73018

米災害ロボット競技で日本が韓国に負けたワケ(上)


●コンクリートブロックを重ねた不整地を歩く、日本のチーム「AIST-NEDO」のロボット Photo by Kenji Momota

  「ファーストプレイスは、韓国の大田(テジョン)市から参加した、チームKAISTだ!」
 そう紹介されたKAIST(韓国・国立科学技術院)のメンバーが喜びを全身で表しながら壇上へ上った。
 授与された小切手の大型パネルの記載金額は、200万ドル(1ドル125円換算で2億5000円)。
 振出人はDARPA長官のアラティ・プラバッカー氏だ。

 盛り上がる壇上のKAISTチームに対して、観客席の韓国応援団もエキサイト。
 グランドスタンド上段で写真撮影していたKAISTチームスタッフは歓喜のあまり、頭上の蛍光灯に頭をぶつけ、その破片が取材中の筆者の背後から物凄い勢いで降りかかってきた。
 幸い、主催者が配ったメディア用のベストが防具となり、Tシャツ1枚の上半身を守ってくれた。

■なぜ韓国チームが米トップチームを抑え、
日本チームは全タスクを通過できなかったのか

 すでに日本でもテレビ、新聞、ウエブサイトの速報で紹介されているように、アメリカの軍事技術を担う政府機関・DARPA(ディフェンス・アドバンスド・リサーチ・プロジェクト・エージェンシー/国防高等計画局)が、災害対策を目的とした大規模なロボットコンテスト『DARAPロボティクスチャレンジ』(2015年6月5~6日/於: 米カリフォルニア州ポモナ市フェアグランド)を開催した。
 優勝したのは、8ポイント(全8タスク、それぞれ1ポイント)を44分28秒で通過した韓国のチームKAIST。
 2位はフロリダ州の人間・機械認識研究所が50分26秒(賞金1億2500円)、
 3位はカーネギーメロン大学で55分15秒(賞金6250万円)となり、
これら3チームが8つの全タスクを通過した。

 日本チームでは、国立研究開発法人・産業技術総合研究所(AIST)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の共同チームが、5ポイントを52分30秒でこなし10位。
 二足歩行ロボットで日本での権威とされる東京大学大学院 情報理工学系研究科・知能機械情報学専攻の稲葉・岡田研究室が主体となったチームが11位(4ポイント・58分39秒)と14位(3ポイント・30分06秒)に終わった。

 日本の大手メディアはこれまで「二足歩行ロボット等、ヒューマノイド(人型)ロボットの技術では日本が世界一」と度々報じてきた。
 そのため、今回の結果を受け「どうした日本?」、「なぜ韓国に大差で負けた?」といった感想を持つ方が多いだろう。

 また、“日本の企業や教育機関が、アメリカの国防予算で実施するロボコンに出場することへの疑問”を呈する日系メディアも多い。
 今回も日系テレビ局各社が現地取材していたが、参加者へのインタビューで、国防予算云々の質問をする局がいくつか見られた。

 そうしたなか、筆者はこのイベントを“競技という視点”で現地取材した。
 筆者はレーシングドライバーとしての経歴を活かし、日本テレビ系列のCS放送「G+」でこれまで12年間、アメリカ最大のモータースポーツ・NASCARの番組解説を担当している。
 また、TBS及び日本テレビの地上波でインディカーの中継番組でレポーター等を務めてきた。
 そうした経験から、アメリカでの屋外競技の見所・勘所は十分に承知しているつもりだ。

 どうして韓国KAISTチームがアメリカのトップチームと互角に戦って優勝し、日本チームは全てのタスクを通過できなかったのか、その理由を探る。

 その前に「どうしてDARPAが災害ロボットコンテストをするのか?」という大きな疑問がある。
 今回のファイナル現地で収集した情報を基に、まずはその理由から考えていきたい。

■軍事技術はロケット/戦闘機から
ロボット/サイバーセキュリティへ

 DARPAは1957年、DOD(デパートメント・オブ・ディフェンス/国防総省)傘下の研究開発機関として設立された。
 当時、アメリカはソビエト連邦との冷戦状態にあり、アメリカとしては軍事戦略のなかで次世代型技術の開発が必須項目だった。
 またDARPA設立の翌年、1958年にはNASA(連邦航空宇宙局)が設立され、こちらはソ連と宇宙開発競争を繰り広げた。

 DARPAは当初、NASAと連携するようなプロジェクトが多く、ロケットエンジンや大型レーダーの開発等を手がけた。
 と同時に、60年代前半から現在のインターネット技術を含むIT(インフォメーション・テクノロジー)開発を開始。
 今回、ファイナルと同時開催されたエキジビション内の展示パネルでは「ITは、ソビエト連邦の動向をモニターするために必要な基盤技術として生まれた」と説明している。

 70年代になるとDARPAは、レーダーに映らない飛行体『ステルス』の開発等を行う。
 だが、米ソ冷戦時代の終焉に伴い、DARPAの研究対象は特定の敵をターゲットとした戦略兵器から、テロや地域紛争への対応が可能な多角的な軍事研究へとシフトしていった。
 後に民生利用へと転じるGPS、無人飛行体、そして自動運転による地上移動車がその代表例だ。
 2004年、2005年に自動運転の賞金レース『DARPAグランドチャレンジ』、2007年には『同アーバンチャレンジ』が自動運転車の量産化の礎となった。

 直近では、DARPAの研究の矛先はバイオテクノロジー、ロボット、そしてサイバーセキュリティ等の分野へと向いている。
 今回のロボティクスチャレンジと並行して、DARPAサイバーグランドチャレンジの書類選考が進んでおり、決勝戦を2016年8月にラスベガスで開催されるハッカーの祭典『デフコン』と同時に行う。

 DARPAの2015年度予算は2.9ビリオン米ドル(3625億円)。
 専従の公務員が219人おり、6つのテクノロジー部門で250のプログラムを実施している。ロボティクスチャレンジは、そうしたプロジェクトのひとつだ。
 DARPAは今回の大会の発想として、FUKUSHIMAでの災害を明確に表現している。

 そのロボティクスチャレンジの発想の原点は、『FUKUSHIMA』である。

 東日本大震災の発生後、米軍はHADR(Humanitarian Assistance and Disaster Relief、人道支援・災害救助活動)を行った。
 いわゆる「トモダチ作戦」だ。
 2011年4月末で同作戦は一応、終了したが、DARPAとしては東京電力福島第一原子力発電所に対するHADRとして、軍需用に開発された2機の地上ロボットと1機の無人飛行体により、同発電所内の実情調査を行った。

 DARPA関係者が福島の現場で、放射線量を測定しながら、3機のロボットの運用を行ったが、結果的に3機の利用価値はあまり高くなかった。
 なぜなら、こうした極めて重大な状況において、多目的なタスクを臨機応変にこなす能力が各ロボットに備わっていなかったのだ。

 そうしたDARPA関係者の福島での実体験が、ロボティクスチャレンジ発足の原動力となったのだ。

 DARPAの活動目的はナショナルセキュリティ(国防)である。
 だが、ナショナルセキュリティとは単に自国のためだけではなく、大規模災害の復旧という観点からは、例え政治的な枠組みを越えてでも実施するという『人としてのあり方』が問われる。
 FUKUSHIMAの事案は、地球人として皆が同じ気持ちで接するべき重大な課題だと思う。
 こうした話、少々綺麗ごとに聞こえるかもしれないが、ロボティクスチャレンジを運営している人々とじかに接するなかで、筆者は自然な気持ちとして、そう思った。

 なお、DARPA関係者の話では、福島県が現在、国に特区を申請してロボット関連開発拠点の構築を目指しているが、その一環として開催が検討されているロボットコンテストに対し、DARPAロボティクスチャレンジの運営スタッフがサポートする可能性があるという。

■DARPAのプロジェクトマネージャーに聞く
日本は汎用機の利用、トライアル体験で大きな不利

 ロボティクスチャレンジは2012年10月から開始され、ソフトウエア上での技術審査等を進めた。
 2013年12月には決勝戦に向けた公開実験としてのトライアルを米フロリダ州マイアミ郊外のホームステッドスピードウエイで開催。
 16チームが参加して、東京大学からスピンアウトしたベンチャー『SCHAFT(シャフト)』がカーネギーメロン大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)等の強豪を押しのけて最高ポイントを獲得した。
 これが日本でも大きなニュースとなり、「やはり、ヒューマノイド型の二足歩行ロボット技術は日本が世界一」という印象を広めた。

 それから約1年半。
 2015年6月6日、決勝戦2日目の午前10時半、ロボティティクスチャレンジの企画・運営の総責任者、DARPAのプロジェクトマネージャーであるギル・プラット博士にDARPAの広報責任者の立ち合いの下、インタビューを行った。
 プラット博士は元々、MITのロボット研究者で、新設大学の立ち上げに約2年間携わった後、DARPAに転じた。

 最初に、日本チームが苦戦している現状についての感想を聞いた。

  「ファイナルの参加チームは大きく2つのグループに分かれている。
 2013年のトライアルを体験したチーム、そして日本のようにトライアルの後にファイナル出場を決めたチームだ。
 また、アメリカチームのようにボストンダイナミクス社が開発した『アトラス』という汎用的なハードウエアを使うチームと、日本のようにハードウエアをゼロから作るチームだ。
 日本はその両方の面で不利であることは十分に承知している」(プラット博士)

 今回の参加チームは、アメリカが12、日本が5、韓国が3、ドイツが2、イタリアと香港がそれぞれ1で、合計24チーム。
 だが決勝を前に日本の『NEDO-Hydra』が棄権。
 またアメリカの参加チームの半数にあたる6チームが『アトラス』を使用している。

 この『アトラス』の利活用について聞いた。

  「『アトラス』はDARPAがボストンダイナミクス社に製作を依頼した。
 合計8機ある。
 トライアルの上位8チームに対する特典として、ファイナルまでチームに無償で貸与する契約を6チームそれぞれと結んでいる。
 残り2機は、1機がスペアとして、もう1機は香港チームが購入した。
 ファイナルの後、『アトラス』をどう活用するかはまだ決めていない」(プラット博士)

 また、汎用機という観点では、優勝したチームKAISTの総責任者、Jun Ho Oh博士が設計した『HUBO』も汎用型として各方面に供給され、今回の決勝戦ではKAISTの他、ラスベガス大学チームが使用した。
 チームKAISTはトライアルにも参加しており、さらにハードウエアの開発期間が長いことが、日本チームとの大きな差に結び付いたと言える。

 また、トライアルでトップだった『SCHAFT(シャフト)』、さらにはボストンダイナミクスまでもが、トライアルの直前にグーグルによって買収された。
 その影響で『SCHAFT』はファイナルに不出場だった。
 DARPAとグーグルの関係についても、プラット博士に質問したのだが、その内容についてはまた別の機会に紹介する。
 本稿は“競技”について焦点を絞りたい。



ダイヤモンド・オンライン  2015年6月11日 桃田健史 [ジャーナリスト]
http://diamond.jp/articles/-/73019

米災害ロボット競技で日本が韓国に負けたワケ(下)

決勝を俯瞰して感じたこと
韓国の勝利の原点は徹底した『出口戦略』

 ここからは、筆者の私見として、なぜ日本の各チームがチームKAISTに大差をつけられて負けたのかを検証する。
 グランドスタンド最前列のメディア専用スペース、グランドスタンドの各所、チームが整備とロボット操作を行うガレージ、同時開催のエキジビション、さらに決勝後の「ワークショップ」等から多角的に決勝を見てみた。

 まず、コースに設定された8つのタスクを見てみよう。

 前述のように、ロボティクスチャレンジはFUKUSHIMAから“インスパイア”(DARPA側の表現)されている。よって、ロボットは現代社会において人間が利用する道具を使うことを大前提としている。

 8つのタクスは以下の通り。

1)クルマの運転
  車両は、米POLARIS社製の小型四輪駆動車
  『RANGER XP900 EPS』(排気量875㏄)
  乗車する際は、チームスタッフがロボットを好きな位置に着座させる
チームKAISTのHUBOが、壁の穴開け作業のために、ドリルを選択しようとしている場面 Photo by Kenji Momota

2)クルマから降りる

3)ドアを開けて室内に入る

4)円形のバルブを360度回転して閉める

5)電動ドリルにより壁に指定サイズ以上の円形の穴を開ける

6)“サプライズ”。臨機応変さを試すため、決勝2日間でそれぞれ違うタスク
  初日は、レバースイッチを垂直に上から下におろす。
  二日目は、向かって左側のプラグを抜いて、右側に差し替える

7)瓦礫の通過、またはコンクリートブロックの不整地の通過(その場で選択可能)

8)4段の階段を登る

 制限時間は1時間。
 コースの途中で、ロボットが制御不可能となった場合、チームスタッフがコース内に入り復旧することが可能。
 その場合、復旧作業1回あたり10分間、ペナルティとして競技に参加できない。
 クルマの運転の途中で制御不能の場合、スタート地点に戻る。
 またドア開け以降に制御不能の場合、ドアの外の黄色枠から再スタートとなるが、獲得ポイントは維持され、残りのタスクのみをこなせば良い。

 ロボットの操作は、500m程度離れた距離に設置された大型室内施設内の各チームガレージからロボットとデータ通信をして行う。
 決勝日の翌日に実施された、決勝トップ3チームによる技術説明「ワークショップ」では、多くのタスクは自動操作によって行い、オペレーターは操作のポイントの位置決めなどを優先したという。
 ただ、クルマの運転については、カーネギーメロン大学の場合、データ画面をオペレーターが目視しながら、ステアリングとアクセル操作をしたという。

 それでは、チームKAISTの強さの秘密を検証してみよう。

(1):ローラー移動を重視した二足歩行

 8つのタスク全体の流れのなかで、筆者が最も重要だと感じたのは。タスク間の“移動時間”だ。
 そこでキーポイントとなるのが、ローラー型の駆動方式だ。
 チームKAISTの場合、二足歩行の状態から前方に膝をつく格好になると、膝とつま先の部分のローラーを利用して移動できる。


●優勝候補の筆頭だった、カーネギーメロン大学のロボット。
 転倒してもフォーメーションチェンジで、自力で起き上がり競技を続行した。
 これもローラー型で移動する Photo by Kenji Momota

 この他、3位のカーネギーメロン大学、4位のドイツ・ボン大学がローラー型の駆動方式だ。
 ボン大学の場合、ローラー駆動を前提としているため、クルマから降りるタスクを放棄し、最大7ポイントでの最短時間を狙った。
 カーネギーメロン大学の場合、二足歩行から四脚動物のように“フォーメーションチェンジ”するのだが、その動作が複雑で時間がかかる。
 一方でチームKAISTは最小限の時間で“フォーメーションチェンジ”を行った。

 また決勝日2日目に44分28秒を叩きだした時は、各タスクへの移動も速く、さらにタスクの実施までの速度も速かった。
 具体的には、15:15スタート後、開始6分後にドア開けを完了。
 そこから2分後の15:23にバルブ通過、15:34に正確な円形でのドリル穴開け通過、15:47にサプライズのプラグ通過と順調に進んだ。
 そして瓦礫を一気に押し切って不整地を通過。
 「瓦礫を拾う動作も学習していたが、結果的にはブルドーザーのように行き切れてしまい、簡単だった」(決勝翌日のワークショップで担当のHo博士)
という。
 そして15:54には階段の下に到着し、15:55に二足歩行にフォーションチェンジ。
 その場で片足ずつを上げるフォームアップをして、15:57に1段目に足をかけたと思ったら、そのままの流れで一気に最上段まで上り、15:59:28にフィニッシュするという見事な闘いぶりだった。

 やはり決め手は、タスク間の移動時間の短縮だった。

(2):見るからにツール!

 日本チームの場合、二足歩行の動作は“まるで人間”のようにとても繊細なのだが、その動きは遅い。
 “石橋を叩いて渡る”感じだ。
 グランドスタンド上段からその動きを俯瞰していると、ロボットの動きの“線が細い”。
 「欧米人とは違う日本人的感性が、こうして具現化されるのかなぁ」と思った。

 競技の後に観客やメディアに対して屋外でロボットを展示するコーナーで、東京大学大学院 情報理工学系研究科の『NEDO-JST』のリーダー、垣内洋平氏に「ローラー型が移動で有利だが、東大では採用を検討したのか?」と聞いた。
 それに対して垣内氏は
 「我々は二足歩行ロボットの研究を進めており、ローラー側でのノウハウがない」
と日頃の研究を優先したことを説明した。


● ドアの前で作動を待っている、ヴァージニア工科大学他の連合チームのアトラス。それを見守るチームスタッフとオフィシャル Photo by Kenji Momota

 また『アトラス』も二足歩行だが、2位のフロリダの人間・機械認識研究所のように、ソフトウエアの熟成度が高く、オペレーターと操作機器のUI(ユーザー・インターフェイス)が優れている場合、ローラー型のように移動速度は速くないが、ある程度の速度で一歩一歩確実に進む。

 そして様々なシチュエーションを見ていて感じたことがある。
 日本のロボットたちと比べて、『アトラス』は上半身が重そうな格好で、脚部はそれなりに細いのだが、欧米人のアスリートのように、“身体の芯がしっかりしている”ように見えるから不思議だ。

 日本製のロボットは日本人、『アトラス』は欧米人、そのものであるように思えた。

 対して、チームKAISTの『HUBO』からは、“韓国人そのもの感”は全く連想できない。
 あくまでもツールとしてのロボットに見える。

(3):徹底した『出口戦略』

 チームKAISTの『HUBO』は、日本製ロボットや『アトラス』と比べてかなり小柄だ。

 小柄で軽量な方が、機動性が上がることは至極当然の論理だ。
 日本製のロボットが実際の人間に近い背丈となっていることについて、前出の東大・垣内氏は「階段の高さ、クルマからの降車では、人と同じ程度の大きさが必然だと考えた」という。

 では『HUBO』はどのようにして、その課題をクリアしたのか?

 階段については、全身を後ろ向きにし、さらに上半身を180度回転させることで、前方歩行時よりも脚部の可動幅を拡大することと、片足立ち時の安定性を実現した。
 また、クルマからの降車については「こうした小型四輪自動車の場合、現実的に人は、ジャンプするような形で降車している」(前出のHo博士)と分析した。
 そのため、『HUBO』に、シートの端におしりをひっかけて、両手で車体上部のバーをつかんでいるような恰好で座らせた。
 つまり、小柄でも降車しやすいカタチを最初から作ったのだ。

 こうした工夫は、韓国IT産業界のお家芸である『出口戦略』に他ならない。
 『ルールのなかで最大限度、自分たちが有利になる状況を作る』ことが『勝負に勝つための必要十分条件である』。
 Ho博士自身が認めるように、ロボット開発ではアメリカ、そして日本が韓国を依然リードしており、「日米の研究者との友好のなかから、多くのことを学んできた」と言う。

 今回のチームKAISTの勝利は、彼らが『競技に対して闘う気持ち』を素直に出したことで、韓国の潜在的な技術力がバランス良く表現されたのだと思う。

 一方、日本の主力チームに対しては、NEDO及び経済産業省との連携により、昨年夏に正式な参加ゴーサインが出た後、ハードウエアとソフトウエアの同時開発に注力され、今回の結果へ達したことに拍手を送りたい。

 と同時に、是非とも今回のロボティクスチャレンジという賞金レースに対して、『言い訳は不要・負けは負け』を素直に認めていただきたい。

 こんなことを言うと、関係各位からは「国家間で、水面下で起こっている複雑な事情など、なに知らないくせに、生意気な!」とお叱りを受けるかもしれない。

 だが勝負とは、結果がすべて。
 出場したからには、世間は順位でしか見てくれない。
 これを教訓に、日本でのロボット開発及びロボット産業の大きな飛躍を期待したい。



2015年08月04日11時42分 [ⓒ 中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/014/204014.html?servcode=300&sectcode=330

韓国、知能型ロボット開発に2000億ウォン投資

  韓国政府は、今年、知能型ロボットを開発するために2000億ウォン(約212億円)を投資する。

  3日、韓国産業通商資源部によると、同部のほか農林畜産食品部、未来科学部、海洋水産部、保健福祉部など関係部署は今年の予算2076億ウォンを知能型ロボットの研究開発や生態系づくりなどに投資する。
 この投資規模は前年度1766億ウォンより310億ウォン増えたもの。

  韓国政府はメガトレンドの変化に対応した先制的投資で核心技術を確保し、経済と社会、文化の全分野でロボットの融合と活用を本格化し、ロボット市場を活性化する狙いだ。

  特に、今年の新規課題として、
★.看護・看病サービスロボットと低価格型モーター、
★.製造工程用ロボット制御機器、
★.公演舞台制御用モーション制御機器、
★.超小型ドローン核心技術
などを採択した。
★.未来科学部はバイオニックアーム、現実と仮想の統合のための人体感応ソリューションなどロボット関連の基礎コア技術開発
に164億ウォンを投入する。

  この他にも、保険福祉部は
★.リハビリロボットや臨床研究の連携促進のための仲介研究、
★.防衛事業庁は監視偵察・水中探索など複合任務無人水上艇システム、
★.国民安全処は消火・探索・救助用特殊装備
などを進める計画だ。




中国の盛流と陰り

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